「 中国海軍の軍艦が領海侵犯 海上保安庁、自衛隊の増強が急務 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年6月25日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1138 中国が挑発的かつ活発に動いている。6月15日午前3時半ごろ、中国海軍の情報収集艦1隻が鹿児島県口永良部(くちのえらぶ)島西方のわが国領海に侵入した。中国海軍の軍艦による領海侵犯は12年ぶり、2度目である。 さらに同日午後、沖縄県の尖閣諸島周辺の領海に中国海警局の公船3隻が侵入した。 …
「 トランプよりも自国第一主義の日本 」
『週刊新潮』 2016年6月23日号 日本ルネッサンス 第709回 昨年5月及び12月の事件に続いて、イスラム国(IS)への忠誠を誓う犯人が6月12日、アメリカで3度目の殺戮を行った。 49人もの死者を出したフロリダ州オーランドの銃乱射事件の犯人はアメリカで生まれ育った中東移民2世だった。オバマ大統領は、犯人がISの発信に操られて米欧諸国を襲っているとの主張は「醜い嘘」だとして、今…
「 孤立主義・排外主義が渦巻く米国 どちらが勝っても必要な日本の自助努力 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年6月18日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1137 米大統領選でヒラリー・クリントン氏が民主党候補に指名されることが確実になった。彼女はガラスの天井を打ち破れるか。 初の女性候補として、共和党のドナルド・トランプ氏と大統領の座を争う彼女への期待も大きいが、クリントン氏にはメール問題など不確定要素があり、結果は予測しにくい。現在、世論調査…
「 中国が展開する騙しの常套手段 」
『週刊新潮』 2016年6月16日号 日本ルネッサンス 第708回 6月6日、北京で米中戦略・経済対話が開かれた。両国の主要閣僚が勢揃いして、およそあらゆる問題を話し合うこの会議は2009年以降定例化したものだ。開幕式での演説で習近平国家主席が強調したのは、中国の大国意識を表わす「新型大国関係」だった。 米中が互いの「核心的利益」を認め合い、干渉し合わないことで衝突を避け「ウィンウ…
「 オバマ大統領の広島訪問で考えた 指導者の「言葉」と「行動」のギャップ 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年6月11日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1136 5月27日、オバマ米大統領の広島訪問のテレビ中継に見入ってしまった。大統領が被爆者の森重昭さんを原爆慰霊碑の前で抱き寄せた姿には、誰しも感動したことだろう。原爆を投下した国とされた国、その2つの国の思いを背負った2人の人物が、71年後に思わず知らず、歩み寄り、抱き合った。 その瞬間に生…
「 世界でナショナリズム台頭へ 」
『週刊新潮』 2016年6月9日号 日本ルネッサンス 第707回 11月のアメリカ大統領選挙で、ドナルド・トランプ氏対ヒラリー・クリントン氏の一騎打ちになった場合、支持率は45%対42%でトランプ氏が勝利し、両氏に加え、第3の政党「リバタリアン党」のゲーリー・ジョンソン元ニューメキシコ州知事が参戦する場合、3氏の支持率は各々42%、39%、10%で、これまたトランプ氏が勝利するという。これ…
「 オバマがサミット前に沖縄の事件に言及 増幅する怒りの中で求められる冷静さ 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年6月4日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1135 伊勢志摩サミットに先立って行われた5月25日夜の日米首脳会談では、「少人数会合の全ての時間を沖縄県の事件に割いた」と、安倍晋三首相が危機感を表明した。その後に行った共同記者会見は夜半近くまで続いた。 会見で首相は、「身勝手で卑劣極まりない犯行に非常に強い憤りを覚える。日本全体に大きな衝撃を…
「 激変する国際情勢、日本は変われるか 」
『週刊新潮』 2016年6月2日号 日本ルネッサンス 第706回 いよいよ先進7カ国首脳会議が始まる。6度目の日本開催となる伊勢志摩サミットを歴史の検証に耐えるものとしたい。国際情勢が激変する真っ只中で、主要国は問題の複雑さにもがきながらも未来の地球社会の基本方針を決定し、日本はその中で重要な役割を担わなければならない。 日本の役割は、中国の暴走を抑止するのに十分な経済力と軍事力の…
「 自衛隊派遣に反対しながら護衛してもらう ピースボートに見る“矛盾”に満ちた主張 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年5月28日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1134 5月18日の「産経新聞」5面に掲載された写真を見て、つい書く気になった。 その写真とはアフリカ・ソマリア沖で海賊対策に従事している海上自衛隊に護衛されて航行する「ピースボート」(以下PB、民間の国際交流団体)の旅客船の写真だった。白い船体にくっきりと「PEACE BOAT」の文字が浮かび…
「 憲法前文の精神に浸る人々の幻想 」
『週刊新潮』 2016年5月26日号 日本ルネッサンス 第705回 5月13日、米国防総省が「中国の軍事動向」に関する年次報告書を発表した。報告書は、中国は共産党創設100周年の2021年までに「適度に豊かな社会」を目指し、中華人民共和国創立100周年の49年までに「近代的社会主義国となり、繁栄する強国、民主主義的、文化的で高度に進んだ和を基調とする国を作る」ことを目指していると報告した。…