「 『集団的自衛権』なくして『日米同盟なし』 」
『週刊新潮』 '07年2月1日号 日本ルネッサンス「拡大版」 第249回 [特集] 緊急提言『日本が危ない』 【第3回】 「 『集団的自衛権』なくして『日米同盟なし』 」 航空宇宙専門誌『エビエーション・ウィーク・アンド・スペース・テクノロジー』(電子版)の1月17日の報道は衝撃的だった。1月11日午後5時半(日本時間12日午…
「 外務官僚よ、国益を蝕むのか 」
『週刊新潮』 '06年12月28日号 日本ルネッサンス 第245回 日本外交はなぜ、墓穴を掘って、国益を損なうのか。 今回の日本外交の信じ難い迷走は、12月13日の麻生太郎外相の発言に始まった。衆院外務委員会で北方領土問題について「択捉島の25%を残りの3島(国後、歯舞、色丹)にくっつけると、50、50の比率になる」と述べたのだ。 外相はまた、「2…
「 毒殺事件が示す新たな冷戦構造 」
『週刊新潮』 '06年12月14日号 日本ルネッサンス 第243回 旧ソ連時代の情報工作員で現在英国在住のボリス・ヴォロダルスキー氏が、ロシア流政敵暗殺術についてウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙に詳報した。11月22日のその記事、「ロシアの毒薬」は小説をはるかに凌ぐ迫力だ。氏は1954年の事件から書き起こす。 54年2月18日夕暮れ、ドイツ…
「 警戒せよ、情勢大変化の予兆 」
『週刊新潮』 '06年11月23日号 日本ルネッサンス 第240回 米国議会中間選挙での共和党敗北は、朝鮮半島情勢の大変化と日本 への深刻な衝撃をもたらしかねない。 11月10日の『ウォール・ストリート・ジャーナル』(WSJ)は、ラムズフェルド国防長官の更迭とロバート・ゲイツ新長官任命の意味を、ブッシュ・ドクトリンの終焉だと一言で断じた。ブッシュ・ドクトリンとは、民主主義や自由の価値…
「 周辺危機、日本はどう対処するか 」
『週刊新潮』 '06年10月26日号 日本ルネッサンス 第236回 いきなりではあるが、次の文章を読んでほしい。 「歴史的に見て、一つの敗戦国を永遠に正常な国家の状態に回復させないようにすることは不可能なことである。『日本が正常な国家の軍備状況に戻ろうとする軍事的な要求と、軍国主義の道を再度復活させることとを、はっきり区別して対応する』これこそが現代における新しい思考であろう」 これ…
「 本当に“アジア外交”の扉は開いたか? 日本に深く浸透する中国共産党の概念 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年10月21日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 662 安倍晋三首相の中韓両国訪問によって、閉じられていた“アジア外交”の扉が開けたかに見える。 扉の開き方はこれでよかったのか。安倍外交は始まったばかりであり、評価については慎重でありたいが、そこには深刻な問題が含まれていると思えてならない。だが、“識者”“専門家”らをはじめ、世論は大概、安…
「 日本のために“真の”智者となれ 」
『週刊新潮』 '06年10月19日号 日本ルネッサンス 第235回 中国のメディアは安倍晋三首相を“智者”であると評価し、小泉純一郎前首相を“独裁者”と決めつけ、前、現首相を分断してみせた。 安倍首相が真の“智者”で、国益に基づいた外交を推進出来るか否かを判断するには、今暫く見守る必要がある。ただ、何事も第一歩が肝心だ。とすれば、安倍外交の第一歩は不安含みかと考えざるを得ない。靖国神社参…
「 中韓の影響、米国の日本批判 」
『週刊新潮』 '06年10月12日号 日本ルネッサンス 第234回 安倍晋三首相が今週末にも中韓両国を訪問する旨報じられた。小泉前政権を拒絶した両国が、いま新内閣を受け入れるのは歓迎すべきだ。だが、日本にとって大事なことは、歴史認識や靖国問題という国家としての価値観が問われる事柄については、決して主張を曲げないことである。 中韓両国も、日本が両国への内政干渉を避けてきたように、日本への内…
「 対露外交で取るべき正攻法は? Part.2 道義的に優位な日本こそ力を蓄えよ 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年9月16日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 657 暴力による支配を軸に成り立つ“力治国家”ロシアから日本固有の北方領土を、どうしたら取り戻せるのか。日本国際フォーラム理事長の伊藤憲一氏は、まず日本側が、対露認識を根源的に改めることだと指摘する。 ロシアが、ソ連時代も含めて今日まで、国際法も道義も踏みにじってきたことを日本は十二分に体…
「 日本外交はなぜ失敗するのか。日露外交を成功に導く要因は何か Part.1 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年9月9日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 656 開国以来、日本は外交で多くの敗北を重ねてきた。対中、対露外交では、領土問題を筆頭に、現在も深刻な問題を抱えている。成功だと評価される小泉純一郎首相の対米外交でさえ、危うさがつきまとう。 日本外交の失敗は、自他を相対化出来ないところから始まる。最も顕著な例が日露外交だ。日本国際フォーラム…