「決められる政治」を実践した野田佳彦首相を私は評価する
『週刊ダイヤモンド』 2012年7月7日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 943 野田佳彦首相はよくやった。「政治生命を懸ける」と繰り返した社会保障・税一体改革関連法案を6月26日、衆議院で可決させた。これで消費税は2014年4月から8%に、15年10月から10%に上がり、その段階で税収は約10兆円増えると予測される。 民主党内から57人が反対し、16人が欠席・棄権したが、与野党…
「 国会議員91人が中国に要求したチベット人への人権弾圧の停止 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年4月14日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 932 2012年4月4日は日本国にとって記念すべき日になるだろう。初めて、日本の国会議員が超党派でチベット亡命政府のロブサン・センゲ首相を招き、チベット問題について聞いたのだ。他の先進諸国の選良たちは長年同問題に関心を持ち実情を理解した上で、中国政府に言うべきことは言ってきた。チベット人に対しては、人道…
「 「村に帰ろう」と村長が呼びかけた福島県川内村、いわなの里を訪れて 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年3月31日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 930 「村に帰ろう」と全村民に呼びかけた福島県川内村の遠藤雄幸村長にお会いしてきた。3月20日の春分の日、郡山駅で待ち合わせると、駅正面の放射線量を示す掲示板には毎時0.423マイクロシーベルトと表示されていた。これは年間3.7ミリシーベルトに相当する。 日本人は自然界から年平均1.4ミリシーベルトの放…
「 世界中の『指導者交代ラッシュ』で『日本』の正念場 」
『週刊新潮』 2012年1月19日号 日本ルネッサンス・拡大版 第493回 国際政治はいつの時代も首脳の資質に左右される。1981年に誕生した米国のレーガン大統領は、79年に政権を奪取した英国保守党のサッチャー首相、さらには82年に首相となった中曽根康弘氏らと社会主義体制のソ連邦と対峙した。 自由と民主主義陣営が冷戦に勝利して、ユーラシア大陸のアジアには5つの一党支配の社会主義・共産主義国が…
「 野田首相の基本的方針は正しい 価値観を掲げて総選挙に挑め 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年1月14日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 919 年明け、新聞が総選挙近しとして立候補者および選挙区動向を特集し始めた。4日の年頭会見で、税と社会保障の一体改革を最重要課題とし、消費税の増税法案提出にこだわる野田佳彦首相の前途を、各紙は「非常に困難」と分析し、解散総選挙を予測する。現状は確かにそうなのであろう。そこで、就任以来4ヵ月間の、野田首相…
「 中田宏前横浜市長はいかに『殺された』か 」
『週刊ダイヤモンド』 2011年11月26日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 913 折に触れて取材をしてきた中田宏前横浜市長が『政治家の殺し方』(幻冬舎)を上梓した。いまさらではあるが多くのことが理解出来た。 中田氏とは、氏が市長選に出る前の国会議員時代からの知り合いである。日本の改革と国家基盤の強化という大テーマに基づいて、個々の問題の具体的解決策を勉強する20人前後の議員…
「 竹富町教育委員会の法律無視を国が許す民主党政権のおかしさ 」
『週刊ダイヤモンド』 2011年11月12日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 911 民主党政権誕生以降、とみに国のかたちが揺らいでいる。教科書採択問題で沖縄県八重山地区竹富町教育委員会の法律無視を、10月26日、中川正春文部科学相が黙認すると決定した。法律では各地区の協議会で採択された教科書はその地区すべてで採用されなければならず、それが無償供与の条件である。 8月23日、石…
「 東京電力と政府が嘘をつく体質を変えなければ事故は再発する 」
『週刊ダイヤモンド』 2011年10月1日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 905 去る8月11日、佐藤雄平福島県知事が県の復興ビジョンを決定し、脱原発を基本理念とする旨、発表した。日本の原発54基中、10基を擁する原発立地県が脱原発を正式に宣言したことは、日本の電力供給に大きな負の影響を与える深刻な事態である。 確かにすさまじい原発事故は発生し、処理の仕方はこのうえなくまずかっ…
「 野田首相は党内融和よりも信念を掲げて戦うべきだ 」
『週刊ダイヤモンド』 2011年9月17日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 903 9月2日、野田佳彦氏が民主党3人目の首相となった。党代表選挙で、柔道と同じく政治においても自分は寝技が苦手と語ったが、人事を見れば、氏はなかなかの寝技師である。 小沢一郎氏の盟友で日教組勢力率いる輿石東氏を幹事長に据え、党の資金と公認権をあずけた。代表の座を争った5人の候補者中、野田氏はただ1人…
「 戦略的アプローチと勁さで外交を立て直してほしい 」
『週刊ダイヤモンド』 2011年9月10日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 902 なるほど、現在(いま)はひたすら癒やしを求めているのか。多くの混乱と対立、政策の理不尽さという負の遺産を引き継ぐ政権選びはこういうふうになるのか。それにしてもこれで米中両国をはじめ、国際社会に伍して日本を引っ張っていけるのか、そう感じた民主党代表選挙だった。 398人の民主党議員を前に、5人の候…