「 『テロ特措法』延長はどうなる? 」
『週刊新潮』 '07年9月27日号 日本ルネッサンス「拡大版」 第281回 若き宰相として輝けるスタートを切った安倍晋三首相はなぜ頽(くずお)れたのか。 「理由は明白です。安倍晋三が安倍晋三でなくなったからです」。こう指摘するのは拓殖大学日本文化研究所教授の遠藤浩一氏だ。 安倍首相はなぜ安倍首相でなくなったのか。突きつめれば、首相自身が、或る意味、戦後体制の落とし子だったからではないか。幾層に…
「 信念と行動が大きく乖離した安倍首相の“曖昧路線”外交が残した痕跡の大きさ 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年9月22日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 707 安倍晋三首相の突然の辞任は、首相自身の考え方や思惑とはまったく別に、首相の目指した戦後体制からの脱却を頓挫させ、日本を一時的に古い日本に逆戻りさせる可能性がある。喫緊の課題であるテロ対策特別措置法の延長問題も、なお混乱させる可能性がある。 首相就任以降の足跡の特徴は、これが自らの信念だと主張してきた…
「 小沢民主、政権奪取に猛省必要 」
『週刊新潮』 '07年9月20日号 日本ルネッサンス 第280回 11月1日に期限が切れるテロ特別措置法の延長問題を巡って、民主党の小沢一郎代表は11日、参議院で否決された場合、衆議院の3分の2で再可決させるのはおかしいと述べ、反対を強調した。 氏はこれまで、「アフガニスタンでの戦争はブッシュ大統領が自衛戦争だと言って始めた」「アフガンでもイラクでも、ブッシュ政権の政策追認だけが日米関係のすべてで…
政権を狙うなら民主党が最優先すべきはテロ特措法はじめ重要政策の党内協議
『週刊ダイヤモンド』 2007年9月8日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 705 8月27日に発足した安倍新内閣への支持率が上昇している。「朝日新聞」の調査でさえ、不支持率が60%から53%へ、支持率が26%から33%へ、前向きの評価が7ポイントずつ増えた。 「日本経済新聞」の世論調査では、支持率が一挙に13ポイント増えて41%となり、不支持率4…
「 『内閣改造』私はこう見た 」
『週刊新潮』 2007年9月6日号 日本ルネッサンス[拡大版] 第278回 [特集] 8月27日、参議院選挙の大敗から、約1カ月を経て、ようやく安倍改造内閣が発足した。 「私には使命がある」 「改革を滞らせてはならない」 歴史的な惨敗を喫したことへの厳しい非難の中で、安倍首相はそう続投を宣言した。 歴史的敗北の中での決断であるからには、当然、続投にかける…
「 反対のための反対では通用しない 政権政党への成長はテロ特措法から 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年8月11・18日合併号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 702 7月の参議院議員選挙での民主党大勝は日本の政治にどんな変化をもたらすのか。民主党は日本の未来を担う責任政党へと成長していけるのか。外交、防衛など、国家の基本問題を取り仕切っていけるのか。 最初の試金石はテロ対策特別措置法である。同法は2001年9月の米同時多発テロを…
「 政界再編恐れず、保守路線を守れ 」
『週刊新潮』 2007年8月9日号 日本ルネッサンス 第275回 07年の参議院議員選挙は自民大敗、民主大勝となったが、過去の参院選挙の数字を眺めていると面白いことがわかる。 比例区の票の推移をこれまでの参院選挙で見ると、自民党がどん底に落ちたのは95年、当時の同党の比例の得票は1,110万票(5桁以下は四捨五入、以下同)だった。ところが01年の選挙では、得票は2,110万票にほぼ倍…
「 政界再編恐れず、保守路線を守れ 」
『週刊新潮』 2007年8月9日号 日本ルネッサンス 第275回 07年の参議院議員選挙は自民大敗、民主大勝となったが、過去の参院選挙の数字を眺めていると面白いことがわかる。 比例区の票の推移をこれまでの参院選挙で見ると、自民党がどん底に落ちたのは95年、当時の同党の比例の得票は1,110万票(5桁以下は四捨五入、以下同)だった。ところが01年の選挙では、得票は2,110万票にほぼ倍増した。…
「 参院選を本来の争点から遠ざける政治の風と安易なレッテル貼り 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年8月4日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 701 現在の政治状況にも関係していると思われるので、少々私的なことではあるが論じてみたい。小欄が読まれる頃には結果が判明しているかもしれないであろう、参議院議員選挙をめぐる世間の“空気”についてである。 自民党のベテラン政治家ですでに政界を引退した人物が、7月…
「 統一地方選に見る“2大政党化”傾向 政治はむしろ政党に収斂されていく 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年5月12日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 689 4月の統一地方選挙の結果は、前半も後半も、地方政治での政党化が一段と進んだことを示している。各紙は「政党離れ」「政党の弱体化」などの見出しで報じたが、地方政治における二大政党化の傾向は強まり、むしろ、政治は政党を軸に展開されていくであろうことが見て取れる。 政党中心の政治になっ…