「 米中せめぎ合い、石破首相は凌げるか 」
『週刊新潮』 2024年11月28日号 日本ルネッサンス 第1124回 産経新聞特別記者、田村秀男氏の示した折れ線グラフが衝撃的だった。中国への直接投資が2024年6月時点でマイナスになっている。 ここから読みとれるのは習近平国家主席の陥った経済金融不況の深刻さである。共産党独裁の経済金融政策を根本から変えない限り、出口はない。どん詰まりの状況に、習氏ははまっている。 そんな今…
「 「石破立憲民主党」になった自民党 」
『週刊新潮』 2024年11月21日号 日本ルネッサンス 第1123回 11月11日午後、衆議院における首班指名で自民党総裁の石破茂氏が103代の日本国首相に選ばれた。そのとき、氏の表情に笑みはなく、大きな吐息をついたのが見てとれた。 決選投票での氏の得票は221票、立憲民主党代表の野田佳彦氏は160票、無効票、つまり、国民民主党の玉木雄一郎氏らに入れたのが84票だった。石破氏の政治…
「 米中台、全方位で極まる石破戦略の愚 」
『週刊新潮』 2024年11月14日号 日本ルネッサンス 第1122回 11月4日、国家基本問題研究所の会員の集いで日米新政権の課題を論じた。そこで経済アナリストのジョセフ・クラフト氏が石破茂首相の急所をついた。余りの馬鹿々々しさに日本国内では重視されなかったが、米国を強く刺激した石破氏の論文「日本の外交政策の将来」についてである。これは9月27日、自民党総裁となった氏がその直前に米国のシ…
「 大敗の責任は石破氏自身にある 」
『週刊新潮』 2024年11月7日号 日本ルネッサンス 第1121回 自民党を刷新して党勢立て直しをはかるはずだった石破茂総裁の下、自民党は逆に歴史的敗北を喫した。にも拘らず、石破氏の反応は鈍く、的外れだ。氏は大敗の原因は自分ではなく、他者にあると見做してやまない。 10月28日午後2時からの記者会見で、石破氏は大敗北のおよそ全ての原因を「政治とカネ」問題に帰した。必要以上に丁寧な言…
「 野田立憲民主は最悪の選択だ 」
『週刊新潮』 2024年10月31日号 日本ルネッサンス 第1120回 今週末、いよいよ総選挙だ。自公で衆議院の過半数233議席に届かず、立憲民主党が議席を増やすと予想されている。石破茂総裁が支持率を下げ、大幅な議席減に直面するのは或る意味自業自得だろう。なんといっても氏の政策の多くはリベラル色が強く自民党らしくないからだ。 とはいえ野田佳彦氏率いる立憲民主の躍進を許してよいのか。立…