「 政府の無責任ぶりを浮き彫りにするケビン・メア氏の問題提起 」
『週刊ダイヤモンド』 2011年9月3日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 901 「沖縄はごまかしの名人で怠惰」「日本人は和の文化をゆすりの手段に使う」などの発言をしたとされて米国務省日本部長の職を辞任したケビン・メア氏が反論を世に問うた。『決断できない日本』(文春新書)である。日本国の現状の異常さを知るためにも、日本人全員に読んでほしい本である。 メア氏は日本部長に就く前の…
「 菅首相辞任でも残る民主の疑惑 」
『週刊新潮』 2011年8月25日号 日本ルネッサンス 第473回 「最小不幸社会の実現」を公約した菅直人首相がいよいよ退陣するらしい。最小と不幸という、後ろ向きの標語を二つ掲げた貧乏神のような首相は、それでも、福島第一原発の事故対応を含めて「やり遂げた気がする」(「産経新聞」8月13日)と自らを評価する。 日本大学法学部教授の岩井奉信氏は、辞任するというので多くの国民は安堵していると指摘し…
「 国益を考えない菅政権はいま 暴力集団に屈しようとしている 」
『週刊ダイヤモンド』 2011年7月30日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 897 菅直人首相は大震災の混乱の最中、自らが議長を務める行政刷新会議を主導し、4月8日、強い反対の声を押し切って中国人観光客への「マルチビザ」発行を閣議決定した。一度でも沖縄を訪れれば、3年間何度でも、最大90日間、日本訪問が出来るビザだ。 同ビザは7月1日に施行され、中国人にとって日本は自国同様、…
「 疑問を抱く菅首相の政治資金 」
『週刊新潮』 2011年7月21日号 日本ルネッサンス 第469回 菅直人首相は得体の知れない人物だ。横田早紀江さんはそれを「深い闇の中で、どこかとつながっているような印象」と表現し、どこかとは、「得体の知れない北朝鮮のような国」だとも語った。 めぐみさんを拉致されて34年、早紀江さんは穏やかながらも深い憂いの表情をみせる。 「菅さんが首相になった昨年6月、家族会の一員として官邸に伺いまし…
「 菅首相のエネルギー政策はでたらめ 長期戦略の構築が急務だ 」
『週刊ダイヤモンド』 2011年7月9日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 894 6月28日の民主党両院議員総会で菅直人首相は自党議員の罵倒も意に介さず、エネルギー政策が、次期国政選挙の最大の争点になると開き直った。 脱原発、再生可能エネルギー推進の大義を掲げて総選挙を打つ可能性を示唆し、選挙基盤の弱い自党議員らを恫喝したに等しい。翌29日夜、首相は3軒の店で「はしご酒」を重ね…
「 現実を見ず、夢に逃げ込む者に国政を任せてはおけない 」
『週刊ダイヤモンド』 2011年6月11日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 890 菅直人政権への内閣不信任決議案提出が取り沙汰されるなかで、6月1日、谷垣禎一自民党総裁と山口那津男公明党代表を相手に党首討論が行われた。 谷垣氏の持ち時間が30分、山口氏はさらに短く、双方、突っ込み不足だった。しかし、討論が、「現在vs未来」の構図で行われたことだけは伝わってきた。 東日本大…
「 超党派96条改正議連に見る可能性 」
『週刊新潮』 2011年6月9日号 日本ルネッサンス 第463回 菅直人首相への不信任案が取り沙汰される中、当の首相は東日本大震災の復旧、復興、日本再生を成し遂げることが自分の歴史的使命だと頑張っている。 社会保障と税の一体改革も、子ども手当制度も農家への戸別所得補償も皆、首相は自分の「歴史的使命」で、「歴史的に画期的な政策」、「歴史的に絶対に間違っていない」と強調してきた。首相の自己顕示…
「 最悪の原発事故、情報公開の徹底を 」
『週刊新潮』 2011年4月21日号 日本ルネッサンス 第457回 枝野幸男官房長官は11日、福島第一原発から半径20キロの同心円内を一律に避難区域とするのでなく、地形、風向き、放射線量などを考慮して地域毎に避難指示を出すと発表した。 この方針転換によって飯舘村、南相馬市、浪江町、葛尾村、川俣町が新たに「計画的避難区域」に指定された。右の市町村は全面積、或いは一部が20キロ圏外だが、年間2…
「 国民が菅首相に求めるのはしっかりとした全体像と方向性 」
『週刊ダイヤモンド』 2011年4月9日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 882 菅直人氏には首相としてすべきことがわかっていない。国難に当たって十分機能しているとはとうてい思えない首相を、なぜ国民が支持する姿勢を見せているのかも、わかっていない。10%台に落ちていた首相の支持率が地震、津波、原発事故の国難の中で30%台半ばに急上昇したのは、国民の理性である。今は指導者への批判…
「 家族解体の民主党・男女共同参画 」
『週刊新潮』 2011年2月10日号 日本ルネッサンス 第447回 1月22日、自民党本部で第3次男女共同参画基本計画について考える政策勉強会があった。立ち見が出る盛況振りで、聴衆の圧倒的多数は20代、30代の男女だった。 なぜいま男女共同参画問題なのか。菅民主党内閣が昨年12月17日に閣議決定した「第3次男女共同参画基本計画」は2011年度から5年間、わが国の基本方針となるが、その内容が余…