「 南大門炎上、失われた韓国の10年 」
『週刊新潮』'08年2月21日号 日本ルネッサンス 第301回 韓国の首都ソウルで、南大門が焼失した。燃え盛る炎と噴き上げる煙、李氏朝鮮の代表的建築物の炎上を伝える映像を見ながら、他国のことながら、動悸が高まった。まさかという驚き。610年の歴史が消え去ることへの痛恨と悲しみ。諸々の想いが日本人の私の胸にも満ちてくる。年来の友人で、韓国を代表する言論人の趙甲済(チヨカプチエ)氏が電話で語った。 …
「 ヒラリー候補の顕著な“中国重視”が懸念される米国大統領選と日米関係 」
『週刊ダイヤモンド』 2008年2月16日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 727 米国の大統領候補予備選挙を伝える深夜の報道に見入ってしまう。バラク・オバマ、ヒラリー・クリントン両上院議員の接戦に、投票権もないのに注目するのは、それが日米、米中、日中の関係に大きな影響を及ぼすからだ。 日本人の会話でたびたび耳にするのが、「女性への応援歌として、ヒラリー氏に大統領になってほしい」「…
「 日本は「地球温暖化」防止の抵抗勢力か 」
『週刊新潮』'08年2 月14号 【特集】日本ルネッサンス・拡大版 第300回 いま、地球人口66億のうち約半分の32億人が都市に住む。都市人口は、食糧をはじめ生活必需品を基本的に、他者に依存する。増え続ける都市人口は周辺地域への負担を高め、世界資源の乱獲をもたらす。そして周辺地域の自然はさらに荒廃する。 地域に住めなくなった人々は、生活の糧を求めて都市に流入し、都市人口を…
暫定税率据え置きは公約への裏切り 雲散霧消する一般財源化問題
『週刊ダイヤモンド』 2008年2月9日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 726 与党も野党も政治の要は「生活第一主義」の実現だと唱え、国会ではガソリンの暫定税率問題に焦点が絞られている。わかりやすく論じなければ、国民がついてこないという思いがあるのだろうが、きわめて限定的かつ単純化された問題提起は、あまりにも国民をバカにしているのではないか。 ガソリンの暫定税率問題は、小泉純…
「 なぜ日本経済は〝一人負け〟になったか 」
『週刊新潮』'08年2 月7日号 [特集] 日本ルネッサンス・特別編 第299回 経済大失速を招いた「福田首相の無策」 1月21日、官邸記者団との会見で、株価下落は政府の政策不在が原因だと言われていると質されると、福田康夫首相は気色ばんで言った。 「そんなふうな専門家はいますか? ちょっとお顔を拝見したい」。プライドを傷つけられた首相の苛立ちを冷笑するかのように、株価は翌日も下げた。 他方、…













