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2026.03.05 (木)

「 国民と世界のメディアは高市大激賞 」

『週刊新潮』 2026年2月26日・3月5日合併号
日本ルネッサンス 第1185回

衆議院議員選挙での高市早苗氏の勝ちっぷりは前代未聞だった。465議席中3分の2を超える316議席を勝ち取り、氏は思い切った政策を実現する力を得た。想い出すのは岸田文雄元首相である。岸田氏は衆参両院で改憲発議に必要な3分の2の勢力を固め、国政選挙をしなくて済む黄金の3年間も与えられていた。にもかかわらず氏は3年間を丸々無駄にし、何も成し得ず退陣した。

高市氏は岸田氏の轍を踏んではならない。国民が与えた絶大な信頼に、この機を逃さず、積極果敢に応ずるのがよい。

高市氏の政治でわが国は大きく変わっていくはずだ。力強く、自立した、日本国らしい国柄を体現していくだろう。しかし、そうした変化を喜ばないのがオールドメディアだ。朝日などの新聞、『週刊文春』を筆頭とする雑誌、NHKなどの地上波放送局は、大勝した高市氏が「暴走」しかねないとして批判する。高市氏が公約として掲げた日本国再生の物語に賛同して一票を投じた有権者の心を、オールドメディアは読みとろうとしない。

高市批判に余念のない国内メディアとは対照的なのが海外メディアである。ロシアによるウクライナ侵略戦争、プーチン露大統領の専制主義の脅威を眼前にして、日々安全保障について考えを巡らしているのが欧州だ。欧州を代表するメディアのひとつ、英誌「エコノミスト」が2月12日、「世界で最も力を持つ女性」として高市氏を特集した。見出しには「日本国首相は祖国再生の一世一代のチャンスを勝ち取った。彼女は好機を物にできるか」とある。

特集記事は高市氏への大きな期待と力強い応援で始まっている。

「命運を賭けた選挙に大勝した。国民の期待は大きい。応えるために高市氏は大きく広い視野で考えよ」として、今日の苦労を癒すといった類の政治の日常業務などしなくて宜しい、とまで書いている。

そして同誌は宣言する――「波乱万丈の現実世界で、安定勢力としての日本の役割を認識せよ。支持母体の保守勢力だけの指導者にとどまるな、日本国全体の指導者となれ。そして再度、賭けに出よ」、と。

核のタブー

賭けとは何か。ゴリ押しの中国と信頼失墜の米国にはさまれて、日本は国防策の大転換を求められている。世界情勢は猛スピードで変化している。日本の防衛予算増額は対応策の一部だ。世界の無秩序に全力で適合せよ、と発破をかけ、断じるのだ。

「高市首相が積極的にタブーを打ち破ろうとする姿勢は、核の議論を厭わないことも含めて、健全だ」

核のタブーに触れることは日本では容易ではない。公明党は非核三原則にこだわり続け、広島選出の岸田氏も同様だ。オールドメディアは、この種の主張の非現実性を十分に知っていながら、敢えて異を唱えない。プーチン氏は2022年秋、ウクライナ戦争で核を使用する可能性を真剣に検討した。中国もまた台湾有事に核を使用する可能性について研究しているのは間違いない。そんな時代になった今、非核三原則は日本国民の命を守り、国土を守ることにはつながらないと言ってよい。逆にわが国、わが国民を危険に晒す。だからこそ、いま、冷徹な議論を通して核の実態を知っておかなければならない。核の議論をタブーにしてはならないのだ。そのタブーの壁を打ち破るかのように核の議論に背を向けないことも含めて、高市氏の政治姿勢は健全だと、エコノミスト誌は評価したのだ。

高市氏を激励する一方で、しかし同誌は厳しい注文もつけた。靖国神社参拝は中国との関係を悪化させる、中国の脅威に対峙するのに必要な韓国との協力関係も損なわれかねないとして、慎重さを求めた。

ただ全体から読みとれるのは、高市氏はイデオロギーにこだわることなく、韓国も含めたアジア諸国の信頼に応えよ、中国の脅威と米国の不確実性に揺れるアジア、そして欧州のために、インド・太平洋の安定勢力となれという励ましである。

米国の通信社、ブルームバーグが高市大勝利の直後にアジア全域の反応を特集した。詳細は省くが、中国を除く全アジア諸国が、高市氏の勝利を歓迎していること、前述したエコノミスト誌の報道と同じく、米国に頼れず、中国の圧力が高まり続ける今日の情勢の下では、アジア各国が「日本に安定と平和維持の軸となるよう強く期待して」おり、それがアジア全体の合意だとブルームバーグは総括した。日本への信頼は非常に高く、中国に屈しない高市氏の政治姿勢にアジア諸国の大きな期待が寄せられている、というのが特集の結論だった。

「一触即発の状況」

肝心の米国は中国との戦いにどう備え、日本を含む同盟国に何を求めるのか。昨年12月5日に公表した国家安全保障戦略でこう書いた。

「アトラス(天空を支える神)のように米国が世界秩序全体を支える時代は終わった」

米国自身が初めて公式文書でパックスアメリカーナの時代の終焉を明言したのだ。同時にトランプ米大統領はドンロー主義の下、西半球(南北アメリカ大陸)を守り、同地域で外国勢力(とりわけ中国)が米国の権益を害することは許さないとの方針を強調した。

米国は今年に入って国家安全保障戦略の具体策として国家防衛戦略を発表した。米国の危機感溢れる右の報告は、なぜトランプ氏がグリーンランドを欲し、カナダを米国の州のひとつにすると言い、パナマ運河の運営から中国の影響を排除しようとするのか、その疑問を解いてくれる。

岩田清文元陸上幕僚長が地球儀上に、中国もしくはロシアが米国に向けて大陸間弾道弾(ICBM)を撃った場合の航跡を示してみせた。全てが北極海上を飛ぶ。首都ワシントンへの攻撃では全ミサイルがグリーンランド上空を通る。アラスカとグリーンランドにある米国の宇宙軍基地の重要性が見てとれる。

岩田氏は北極海深くにはすでにロシアの弾道弾搭載の原子力潜水艦が潜航しており、2016年以降、複数回、その発射実験を行ったことが確認されていると指摘する。北極海の水中からの攻撃では、米国への到達時間が非常に短く、迎撃しきれるか否か、難しい問題だという。

「北極海は今、一触即発の状況です」という岩田氏の指摘は怖ろしい。国際情勢の厳しさをわが国も認識して、備えなければならないのだ。

わが国は核保有国の中露北朝鮮に囲まれている。にもかかわらず、憲法で軍事行動は厳しく縛られている。アジア諸国も欧州も、そのわが国に地域の安定を支える国になれと期待する。高市氏の下で、安全保障上の厳しい情報を国民が広く共有し、憲法改正を含めて危機に備える方途を早急に実現しなければならないゆえんだ。

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