「 またしても思いやりに欠ける発言 薬害C型肝炎問題への首相の姿勢を問う 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年12月22日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 720 去る12月10日、福田康夫首相は参院決算委員会で、福山哲郎民主党議員から薬害C型肝炎問題について問われ、答えた。 「この件については、あまりよく知らないんです。今週、(大阪高等裁判所の)和解案が出るので、それを待って関係省庁と協議し、迅速に対応したい」 首相答弁は、二つの点でおかしい。まず「…
「 技術大国・日本は「中国の下請け」になる 」
『週刊新潮』'07年12 月20日号 [特集]日本ルネッサンス・拡大版 第293回 日本は戦後、安全保障も外交も基本的に米国主導の下でやってきた。一人前の国家でなくとも、経済だけは世界一の水準を達成し、幾世代もかけて磨き上げた優れた技術を誇ってきた、と私たちは考えてきた。 しかし、いまや、経済、技術分野においてさえ日本は敗北しつつある。日本の技術にかげりが生じたからではない。21世紀の地球経…
「 米欧がイランの核問題を最重視するなか外交に疎い首相の下で孤立深まる日本 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年12月15日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 719 福田康夫首相の外交視点には、日本周辺の景色、というより、日中関係の促進しかないのではないか。 今、国際情勢は複層的に変化しつつある。鍵は米国の中東政策だ。ブッシュ大統領の評価は、北朝鮮問題よりもイラク、イラン問題で決まる。残り任期約一年となった同大統領はそのことを意識しているはずだ。 ブ…
「 ならず者国家が横行する世界 」
『週刊新潮』'07年12月13日号 日本ルネッサンス 第292回 12月19日には、盧武鉉大統領に替わる韓国の新大統領が選出される。最有力候補が前ソウル市長の李明博氏であることに変わりはないが、熾烈な選挙戦ではなにが起こるか、最後までわからない。また、新大統領の北朝鮮政策によって、拉致、安全保障を含む日本の国益は大きな影響を受ける。それだけ朝鮮半島情勢の読み方が重要になる。 今年出版された『…
「 立場が変われど国際摩擦を避けて通る福田首相はやはり「不可」評価のままか 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年12月8日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 718 2002年4月に、発足一年後の小泉純一郎政権の評価を誌上座談会で問われたことがある。出席者は京都大学の中西輝政教授、経済アナリストの森永卓郎氏、それに私の三人だった。 福田康夫首相が訪米してブッシュ大統領と会談し、シンガポールでの東南アジア諸国連合の首脳会議で中国の温家宝首相とも首脳会談を…













