「 何も変わらない、調整型政治 」
『週刊新潮』'07年10月11日号 日本ルネッサンス 第283回 「花も実もない所信表明」……それが10月1日の福田康夫新首相演説への感想だ。ついでにいえば、新味もなく夢もない。気概も気迫もないという印象だ。 「自立と共生」が福田内閣の基本理念だそうだが、小沢一郎民主党代表が「その言葉はボクが20年前から使っていた」「口先で言ってもだめだ」と牽制したように、必ずしも福田首相自身の発想ではない。…
かつての姿に戻っただけの自民党 政変の背後に蠢く幾人かの人物
『週刊ダイヤモンド』 2007年10月6日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 709 9月26日に発足した福田康夫新内閣の特徴はいわゆる古い自民党体質の温存と官僚重視にある。 古い自民党体質は党の役員人事に明らかだ。だが、福田氏と特に親しいわけでも、党の実務に精通しているとも思えない伊吹文明氏を幹事長に任命したことは意外だった。福田氏と伊吹氏の共通項を強いて挙げれば、官僚重視という…
「 福田康夫新首相は官僚がお好き 」
『週刊新潮』 '07年10月4日号 日本ルネッサンス 第282回 新首相、福田康夫氏は一体どんな人物か。「平時ではない」、つまり党存亡の危機故に立ったと語る氏はどんな姿勢で政治に臨むのか。 そのことを知る手懸かりのひとつが拉致問題への対処である。自民党総裁選の最中、麻生太郎氏が、福田氏は拉致被害者の家族に死亡情報を断定的に伝えたと理解していると述べたとき、福田氏は珍しく反論した。゛私が断定した…
次期大統領選対策に暴走する盧武鉉大統領 最も心配される“第3のケース”の可能性
『週刊ダイヤモンド』 2007年9月29日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 708 韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領が暴走中だ。9月7日、大統領府は野党ハンナラ党の次期大統領候補、李明博(イミョンバク)氏ら四人を「虚偽事実の流布による名誉棄損」でソウル地検に告訴するという異例の挙に出た。李氏が大統領候補指名競争のキャンペーンで「権力の中心勢力が野党候補のあら探しを指示している」など…
「 『テロ特措法』延長はどうなる? 」
『週刊新潮』 '07年9月27日号 日本ルネッサンス「拡大版」 第281回 若き宰相として輝けるスタートを切った安倍晋三首相はなぜ頽(くずお)れたのか。 「理由は明白です。安倍晋三が安倍晋三でなくなったからです」。こう指摘するのは拓殖大学日本文化研究所教授の遠藤浩一氏だ。 安倍首相はなぜ安倍首相でなくなったのか。突きつめれば、首相自身が、或る意味、戦後体制の落とし子だったからではないか。幾層に…













