「 莫大な国費投入で『中国の頭脳』を育んでいる『日本の大学』 」
『週刊新潮』 2009年12月3日号 日本ルネッサンス[拡大版] 第389回 「 教育崩壊 」 (後編) 日本にはいま、短大を含め1,200近くの大学が存在する。大学院大学も各地に創設された。これだけを見ると、日本は文字どおり高学歴の、知的国家であるかのような印象だ。その一方で、日本の学生たちの著しい学力低下は覆うべくもない事実だ。 高等教育の実態把握のために、京都大学経済研究所所長の西…
「 外国人参政権法案を議員立法で提出もくろむ鳩山政権のご都合主義 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年11月21日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 814 鳩山由紀夫氏がまだ民主党幹事長だった今年4月、彼は外国人参政権問題についてこう語っている。 「まさに愛のテーマだ。(私が)友愛と言っている原点はそこにある」 さらに、氏はこうも語った。 「仏教の心を日本人が世界で最も持っているはずなのに、なんで他国の人たちが、地方参政権を持つことが許せないの…
「 善意で日本の力を殺ぐのか、民主党 」
『週刊新潮』 2009年11月19日号 日本ルネッサンス 第第387回 先週の小欄でも詳述したが、鳩山由紀夫首相は事前に内容を詰めることもなくCO2排出を1990年比で2020年までに25%削減するという、空前の政策を国連で発表した。 同案作成の中心人物だった参議院議員の福山哲郎外務副大臣は「Voice」12月号に、「政権交代によって、政策決定の在り方も180度変わった」として、…
「 タイ資本に買収された老舗オギハラ 日本の金型産業は本当に危うい 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年10月24日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 810 日本の金型産業が危ういと、メディアで報じられ始めて久しい。それでも、日本の金型産業を担っていた人びとは、秘かな自信を失いはしなかった。 彼らの自信の根拠は、金型はたいそう複雑な産業で、簡単にまねが出来ないところから生まれていた。 たとえば一台のクルマのモーターを作るには、ざっと見て、1,00…
「 『道路独裁』が問う道路改革の真実 」
『週刊新潮』 2009年10月15日号 日本ルネッサンス 第382回 久し振りに読みごたえのある本に出会った。「朝日新聞」経済グループの記者、星野眞三雄(まさお)氏の『道路独裁 官僚支配はどこまで続くか』(講談社)である。 氏は6年前に断行された小泉政権の「道路改革」を取材した記者である。なぜ、いま、6年前の道路改革を取り上げるのか。理由は簡単だ。道路民営化が偽物だったからだ。偽りの改革か…
「 民主党政権が運んでくる『教育荒廃』と『エコ破綻』 」
『週刊新潮』 2009年9月10日号 日本ルネッサンス 第377回 民主党の勝利に終わった総選挙から、2つのことが見えてくる。日本人の気概を奪い無力化を狙ったGHQの政策が60余年を経て結実したこと、自民党が自壊したことだ。 日本人の気概喪失と無力化は各政党のバラ撒き公約とそれに無批判な大方の反応に表われていないか。民主党も自民党も有権者に訴えたのは経済的にいかに多くを与えるかだった…
「 本当におかしくなった日本の姿がくっきりと浮かんだ“日の丸事件” 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年9月5日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 803 民主党が「日の丸」を破って2枚を継ぎ合わせ、民主党旗を作っていたことが、麻生太郎首相の指摘で明らかにされたのは、少し前のことだった。 国旗への敬意も繊細さも欠いている民主党とは対照的な出来事が、お隣の韓国で起きていた。先に死去した金大中元大統領の国葬の締めくくりの場面でのことだ。 ソウル国立墓地で…
「 『国破れて霞が関あり』の現実 バラ撒きでなく、ムダづかい防止を競え 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年8月29日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 802 若林亜紀さんという、ご本人に言わせれば「変わった経歴を持つ」ジャーナリストがいる。 厚生労働省の外郭団体で特殊法人の日本労働研究機構(現在は独立行政法人労働政策研究・研修機構)で「労働白書」などの出版に、10年間、携わった。ところが、そこですさまじい公金の浪費と不正を目にする。彼女は考えたすえに…
「 民主党、霞が関改革に赤信号 」
『週刊新潮』 2009年8月27日号 日本ルネッサンス 第375回 総選挙の争点のひとつは公務員制度改革である。民主党は天下りを「官製談合や随意契約など税金のムダづかいの原点」と断じ、「天下りの背景となっている早期退職勧奨を廃止」、つまり天下りを全廃すると言ってきた。だが、民主党政権では、天下り全廃は出来ないだろう。むしろ、人事院と労働組合の連携に民主党が加担し、現在よりも尚酷い役人天国体制が作…
「 教育の危機を直視し親守詩(おやもりうた)を広める愛媛県、香川県 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年8月15・22日合併号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 801 世界各国に子守詩(こもりうた)はあっても、親守詩(おやもりうた)があるのは珍しい。このユニークな「親守詩」は司馬遼太郎の『坂の上の雲』で知られる愛媛県松山市で生まれた。生みの親は明星大学の髙橋史朗教授だと言ってよいだろう。 髙橋教授は現代日本の教育の荒廃は、よき家庭教育が消えたことが…