「 四十代ノーベル化学賞受賞で久びさに見た日本人本来の姿 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年10月26日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 466回 田中耕一さんのノーベル化学賞受賞は、本当に嬉しかった。 日本人にまつわる近年のニュースはため息の出るようなものが多かった。消費者の信頼を二度三度と裏切った名門企業、雪印乳業と雪印食品。日本ハムも、業界最大手でありながら、輸入肉を国産肉と偽って政府に買い取らせようとした。 一般のスーパーマーケッ…
「 訪朝前に拉致被害者家族と会わなかった政府首脳の罪 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年10月12日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 464回 外務省アジア大洋州局長の田中均氏は、なぜだと考えているに違いない。だれもできなかった日朝首脳会談に漕ぎつけ、あの金正日氏から拉致を認める言葉のみならず、謝罪まで引き出したのだから、たいへんな功績を築いたはずと考えていたに違いない。 にもかかわらず、その後の日本の世論の展開は、外務省と政府の非を責…
「 拉致問題の解明どころか日朝交渉に新たな火種 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年10月05日号 ダイヤモンドレポート 日朝首脳会談で金正日がいとも簡単に認めた「拉致」の事実と謝罪に、小泉首相は功を急ぎすぎたか。8人死亡説の根拠もその事実関係もなんら解明されていないなか、北朝鮮側は難色を示しながらも調査団派遣を受け入れる。ジャーナリスト・櫻井よしこ氏が検証する「日朝平壌宣言」調印をめぐる政治判断の是非。 調査団派遣は成功するか 早くも小波…
「 荒れる山林と鹿の急増が暗示する戦後社会の陰 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年9月28日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 463回 私は、人間に番号をつけて一元的に管理する住民基本台帳ネットワークに反対している。政府が強引に住基ネットを稼働させたために、今、全国津々浦々、住基ネットに疑問を抱いている地方自治体に出かけ、問題点について語り続けている。地方自治体の側から来てほしいという要請があれば、いわゆる手弁当で出かけている。 …
「 日本はデフレ先進国として足跡を前向きに生かすとき 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年9月21日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 462回 2~3周遅れのランナーだった日本が、世界のトップランナーに返り咲く大逆転が可能かもしれない。 ドイツ証券の武者隆司氏が語る。 「1970年代終わりからの日米株価指数の推移を見ますと、両国の動きが同じ構図で繰り返されているのに気づきます。バブル、無責任な経営、デフレなどの現象は日本特有の現象と考えら…
「 友好や援助の通じない国を唯一動かせる要因は“力” 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年9月14日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 461回 小泉純一郎首相は差しの会談を得手とするという。 歴史問題や教科書問題が日韓間に軋轢(あつれき)を生じさせていたときでさえ、小泉・金大中両首脳の会談は周囲が驚くほど和やかに進んだと、首相周辺は語る。 確かに、ここぞと思うとき、首相の、相手に対する食い込みには並ならぬものがあるのであろう。トップ会談…
「 現状と同じ構図でしかない道路公団民営化案の不備 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年9月7日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 460回 小泉改革の象徴ともなった道路公団民営化。四公団民営化推進委員会が8月23日に出した基本方針を見る限り、行方が不安である。 まず、公団を上下分離にするのか上下一体にするのかに関して、民営化委員会が出した案は、かたちも、実態も完全に上下分離である。これは中村英夫・武蔵工大教授の私案によって方向付けられた…
「 日本を温かく見る扶桑社の歴史教科書の採択を喜ぶ 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年8月31日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 459回 愛媛県教育委員会が、来春開校する3つの県立中学校で扶桑社の歴史教科書を使用することを決めた。採択を文部科学省への報告期限ぎりぎりの8月15日に設定したのは、余計な妨害を防ぐためだったと、県の教育総務課長西山氏が説明してくれた。 井関和彦教育委員長ら6人の委員全員が採択理由を述べている。 6委員が挙…
「 政治家押しのけて暴走する官僚を責任追及する法律を 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年8月24日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 458回 8月5日に住民基本台帳ネットワークが稼働した。この稼働を現在の違法状態から合法にするために、政府はまたぞろ、個人情報保護法案を秋の国会で審議する予定だ。 現在継続審議となっている個人情報保護法案は、メディア規制法といわれてすこぶる評判が悪い。だから、この法案からメディアに関する条文を削除または緩和…
「 『誇りに思う』と賞賛される矢祭町町長の“離脱宣言” 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年8月10・17日合併号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 457回 福島県矢祭町(やまつりまち)に行ってきた。周知のようにこの町の長、根本良一氏は、住民基本台帳ネットワークには町の住民情報はつながないと宣言した人物だ。全国3300弱の地方自治体のなかで真っ先に“離脱宣言”をした。 矢祭町はどんな町なのか。住民はどう考えているのか。離脱宣言をしたものの、8…













