「 裁定直後はフィリピンをどう喝 軍事的色彩強め立ちふさがる中国 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年7月30日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1143 フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が、7月19日、南シナ海問題で中国とは交渉しないと、マニラを訪れた米国議員団に語った。 南シナ海のほぼ全域が自国の領有だとする中国に対して、ドゥテルテ大統領はオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所がどのような裁定を下しても、話し合いで臨むと明言してきた。…
「 日本は南シナ海共同管理の先頭に立て 」
『週刊新潮』 2016年7月28日号 日本ルネッサンス 第715回 オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が下した南シナ海問題に関する裁定への中国の反発は常軌を逸している。公然と国際法を否定する中国の前で、法治を旨とする民主主義陣営が確固たる手を打てないとしたら、ハーグの仲裁裁判所も国際法も意味を失う。いま世界は国際法を守るのか破るのか、法治を徹底させ得るのか、暴力支配の原理を許してしまうのか、…
「 南シナ海問題で完敗でも拒否する中国 常軌を逸した習近平体制の暴走 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年7月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1142 国際法を守る陣営と、守らない陣営との対立が、際立つ形で浮上した。 2016年7月12日、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が、南シナ海における中国の主張や行動は国連海洋法条約に違反するとしてフィリピン政府が訴えた件に関して、中国が南シナ海に独自に設定した境界線「九段線」には法的根拠がないと…
「 中国人慰安婦問題も日本発か 」
『週刊新潮』 2016年7月21日号 日本ルネッサンス 第713回 「少しずつですが、彼らの主張が解ってきました。結局、歴史問題は日本人が創り出しているのです」 東京基督教大学教授の西岡力氏は中韓両国が主導して5月末に国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)に、慰安婦関連資料約2700件の世界記憶遺産登録の申請を行ったことについて、こう語った。明星大学教授の高橋史朗氏も深く懸念する。 …
「 米でも絶賛の中国の要人が豹変 国家間で求められる国益の視点 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年7月16日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1141 中国の要人に戴秉国(たい・へいこく)という人物がいる。胡錦濤前政権の外交トップを務めた実力者である。彼の前では外務大臣の王毅氏など、小僧っ子のような存在である。 米国をはじめとする世界が戴氏をどれほど重視していたかは、ヒラリー・クリントン氏が2014年に出版した回顧録『Hard Choi…
「 東シナ海の危機に民共で対処できるか 」
『週刊新潮』 2016年7月14日号 日本ルネッサンス 第712回 参議院議員選挙が迫っている。民進党や共産党は公約として安保法制廃止を掲げているが、どう考えても理解できない。日本周辺の安全保障状況が厳しさを増す中で、民進党も共産党もどのようにして日本国民と国土を守るつもりなのか。 7月3日、中国は南シナ海のパラセル諸島海域で新たな強硬策を取ることを世界に宣言した。5日から11日ま…
「 英国のEU離脱で深まる自国第一主義 西側民主主義の限界に自信深める中国 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年7月9日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1140 日本を含む西側諸国は、自由と民主主義こそが大事であり、中国にはそれが欠けているとして、中国を批判してきた。だが、6月23日の英国の国民投票の結果を見て、中国は、西側の民主主義とはこんなものかと、自信を深めているだろう。 ロシアと中国は6月23日と25日、ウズベキスタンと中国の北京で立て続…
「 国民投票がもたらす英国の衰亡 」
『週刊新潮』 2016年7月7日号 日本ルネッサンス 第711回 6月23日、イギリスの命運を決する国民投票が行われ、欧州連合(EU)からの離脱を望む人々が約4%の差で残留派をおさえた。 オバマ大統領をはじめとする米国首脳はイギリス国民の決定を、「アラブの春」の民主化運動勃発に対するのと同様の驚きで受けとめたと、「ニューヨーク・タイムズ」(NYT)が28日の紙面で伝えたが、それ程予…
「 18歳以上に選挙権の参議院選挙 重要争点は中国との付き合い方 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年7月2日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1139 初めて18~19歳の人たちも投票できる参議院議員選挙が始まった。私はどんな18歳だっただろうか。夢はたくさんあったが、世界や政治のことなど何も分かっていなかった。けれども、いま、18歳以上の人々は国の在り方を決める権利と責任を与えられた。そのことに正面から向き合ってほしい。 世界を見渡すと…
「 今だから読んでみよう、共産党綱領 」
『週刊新潮』 2016年6月30日号 日本ルネッサンス 第710回 民進党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの4党が参議院議員選挙で共闘する。政党とは各自、公約を掲げて選挙に臨むのが基本である。その視点から、私は自民党と公明党の選挙共闘への批判を繰り返し、表明してきた。 同じ意味で、32ある1人区の全てで統一候補を出す民進党や共産党などの野党協力には強い違和感を抱く。…