「 日本の戦略的方向性を知る為に 」
『週刊新潮』 2010年12月23日号 日本ルネッサンス 第441回 2010年の日本は鳩山由紀夫、菅直人両首相の下で想像を絶する迷走を重ねた。仙谷由人官房長官は迷走を抑制するどころか、暴走を促す要素になった。日本を愛しているとは思えない人々が中枢を占める民主党政権の出現で日本国の根幹が急速に溶け始めたと感じた一年だった。 2011年を日本再生の年にするには何をすべきか、『証言 三島由紀夫…
「 今度は国有地、名古屋に中国の魔手 ]
『週刊新潮』 2010年12月16日号 日本ルネッサンス 第440回 都市の一等地を中国政府に売る計画は、新潟市だけではなく、名古屋市でも進行中だった。しかも、売り手は財務省、日本国政府である。 売却予定地は、名古屋城近くの南向きの3万1,000平方メートルとその飛び地の2,800平方メートル、合計1万200坪を超える、都市に残された最後の超大型物件だ。国家公務員宿舎「名城住宅」と名城会館の…
「 『加藤の乱』から10年、谷垣自民党と民主党は同根同類の政党 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年11月27日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 864 菅直人首相と仙谷由人官房長官への批判報道が溢れている。両氏の問題の本質は、どう見ても日本を愛しているとは思えない政治をしていることにある。国の枠組みを超えて「地球社会」を目指し、国民であるよりも「地球市民」でありたいと願っているような両氏に、「日本」あるいは「祖国」という思いが稀薄なのは当然…
「 中国漁船衝突の映像公開を国民は国益と考えている 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年11月20日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 863 政治家の役割は国民のための国家をつくることである。政府の役割は、国家が国際社会の中で生き残ることを担保することである。領土、領海、国益への侵略を許さない勁(つよ)い国家をつくることだ。外交が武器なき戦いの最前線といわれるゆえんである。 今月9日から10日にかけての、菅直人首相および仙谷由人官房…
「 本末転倒『犯人探し』は菅・仙谷内閣の責任隠蔽だ 」
『週刊新潮』 2010年11月18日号 日本ルネッサンス 第436回 11月4日夜にネットに流出した44分間の尖閣沖の領海侵犯事件の映像は凄まじかった。加速して海上保安庁の「よなくに」に船体をぶつけ、「みずき」に体当たりする中国漁船の「閩晋漁(みんしんりょう)」。黒煙とサイレンの中で大きく上下するビデオ映像が、巡視船の激しい揺れを示していた。 殆どの国民が意識することもない中で、海保の職員…
「 おのれ一身の些事は脇に置き 使命を果たした人たちと比べて 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年11月6日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 861 尖閣諸島周辺の中国漁船による領海侵犯のビデオを公開しないよう、仙谷由人官房長官が衆院予算委員長に要望書を届けたそうだ。 なんと奇妙なことか。民主党は政策決定プロセスの透明化を主張し、そのために広く情報を共有し、議論を経て結論を出すと言ってきた。仙谷氏らの小沢一郎氏非難の一つが、結論を上から一方…
「 『極端なナショナリズム』はどこに存在するのか 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年10月30日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 860 菅直人氏の内閣を世の人びとは「仙谷内閣」または「菅防内閣」と呼ぶそうな。前者の説明は不要だ。後者は官房長官の仙谷由人氏が首相を守るべくすべてを引き受けるという意味で「官房」と「菅氏防御」をかけたものだ。 首相を守るのは確かに官房長官の責任だが、その目的は内閣のまとめ役として、首相とともに日本…
「 『検察判断』に逃げ込んだ『菅・仙谷』の卑怯者外交 」
『週刊新潮』 2010年10月7日号 日本ルネッサンス 第430回 尖閣諸島周辺の日本領海侵犯事件で菅直人、仙谷由人両氏の卑怯さほど、耐え難いものはない。 船長を逮捕するのか強制送還するのか。必ずや日中外交摩擦につながるこの重大問題の結論が政府の判断なしに下されることはあり得ない。 小泉政権下の2004年3月、尖閣諸島に上陸した中国人7人を自民党政権は強制送還した。小泉純一郎首相が記者会…
「 東シナ海で決まる民主党外交の浮沈 」
『週刊新潮』 2010年9月30日号 日本ルネッサンス 第429回 「日本が船長を即時無条件釈放しないなら、強い報復措置をとる。その結果は全て日本側が負う」 台湾や周辺諸国に向けられてきた恫喝の言葉がいま、日本に突きつけられている。右の警告は9月19日、中国外務省の王光亜次官が丹羽宇一郎駐中国大使に電話で伝えたものだ。 尖閣諸島周辺の領海を侵犯した中国漁船を日本政府が拿捕し、船長を逮…
「 尖閣諸島周辺の日本領海の侵犯 中国政府は事前承知でなかったか 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年9月25日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 855 尖閣諸島周辺の日本領海を中国漁船が侵犯した事件に関連して、事件発生の少し前、奇妙なことがあったと、中国の事情に詳しい人物が語る。中国外務省前で、2~3人の男が「東シナ海の日中共同開発の合意は売国の合意だ」という派手なプラカードを掲げたというのだ。右の人物はこのこと自体、非常に「非日常的なこと」だ…