「カツオ、スルメイカ、桃豚…… 食料自給率を高める地産地消」
『週刊ダイヤモンド』 2008年5月31日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 741 中国の毒入り餃子事件で、輸入食品に頼る日本の脆弱性があらためて注目された。その際いちばん多かった国民の反応は、日本の食料自給率を上げなければならないというものだった。 日本の自給率はいまや39%。牛や豚、鶏などの飼料の自給率に至ってはわずかに10%だ。日本は儚いほどに脆弱な国になってしまっている…
福田首相“無策政治”の背景にある日本本来の力への認識不足
『週刊ダイヤモンド』 2008年2月2日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 725 福田康夫政権の下で株価下落が続いている。下落が日本だけの問題でないのは確かだが、それでも福田政権の無策は見るに堪えない。なぜ、これほど無策なのか。問題への理解の欠落以前に、首相は日本の持てる力に気づいていないと思えてならない。 日本への愛も信頼も欠くかのような福田流政治への憤りが静められ、慰…
「 町議の合意で議員報酬を日当制に 真の自治確立を目指す矢祭町の心意気 」
『週刊ダイヤモンド』 2008年1月19日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 723 「これが矢祭町の議員の心意気です。この自治の精神が他の自治体を刺激し、広がっていってほしいものです」 福島県最南端に位置する人口7,000人弱の矢祭町が、昨年12月28日、議員報酬を現行の月額制から日当制に変更すると決定したことを、前町長の根本良一氏はこう語った。 「月額20万8,000円の報酬から…
「 日本の翼が世界を飛ぶ日 」
『週刊新潮』 2007年8月16・23日合併号 日本ルネッサンス 第276回 「 日本の翼が世界を飛ぶ日 」 8月4日の『読売新聞』朝刊に思わず期待したくなる記事が報じられていた。日本航空が、三菱重工業が開発中の国産機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」数十機の購入を検討しているとの報道だ。 MRJは、就航の暁には、戦後、日本の航空関係者が悲願としてきた国産ジェット旅客機の…
「 年金問題処理という大義名分の下で公然と進む国民総背番号制度に異議 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年7月21日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 699 誰の支払い記録なのかが確認出来ない年金保険料5,000万余件について、安倍晋三首相は当初、1年間で精査すると言明、さらに前倒しして、来年3月までには照合を終えるとしている。 そのあいだに“疑わしきは救済する”方針、たとえば領収証のような決定的な証拠がなく…
「 介護を第二の年金にしないために 」
『週刊新潮』 2007年6月28日号 日本ルネッサンス 第269回 医療、介護を専門とするハンディネットワーク社社長、春山満氏は、折口雅博氏のコムスンは破綻すべくして破綻したと言う。彼らが介護事業に乗り出し、全面拡大方針を採り始めた当初から春山氏は、必ず行き詰まると指摘してきた。 2000年7月9日に、フジテレビで春山、折口両氏のビジネスモデルを比較した『スーパーナイト』という番組が放…
「 骨の髄まで憲法の価値観に染まった人びと 官僚たちに欠落する『公と国家』の観念 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年5月19日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 690 特急列車「サンダーバード」の車内で発生した強姦事件の報道に、心が暗くならなかった人はいないはずだ。 昨年8月3日、富山発大阪行きの特急列車、約40人もが乗り合わせた車内で、事件は発生した。犯行は犯人が乗車した午後9時20分直後から大阪到着の11時8分まで、…
「 『悠仁親王』ご誕生でも低調な世論 皇室への無関心こそ最大の危機 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年9月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 658 秋篠宮家にお生まれになったお子さまは、9月12日、悠仁(ひさひと)と名づけられた。悠久の日本の伝統を継がれるのにふさわしいお名前である。お印の高野槇は日本固有の常緑樹で高くまっすぐに育つ。皇室の未来が、お名前とお印の示すように、悠久の歴史を偽りなくまっすぐに貫き、続いてほしい。 注目さ…
「 『皇位継承』に突きつけられた課題 」
『週刊新潮』 '06年9月21日号 日本ルネッサンス「拡大版」 第231回 皇室に親王が誕生された。皇室をめぐる眼前の危機を救い、拙速な改革への静かなる峻拒となった親王の誕生は、何よりもまず、日本人に皇室について考え、学ぶ時間を与えてくれた。 戦後の教育で、日本人は殆ど自国の歴史を学んでこなかったが、皇室についてはとりわけそうだ。皇室の歴史や由来、それが日本という国にどんな形で織り込…
「 はじける笑顔の雅子妃に複雑な思い 皇室はなんのために存在するのか? 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年9月2日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 655 8月18日、皇太子ご一家がオランダに到着され、オランダ王室のお出迎えを受けて撮影された写真が各紙の一面を飾った。「はじける笑顔」と見出しを付けた社もあったほど、雅子妃の表情は明るかった。国内で見なれてしまった鬱々とした表情の上に努力して重ねて見せる笑顔とはまったく異質の、心底楽しそうな豪…