「 日本再生、大学の講座制を廃止せよ 」
『週刊新潮』 2022年3月3日号 日本ルネッサンス 第989回 ノーベル化学賞候補者に名前が挙がる中部大学教授の山本尚氏が「日本人よ、感動できる人間になれ」と叱咤している。「感動を知っている子供は、必ずその後の人生で大きく成長できる。大人になってから、発明や発見をできる人になる。大きな仕事にも成功する」と、近著『日本の問題は文系にある』(産経新聞出版)の中で言い切っている。 家族、…
「 ウクライナ危機は他人事ではないぞ 」
『週刊新潮』 2022年2月24日 日本ルネッサンス 第988回 ジェイク・サリバン米国家安全保障担当大統領補佐官が2月11日、ウクライナ在住の米国人全員に48時間以内の退避を勧告した。20日閉幕の北京冬季五輪の間にもロシア軍のウクライナ侵攻があり得るとして、侵攻は空爆とミサイル攻撃で始まり、国籍を問わず民間人が犠牲になる可能性があると語った。「退避できたのにしなかった人々を救出するために…
「 忘れたくない慎太郎氏の情念 」
『週刊新潮』 2022年2月17日号 日本ルネッサンス 第987回 石原慎太郎氏は快男児だった。真面目に話す段になると礼儀正しく含羞の人だった。それを口の悪さで打ち隠していた。 2007年10月12日の午後、私は田久保忠衛さんと一緒に都庁の知事室に慎太郎氏を訪ねた。「日本立て直し」の志でシンクタンク「国家基本問題研究所」を創設するに当たり、理事就任を要請したのだ。 石原氏と田久…
「 世界の厄介者、北朝鮮を育てた中国 」
『週刊新潮』 2022年2月10日号 日本ルネッサンス 第986回 北朝鮮が前例のない頻度でミサイルを発射し続けている。狙いのひとつは米国を交渉の席に引きずり込み、なんとしてでも国連の対北制裁措置を解除させることだろう。 2017年9月、北朝鮮はそれまでにない大規模な核実験を行った。広島の核爆弾の約10倍、160キロトンの水爆弾頭の実験だった。同年11月には大陸間弾道ミサイル(ICB…
「 今、米国の足らざる点を日本が補え 」
『週刊新潮』 2022年2月3日 日本ルネッサンス 第985回 1月19日、就任1年を記念してバイデン米大統領が記者会見を行った。1時間51分、79歳の老大統領は立ったまま、語り続けた。 米中対立の構図が明らかないま、世界の命運は事実上バイデン氏の肩にかかっている。とりわけ日本は憲法の制約もあり唯一の同盟国に大きく依存している。バイデン氏の世界戦略こそ、日本の最大の関心事だ。 …