「 忘れたくない慎太郎氏の情念 」
『週刊新潮』 2022年2月17日号 日本ルネッサンス 第987回 石原慎太郎氏は快男児だった。真面目に話す段になると礼儀正しく含羞の人だった。それを口の悪さで打ち隠していた。 2007年10月12日の午後、私は田久保忠衛さんと一緒に都庁の知事室に慎太郎氏を訪ねた。「日本立て直し」の志でシンクタンク「国家基本問題研究所」を創設するに当たり、理事就任を要請したのだ。 石原氏と田久…
「 世界の厄介者、北朝鮮を育てた中国 」
『週刊新潮』 2022年2月10日号 日本ルネッサンス 第986回 北朝鮮が前例のない頻度でミサイルを発射し続けている。狙いのひとつは米国を交渉の席に引きずり込み、なんとしてでも国連の対北制裁措置を解除させることだろう。 2017年9月、北朝鮮はそれまでにない大規模な核実験を行った。広島の核爆弾の約10倍、160キロトンの水爆弾頭の実験だった。同年11月には大陸間弾道ミサイル(ICB…
「 今、米国の足らざる点を日本が補え 」
『週刊新潮』 2022年2月3日 日本ルネッサンス 第985回 1月19日、就任1年を記念してバイデン米大統領が記者会見を行った。1時間51分、79歳の老大統領は立ったまま、語り続けた。 米中対立の構図が明らかないま、世界の命運は事実上バイデン氏の肩にかかっている。とりわけ日本は憲法の制約もあり唯一の同盟国に大きく依存している。バイデン氏の世界戦略こそ、日本の最大の関心事だ。 …
「 中国擁護の公明党、自民への悪影響 」
『週刊新潮』 2022年1月27日号 日本ルネッサンス 第984回 1月15日、都内で「ウイグルジェノサイドに日本がどう向き合うべきか」という集会が開催された。主催は非営利団体(NPO)の日本ウイグル協会である。会場にはウイグルの人達も含めて数百人が集った。1時間余りにわたって6人の在日ウイグル人の皆さんが自身と家族の置かれている状況を語った。どの人も親や兄弟姉妹、家族の誰かが行方不明にな…
「 夏の参院選、自民大敗の可能性も 」
『週刊新潮』 2022年1月20日号 日本ルネッサンス 第983回 岸田文雄首相にとって今年最大の関心事は7月10日予定の参議院議員選挙であろう。公明党と合わせて過半数を取れば、その後3年間、選挙の心配をしなくてよい安定期が手に入る。首相は自分の思い描く政治を思い切り実行出来る。 世界大激変の中で日本の首相であることは、日本国にも世界にも大きく貢献し、重要な歴史的使命を担うということ…