「 政府への批判・非難の噴出で中国にもようやく変化の予兆 今こそ強権外交に屈するな 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年3月4日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 631 2005年、中国では87,000件の政府への抗議および暴動があったという。日々238件である。共産党の一党専制的支配が徹底されている中国で、これほど多くの批判・非難や抗議が日々噴出していることの意味は大きい。 中華人民共和国政府は建国当時から、国民を農民と非農民に二分し、差別的統治を行…
「 中国で噴出する自由への渇望 」
『週刊新潮』 '06年3月2日号 日本ルネッサンス 第204回 人々が情報を手にしたとき、物事は大きく動いていく。その動きを止めることは誰にも出来ない。 ベルリンの壁が崩れ、ラジオやテレビで情報を知った東欧諸国の人々は、ルーマニアを除き、あっという間に無血革命で体制を転換した。もはやソビエトには鉄槌を下す力がないと知ったとき、西側の自由社会の情報を得ていた東欧の人々は、迷うことなく共…
「 名護市長選挙は国防で問え 」
『週刊新潮』 '06年1月26日号 日本ルネッサンス 第199回 去る15日に名護市市長選挙が告示された。投票は22日である。争点は米軍普天間飛行場の新たな移転先とされる名護市内の辺野古崎に、米軍飛行場を作るか否かである。この問題は単に名護市の将来のみならず、日本全体の安全保障に大きな影響を及ぼす。一地方自治体の首長選挙でありながら、日本国の命運に関わる選挙と言ってよい。 立候補した三…
「 もはや避けられない悪夢か 中国による日本併合を防ぐ道は真の独立国になること 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年1月21日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 625 平松茂雄氏は中国研究の第一人者の一人である。防衛庁防衛研修所で20年間、さらに杏林大学で昨年まで、中国の軍事・外交を研究してきた。氏が著してきた約20冊の中国専門書は、その内容の詳細さ、分析の確かさにおいて、他の研究者の追随を容易には許さないものだ。 そして氏が2月に上梓する『中国は…
「 上海領事自殺で再び中国の嘘 」
『週刊新潮』 '06年1月19日号 日本ルネッサンス 第198回 年末に『週刊文春』が報じた上海総領事館の領事自殺事件は二つの問題を日本に突きつけている。日本国の外交が上層部に行けば行くほど日本の国益を全く顧みない体質に陥っていることと、中国政府の展開する凄まじい虚偽のキャンペーンに殆ど歯が立たないことである。 『文春』の報道は、日本の外交官が中国の公安当局に脅迫され、「国を売ること…
「 “平和的台頭”は巧妙な装い 日本孤立化に情報操作する中国との戦いが正念場に 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年1月14日 新春特大号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 624 2006年の日本の最重要課題は外交政策、就中(なかんずく)、中国対策に尽きる。対中関係にいかに日本の立場を反映させ、米国をはじめとする国際社会に、日本は中国の言うような軍国主義を反省しない邪悪な国などではないこと、むしろ、戦後日本は平和と民主主義の手本ともなるべき国なのだとどこ…
「 反日反靖国、王毅中国大使の嘘 」
『週刊新潮』 '05年12月29日号 日本ルネッサンス 第196回 日中戦争最中の1937年、重慶の国民党政府の国際宣伝処に勤務し、後に著名なジャーナリストとなった米国人セオドア・ホワイトは書いた。 「アメリカの言論界に(中国政府が)嘘をつくこと、騙すこと、中国と合衆国は共に日本に対抗していくのだとアメリカに納得させるためなら、どんなことをしてもいい、それは必要なことだと考えられてい…
「 東シナ海は妥協外交の産物だ 」
『週刊新潮』 '05年10月13日号 日本ルネッサンス 第185回 9月30日と10月1日、東シナ海の海底資源開発をめぐって日中両国外務省の局長級会談が行われ、11時間の“激論”が交わされた。 日本側は東シナ海の日中中間線をまたいで、白樺(春暁)、樫(天外天)、楠(断橋)、翌檜(あすなろ、龍井)の4ガス田を対象にした共同開発を申し入れたと、中川昭一経済産業大臣が語っている。いずれのガ…
[特集]「 アジアの『嫌われ者』は中国だ 」
『週刊新潮』 '05年9月29日号 日本ルネッサンス 拡大版 第183回 日本人は、自分たちはアジアで嫌われている、歴史の加害者だから常に肩身の狭い想いをしなければならない、と思い込んでいないか。 9月15日から3日間にわたって台北で開催された「アジア民主化のための世界フォーラム」(WFDA)の第1回ビエンナーレでは、そのような感じ方を根底から覆す発言が相次いだ。 WFDAは非政府組…
「 郵政で消された『喫緊の争点』 」
『週刊新潮』 '05年9月8日号 日本ルネッサンス 「拡大版」 第180回 9月11日の衆議院議員選挙で選ばれる人々は、一応4年間、国政を動かすことになる。小泉純一郎首相はこの選挙の争点はただ一点、郵政民営化のみだと主張する。だが、向こう4年間、日本の直面する問題は郵政だけではない。首相が命を懸ける問題が郵政のみであってはならない。日本の主権と存立を脅かす隣国中国の動きにこそ、命を懸け…