「 米国は日本の自主独立を喜ぶか 」
『週刊新潮』 2013年3月21日号 日本ルネッサンス 第550回 3月10日、南シナ海で中国が「常態化した巡回航行による漁業保護」活動を開始したと、12日付の「産経新聞」が伝えた。 大型及び中型の艦船21隻、要員3,000人余を動員する大規模な監視体制を敷き、南シナ海の北部海域にある西沙諸島周辺には国家海洋局所属のヘリ搭載型監視船「海監83」(3,980トン)など3隻が、また南部海…
「 自然に親しんできた生活を守りつつ数百年に一度の大災害に対処したい 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年3月16日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 977 東日本大震災から2年になる。この間、復旧復興はどれほど進んだかといえば、極めて遅い速度である。典型的なのががれき処理である。昨年12月時点で、岩手、宮城、福島3県の平均で33・6%しか処理されていない。 これは一にも二にも、政治の責任である。例えば新潟県の泉田裕彦知事は、柏崎、三条両市が…
「 米国リベラル派の親中的安倍批判 」
『週刊新潮』2013年3月14日号 日本ルネッサンス 第549回 外交専門雑誌『フォーリン・アフェアーズ』(以下FA)の3,4 月号に日本通で知られるジェラルド・カーチス氏が「日本の慎重なタカ派達(Japan's Cautious Hawks)」という題で論文を寄せている。 氏は大分出身の政治家、佐藤文生氏を密着取材して『代議士の誕生』(1971 年、サイマル出版会)を世に問い、流暢…
「 日本の運命を決する情報戦 情報発信本部の設置が急務 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年3月9日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 976 訪米の成功と日米同盟の強化、さらにTPP(環太平洋経済連携協定)交渉への参加決定で、安倍晋三首相の支持率が右肩上がりである。内政外交共にスピード感を伴った政治を見るのは久しぶりであり、大きな山場を、安倍首相は一つも二つも越えたといえる。 順風満帆の安倍自民党政権だが、依然として大きな問題が残…
「 首相初訪米、成功の先に待ち受ける課題 」
『週刊新潮』 2013年3月7日号 日本ルネッサンス 第548回 日米首脳会談は終わってみれば成功だった。政治の勢いとはこういうものかと思わせる安倍晋三首相の訪米で、事前に抱いていた危惧はともかくも、当面は払拭された。 安倍首相はオバマ大統領に「強いアメリカは強い日本をもたらし、強い日本は強いアメリカをもたらす」と語った。宰相による「強い日本」という表現が新鮮に聞こえるほど、従来…
「 チェルノブイリに学ばなかった民主党首脳部にこそ責任がある 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年3月5日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 975 福島県相馬市で2011年6月、酪農業の菅野重清さん(当時54歳)が「原発さえなければ」と書き残して自殺した。今年2月20日、妻のバネッサさん(34歳)が、東京電力に慰謝料など1億1,000万円を求めて東京地方裁判所に提訴すると発表、同日夜の「報道ステーション」で古舘伊知郎氏は、菅野さんは搾っ…
「 首相は自主独立で臨め、対米外交 」
2月21日から訪米する安倍晋三首相の外交は容易ではない。 首相就任以来のスピード感を伴った方針決定が国民の好感を呼び、どの新聞の調査でも支持率は右肩上がりだ。これらはしかし、およそみな、国内政策に対する評価であろう。 外交、防衛分野の課題はいずれも難題である。日米関係は日本にとって最重要の同盟関係であるにも拘らず、普天間飛行場の移設、集団的自衛権の行使容認、環太平洋戦略的経済連携協定(…
「 外貨を稼ぐ開城工業団地の閉鎖こそ対北朝鮮の有効策 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年2月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 974 北朝鮮が2月12日、核実験を行った。2006年10月と09年5月に続く3度目の実験である。北朝鮮当局は今回の実験を「爆発力は大きいが、小型化、軽量化し、高い水準で安全に完璧に(核実験を)実施した」と発表した。事実ならアジア・太平洋諸国は新たな深刻な危機に直面する。 とりわけ国際社会が注目し…
「 冷静、果敢に取り組め尖閣の危機 」
『週刊新潮』 2013年2月21日号 日本ルネッサンス 第546回 尖閣諸島の海と空で中国の軍事的挑発が続く。私たちは中国の挑発にどう対処すべきだろうか。 まず尖閣諸島の領有権を巡る中国の挑戦は決着がつくまで続くと認識しておくことだ。中国が付け入る隙のないところまで完全に日本の領有権を確立してみせるか、中国が日本を排除して領土を奪い取るか、そのどちらかになるまで彼らは挑み続けてく…
「 激化する中国の挑発に対し日本は何をなすべきか 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年2月16日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 973 尖閣諸島の海と空が尋常ならざる緊迫の中にある。 中国は昨年9月以来、尖閣諸島の真北80海里(約150キロメートル)の海にフリゲート艦2隻を常駐させてきた。この2隻の軍艦と、度々尖閣諸島周辺の領海を侵犯する国家海洋局所属の海洋監視船「海監」などは、これまでバラバラに動いていた。それが1…