「 習氏の檄、台湾侵攻の「戦備強化」 」
『週刊新潮』 2025年4月3日号 日本ルネッサンス 第1141回 シンクタンク「国家基本問題研究所」で衛星画像の解読を始めて1年、中国人民解放軍(PLA)が台湾侵攻準備を進める様子を見てきた。画像の全てが現実である。仮想でも誇張でもない。その現実を、私たちは見詰めなければならない。その上で習近平国家主席の考え、中国共産党指導者の政治的思惑は何かを知って対処しなければならない。 3月…
「 米国の圧力で日本農業を立て直せ 」
『週刊新潮』 2025年3月27日号 日本ルネッサンス 第1140回 令和のコメ不足が続いている。コメの価格は1年前に較べて約1.9倍に上昇し、江藤拓農林水産大臣が備蓄米を初回として15万トン放出しても、不足は解消せず価格も下がらない。 そこに米国から爆弾が投げ込まれた。3月11日、ホワイトハウスのレビット報道官が、日本は米国米に700%の関税をかけていると指摘した。トランプ大統領は…
「 トランプ日米安保批判、前向きに使え 」
『週刊新潮』 2025年3月20日号 日本ルネッサンス 第1139回 トランプ米大統領がまた言った。「日本はアメリカが攻撃されても助けに来ない。日本はアメリカビジネスで大儲けしている。誰がこんな取引を決めたんだ」と。 安倍晋三総理の時代にトランプ氏が展開した日本批判を想い出す。 日本が双務条約と自立を望んでも、それを潰してきたのが米国だ。根底には日本不信があった。キッシンジャー…
「 トランプディール外交、ロシアに有効か 」
『週刊新潮』 2025年3月13日号 日本ルネッサンス 第1138回 2月28日の米ウクライナ首脳会談決裂はトランプ米大統領とのつき合い方に関する大きな教訓である。1980年代後半、レーガン元米大統領は一発の銃弾も撃たず旧ソ連を崩壊へと導いた。今回プーチン露大統領は銃弾どころか言葉ひとつ発することなく西側の団結を粉砕した。 ゼレンスキー大統領は大国アメリカの大統領と副大統領に、世界が…
「 暴言の向うに見えるトランプ戦略 」
『週刊新潮』 2025年3月6日号 日本ルネッサンス 第1137回 トランプ米大統領の最大の強みは彼が何を考えているかを誰も予測できないことだと言われる。破天荒な言動で氏は自らの予測不可能性を最大限高め、効果的に活用することに成功している。しかし、氏の言動をよくよく詰めていけば、見えてくる。トランプ氏の大目的は、⓵中国が米国を追い抜くことを許さない、⓶米国の利益を徹底的に追求する、に尽きる…