「 原発安全対策、国民に明確に示せ 」
『週刊新潮』 2011年7月7日号 日本ルネッサンス 第467回 6月27日、菅直人首相は細野豪志首相補佐官を原発事故収束・再発防止担当相に任命した。「原発事故を収められないようなら、政治家を辞める」と語る氏は6月24日、シンクタンク「国家基本問題研究所」主催のセミナー「放射線被害の虚実」で、「福島第一原発の各原子炉に対するコントロールの度合いは確実に上がっている」と強調した。 たとえば、…
「 国産クインスで原発事故収束を 」
『週刊新潮』 2011年6月16日号 日本ルネッサンス 第464回 6月7日、千葉工業大学で災害救助支援ロボット「Quince(クインス)」の東京電力への貸与式が行われた。原発事故処理に、日本製ロボットが初めて投入されるのだ。 千葉工大が無償貸与するクインスは重さ27キログラム、長さ66センチメートル、幅48センチメートルの自立走行型ロボットだ。瓦礫の山の上を走る能力は世界一、70度傾いても倒…
「 放射能除去で国土復興を目指せ 」
『週刊新潮』 2011年6月2日号 日本ルネッサンス 第462回 福島原発事故で日本は一夜にして、それまでの原子力平和利用の「優等生」から「前科者」になったと山名元(はじむ)教授は語る。京都大学原子炉実験所の山名氏は、大事なことは日本を第二のチェルノブイリにしないこと、端的に言って美しい福島を取り戻すことだと強調する。 自然も人情も日本本来の美しさを保ち、「うつくしま ふくしま」と呼ばれてきた…
「 『不都合な数字』を隠した菅首相 政策転換の説明責任をまっとうせよ 」
『週刊ダイヤモンド』 2011年5月21日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 887 5月6日夜、突然、菅直人首相は中部電力に対する浜岡原子力発電所の停止要請を発表した。 理由は文部科学省地震調査研究推進本部の数字で、「30年以内にマグニチュード8程度の想定の東海地震が発生する可能性は87%ときわめて切迫している」ことと、「浜岡原発が東海地震の震源域内にある」という2点だった。 …
「 健康被害解決への専門家の声 」
『週刊新潮』 2011年5月10日号 日本ルネッサンス 第460回 福島第一原発から半径20㌔圏内の警戒区域への住民の一時帰宅が10日から始まる。危険回避で避難中の人々は現在7万8,000人、約2万6,000世帯に上る。避難所生活は特にお年寄りには重い負担である。すでに少なからぬ方々が亡くなり、認知症が進んだ方もいる。働き盛りの世代は田畑も家畜も失い、仕事にも行けない。将来の生活の目処が立…
「 日本の価値観を最も鮮明に体現された天皇、皇后両陛下 」
『週刊ダイヤモンド』 2011年5月14日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 886 藤原正彦氏が『日本人の誇り』(文春新書)で日本文明の価値を、欧米人が至高の価値とする「自由」や「個人」の尊重と対比させて、「秩序」や「和」に求め、こう書いた。 「(日本人は)自分のためより公のために尽すことのほうが美しいと思っていました。従って個人がいつも競い合い、激しく自己主張し、少しでも多く…
「 日本独自の復興をこうして支えよ 」
『週刊新潮』 2011年5月5・12日合併号 日本ルネッサンス 第459回 日本の復興をどのような視点と手法で成し遂げるのがよいのか。菅直人首相は復旧ではなく、新たな社会の創造を目指すとして4月11日、復興構想会議を設置した。 議長の五百旗頭(いおきべ)真氏は4月14日の初会合で、首相の意思に従って会議では原発問題に触れないと述べ、批判を浴びたが、エネルギー政策における原発の位置づけを明確…
「 増税が復興の真の支えとなるのか 」
『週刊新潮』 2011年4月28日号 日本ルネッサンス 第458回 菅直人首相肝煎りの復興構想会議が発足した。東日本大震災発生後約ひと月の間に設置された諸々の会議の内、少なくとも20番目の会議だ。 同会議が発表されたのは4月11日。前日の統一地方選挙の敗北の印象を打ち消すかのようなタイミングだった。統一地方選では鳩山由紀夫、菅直人、岡田克也三氏の地盤である北海道、東京、三重の知事選すべてで…
「 チェルノブイリの教訓に学ぶ放射性物質の不拡散の重要性 」
『週刊ダイヤモンド』 2011年4月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 884 東京電力福島第一原子力発電所事故の影響について、全米医師会が日本に送った原発事故の専門家で第一次支援調査団長のチャム・ダラス博士の話を聞いた。氏はジョージア大学の教授でもあり、チェルノブイリ原発事故直後から10年間にわたって、定期的に現地を訪れ、健康被害調査を行った。氏の調査はすでに約25年にな…
「 最悪の原発事故、情報公開の徹底を 」
『週刊新潮』 2011年4月21日号 日本ルネッサンス 第457回 枝野幸男官房長官は11日、福島第一原発から半径20キロの同心円内を一律に避難区域とするのでなく、地形、風向き、放射線量などを考慮して地域毎に避難指示を出すと発表した。 この方針転換によって飯舘村、南相馬市、浪江町、葛尾村、川俣町が新たに「計画的避難区域」に指定された。右の市町村は全面積、或いは一部が20キロ圏外だが、年間2…