「 権益守るためなら領土も奪う! 不遜な姿勢を打ち出す中国の脅威 」
『週刊ダイヤモンド』 2014年12月13日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1063 国際社会がとんでもない世の中になりそうだ。中国がこれまでの世界のルールを自分たちの考えで変えてしまうと、事実上、宣言したのである。 世界の制度や規制は中国がつくるという不遜な姿勢が打ち出されたのは11月28、29の両日、北京で開催された中央外事工作会議でのことだった。習近平国家主席が常…
「 膨張「中国」への戦略こそ選挙の争点 」
『週刊新潮』 2014年12月11日号 日本ルネッサンス 第634回 12月14日の衆議院議員選挙に向けて、アベノミクス議論が盛んである。経済成長を確かなものにすることは無論大事だ。しかし、もうひとつの国家の基本、国防力についての議論が殆どないことに、私は大きな危機感を抱いている。とりわけ中国の動きを見ると背筋が寒くなる。 過日、北京でのアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議では、…
「 公約で時計の針を逆回し 責任感なき海江田民主党 」
『週刊ダイヤモンド』 2014年12月6日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1062 12月14日投開票の衆議院議員選挙に向けて、各党の公約が発表された。民主党の公約を読んで、同党再生は、はるか、道遠しだと実感した。 民主党が政権を握った3年余の間、鳩山由紀夫、菅直人両首相はどの世界でも通用しない非常識な政治を行った。両氏の考え方は世界で退潮する左派陣営の空想的なリベラリ…
「 憲法改正、今が最後のチャンスだ 」
『週刊新潮』 2014年12月4日 日本ルネッサンス 第633回 12月14日の衆議院議員選挙に向けて、「朝日新聞」が空論を展開中だ。 安倍晋三首相がアベノミクスを選挙の争点に掲げたことに疑義を唱え、11月22日の社説で「首相が長期政権を確保したうえで見据えているのが、憲法の明文改正だ」と書いた。翌日の「天声人語」は、「(争点は)本当に『アベノミクス』なのか、実は憲法への姿勢ではない…
「 民意の成長が果たせなかった沖縄県知事選現職敗北の“失望” 」
『週刊ダイヤモンド』 2014年11月29日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1061 沖縄県知事選挙は自民党支持の現職、仲井眞弘多氏が対立候補の翁長雄志氏に10万票の大差で敗北した。私は今回の知事選にとりわけ注目していた。なぜなら、沖縄で今回の仲井眞氏ほど鮮明に基地問題を真正面に掲げて前向きに闘った候補者はかつていなかったと思うからだ。仲井眞氏が勝利すれば、それは沖縄の民意の…
「 対中戦略なきオバマ大統領の敗北 」
11月の第2週、アジア太平洋地域の首脳陣が中国の北京からミャンマーのネピドー、豪州のブリスベンへと一斉に移動した。北京でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)、ネピドーでの東アジア首脳会議(EAS)、ブリスベンでの20カ国・地域(G20)首脳会議開催に合わせての動きだが、並み居る首脳の中で最も精彩を欠いていたのが、世界の大国アメリカのオバマ大統領だった。 同大統領は国賓として中国を訪れ、習近…
「 貿易ルール作りで前のめり 大国の座狙う中国の野望 」
『週刊ダイヤモンド』 2014年11月22日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1060 戦略的指導者と戦略なき指導者の勝負では、必ず前者が勝つ。北京で行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)での米中首脳会談が鮮やかな事例だった。11月4日の中間選挙で共和党に惨敗したオバマ大統領は決断できない大統領としてすでに死に体だといわれる。大統領が世界観を欠落させているため米国の対…
「 国際金融・経済、中国の野望を日米で超えよ 」
『週刊新潮』 2014年11月20日号 日本ルネッサンス 第631回 11月10日、11日に北京で行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議には、習近平国家主席の「中国の夢」実現への野望が色濃くにじんでいた。 安倍晋三首相との首脳会談冒頭で習主席が見せた振舞いは、非礼ともいえる大人気なさだった。首相の語りかけに一言も答えることなく、笑顔もなかった。カメラの前での短い時間さえ…
「 深い教養と残虐さを持つ中国人 対中外交で押さえるべき基本 」
『週刊ダイヤモンド』 2014年11月15日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1059 東京工業大学教授の劉岸偉氏の『周作人伝 ある知日派文人の精神史』(ミネルヴァ書房)は、過去も現在も、中国に素晴らしい教養人が存在することを教えてくれる。作品を読めば、魯迅の実弟で、兄の後を追って日本に留学した周作人も劉氏も、並の日本人よりもなお深く日本を理解する「真の親日派」であることが…
「 拉致問題解決には新たな体制が必要だ 」
『週刊新潮』 2014年11月13日号 日本ルネッサンス 第630回 第1次安倍政権で拉致担当首相補佐官を務めた中山恭子参院議員は、外務省主導の現在の対北朝鮮交渉は拉致問題を横に置いて国交正常化を優先するものだと、10月31日、「言論テレビ」で厳しく指摘した。 「外務省には、拉致被害者が犠牲になっても致し方ないという方針が従来からあります。2002年、平壌宣言を出した当時の国会論議で…