「 台湾で進む中国の三戦 」
『週刊新潮』 2024年12月12日号 日本ルネッサンス 第1126回 「台湾有事は日本有事」・・。安倍晋三総理によるこの鮮烈な問題提起は今や日本国の常識となっている。今、私たちは台湾有事は必ず起きるとの前提で台湾問題を多角的に考えなければならない。 わが国での議論は軍事的側面に重点が置かれがちだが、中国の台湾政策には実は軍事的要素の分析だけでは読み解けない重要な変化が生じている。軍…
「 SNSが旧メディアを圧倒した日 」
『週刊新潮』 2024年12月5日号 日本ルネッサンス 第1125回 「おねだり」と「パワハラ」のイメージにまみれ、辞職に追い込まれた兵庫県の齋藤元彦知事が11月17日、出直し知事選で大勝した。驚きの逆転の背後に既存メディア(新聞、TV、雑誌)vs新メディア(SNS)の戦いがあった。両メディアがせめぎ合う現代、私たちは双方の長所・短所を識っていなければ大きな間違いを犯すことになる。 …
「 米中せめぎ合い、石破首相は凌げるか 」
『週刊新潮』 2024年11月28日号 日本ルネッサンス 第1124回 産経新聞特別記者、田村秀男氏の示した折れ線グラフが衝撃的だった。中国への直接投資が2024年6月時点でマイナスになっている。 ここから読みとれるのは習近平国家主席の陥った経済金融不況の深刻さである。共産党独裁の経済金融政策を根本から変えない限り、出口はない。どん詰まりの状況に、習氏ははまっている。 そんな今…
「 「石破立憲民主党」になった自民党 」
『週刊新潮』 2024年11月21日号 日本ルネッサンス 第1123回 11月11日午後、衆議院における首班指名で自民党総裁の石破茂氏が103代の日本国首相に選ばれた。そのとき、氏の表情に笑みはなく、大きな吐息をついたのが見てとれた。 決選投票での氏の得票は221票、立憲民主党代表の野田佳彦氏は160票、無効票、つまり、国民民主党の玉木雄一郎氏らに入れたのが84票だった。石破氏の政治…
「 米中台、全方位で極まる石破戦略の愚 」
『週刊新潮』 2024年11月14日号 日本ルネッサンス 第1122回 11月4日、国家基本問題研究所の会員の集いで日米新政権の課題を論じた。そこで経済アナリストのジョセフ・クラフト氏が石破茂首相の急所をついた。余りの馬鹿々々しさに日本国内では重視されなかったが、米国を強く刺激した石破氏の論文「日本の外交政策の将来」についてである。これは9月27日、自民党総裁となった氏がその直前に米国のシ…