「 『チベットは独立を求めていない』と言ったダライ・ラマ法王の真意 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年12月21日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1015 ずっと気になっていたことがある。11月中旬に訪日されたチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ法王の発言である。スペインの全国管区裁判所が11月9日、江沢民元国家主席、李鵬元首相ら5人に、チベット人大虐殺の容疑で逮捕状を出した件について、法王が右の司法判断に留保をつけた発言である。 「…
「 韓国の戦いの本質と、日本の国益 」
『週刊新潮』 2013年12月19日号 日本ルネッサンス 第587号 金正恩第1書記の後見人だった張成沢国防委員会・副委員長が失脚し、北朝鮮有事がさらに近づいた。安倍政権が力を入れる拉致問題の解決が遠のく可能性も、さらなる権力集中を進める金正恩第1書記が核実験など強硬策に踏み切る可能性もある。 韓国にも深刻かつ直接的な影響が及んでいると、「統一日報」論説顧問の洪ヒョン氏が警告する。 …
「 情報保護法の整備はむしろ遅きに失した 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年12月14日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1014 この記事が出るころには特定秘密保護法案は参議院でも可決されているだろう。しかし、「朝日新聞」や「NHK」の反対のキャンペーンは凄まじい。例えば12月5日の朝日は1面と2面のほとんどすべてを非難と反対論で埋め、4面、16面の社説、38面の社会面も反対一色の主張を展開した。 確かに現在の…
「 どうした、米国外交の揺らぎ 」
『週刊新潮』 2013年12月12日号 日本ルネッサンス 第586回 米国の外交は大丈夫か。戦後の国際秩序の形成を担ってきた米国がいま、中東でも、東南アジアでも揺れている。その揺れは日中関係にも大きな影響を及ぼさずにはおかない。 折しも11月23日、中国は突然、尖閣諸島周辺を含む東シナ海に防空識別圏を設定し、「圏内を飛ぶ航空機は、飛行計画を中国外務省または航空当局に提出する義務を…
「 最悪の日韓関係の中 冷静で前向きな韓国の人の声 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年12月7日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1013 韓国で最も影響力があるといわれる言論人、趙甲済氏が11月27日夜、「中国に対する韓米日共助」が出来たと、ブログで発信した。 中国が一方的に宣言した防空識別圏に、韓国の離於(イオ)島が含まれたが、韓国軍はこれを無視して中国側に事前通知せず哨戒飛行を続けたこと、韓国政府は11月25日、…
「 ダライ・ラマ法王の中国観 」
『週刊新潮』 2013年12月5日号 日本ルネッサンス 第585回 チベット仏教の精神的指導者、ダライ・ラマ法王14世が来日し、関東、関西地域で幅広く、日本の人々に語りかけた。11月15日の来日から26日の離日まで、都合3回、私は法王の話を聞いた。 昨年に続いての取材で見た法王は極めて健康そうだった。11月16日、千葉工業大学での学生との対話の後、私たちは少人数で昼食をとったが、法王…
「 皆だれもダライ・ラマ法王14世を好きにならずにいられない 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年11月30日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1012 チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ法王14世ほど慈愛に満ちた人物に会ったことはない。11月16日の土曜日、千葉工業大学主催、国家基本問題研究所後援の公開対話「宗教者の立場から見る科学の役割」でご一緒し、あらためてそう感じた。 法王の人との接し方は愛そのものである。千葉工大に到着した…
「韓国人が目を背ける「フェアだった日本の朝鮮統治」」
『週刊新潮』 2013年11月21日号 日本ルネッサンス 拡大版 第583回 対談 ジョージ・アキタ ハワイ大学名誉教授 × 櫻井よしこ 歴史観、慰安婦問題、そして植民地支配……。未だに韓国は「反日」の国際世論作りに躍起だ。日本の朝鮮統治の評価を見直す研究を続けてきたハワイ大学マノア校名誉教授のジョージ・アキタ氏(87)とジャーナリストの櫻井よしこ氏が、日本の「公正さ」を語る。 …
「 日本よ、おまえもか 商人の道徳はどこに? 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年11月16日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1010 10月初旬、伊勢神宮の式年遷宮に参列の機会を得たとき、名古屋で新幹線から近鉄線に乗り換えた。近鉄線の駅々のホームで目についたのが「赤福」の広告だった。 ホームのベンチというベンチの背もたれには大きく「赤福」と書かれており、学生やお年寄りがリラックスした様子で屈託なく座っている。それを見…
「 米国後退が後押し、安倍首相の積極外交 」
『週刊新潮』 2013年11月7日号 日本ルネッサンス 第581回 かつて、自分の国さえ平和で安全であればよしとする一国平和主義という言葉は専ら日本批判に使われた。いま、その言葉は大国米国に向けられつつあるのではないか。オバマ大統領の米国は超大国としての威信を急速に低下させ、パックス・アメリカーナの時代における世界秩序の崩壊が始まっている。日本にはこの危機を好機に変える意思と力がある。…