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2006.01.21 (土)

「 もはや避けられない悪夢か 中国による日本併合を防ぐ道は真の独立国になること 」

『週刊ダイヤモンド』    2006年1月21日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 625

平松茂雄氏は中国研究の第一人者の一人である。防衛庁防衛研修所で20年間、さらに杏林大学で昨年まで、中国の軍事・外交を研究してきた。氏が著してきた約20冊の中国専門書は、その内容の詳細さ、分析の確かさにおいて、他の研究者の追随を容易には許さないものだ。

そして氏が2月に上梓する『中国は日本を併合する』(講談社インターナショナル)は、大多数の日本人が「まさか」と考える中国による日本併合という悪夢が、このままでは避けられない事態としてやってくると警告するものだ。

氏は、一見扇状的にも思えるこの題名が、中国側から見れば過去数十年の実績に基づいた“常識”であり既定路線であることを、実例を示しながら実証するのだ。

特定の国が侵略国になるかならないかは、その国が侵略するに十分な力と意思を持つか否かによって決定される。たとえば、現在の日本はいかなる国に対しても侵略国とはなり得ない。自衛隊のインド洋あるいはイラク派遣に際しても、武器の携行や使用を、自衛隊員の安全に支障が出かねないほど認めないことにも見られるように、日本には武力行使や侵略の意思がないからだ。他方、中国は、十分な軍事力を保有する。過去17年間、一度の例外もなく、軍事予算は毎年2ケタ台の伸び率を達成し、世界の武器貿易の約4割を占めるペースで、ロシアなどから新しい武器を購入してきた。

加えて、中国は国際政治における必要性に応じて武力行使をすると、明確に意思表示をしてきた。つまり、中国は侵略国になり得るのだ。

平松氏は、中国の意思は目新しいものではなく、1949年の建国当時からの決意であり、毛沢東国家主席(当時)が、その目的を達成するためには幾億もの国民の命を犠牲にすることも構わないとさえ考えていたと指摘する。また、中国は1840年のアヘン戦争で被った恨みを忘れてはおらず、あの不当な侵略以降、奪われてきた清帝国の領土奪還が大目標だ、と強調する。

その大目標達成のためには、中国は米国との究極の対立をも辞せずという決意を抱いているというのだ。その証左として、氏は1957年のソ連と中国、フルシチョフ第一書記(当時)と毛沢東のやり取りを紹介している。

当時、ソ連は大陸間弾道ミサイルと人工衛星の打ち上げで、それまで軍事的優位に立っていた米国を抜いて初めてトップに立った。ここでフルシチョフは、核の力を増大していけば人類は核戦争に突入すると危惧し、軍事よりも経済で米国に勝利したいと考えるようになった。

毛沢東はこれに猛烈に反対し、ソ連の核兵器で米国を挑発することを主張した。そのとき、毛沢東は「中国は人口6億人を有する。仮に原水爆で半数が死んでも、3億人が生き残り、何年かたてばまた6億人になり、もっと多くなる」と述べたという。

フルシチョフは呆れはて、やがて中ソが亀裂を深め対立していったのは、歴史が示すとおりだ。私たちは、中国が日本をはじめとする民主主義国どころか、社会主義のソ連さえもが驚く“人命軽視の価値観”を持つ国であることを見逃してはならない。

中国の日本併合はいかにして行われるのか、それがすでにどこまで進んでいるのかは、平松氏の著書を読んでいただきたいと思うが、一つだけ、日本が中国に併合されずに独立国であり続けるために、どうしてもしなければならないことがある。それは、いまさら言葉で確認するのも恥であり、憚(はばか)られるが、志を持った真の独立国となることだ。言い換えれば、自国を自力で守り抜く決意を国民が共有し、必要な軍事力と、意思力を養うことにほかならない。

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トラックバック: 24件

  1. ホリエモンを叩くマスコミ ~それ以外に報道すべき重要なことがあるのでは?~

    ホリエモンこと堀江社長が逮捕…

    TVはその話題で持ちきりでした。

    過去の色々な発言をいくつも流し、徹底的にイメージを悪くする。

    必要以上…

    トラックバック by ☆独断雑記 XYZ — 2006年01月24日  12:41

  2. 宮内庁への抗議メールが殺到−女系天皇容認確信犯

    ●皇族の意見を無視し、拙速な改定を推進する宮内庁に抗議の声を上げよう!

    女系天皇導入を憂慮される寛仁殿下の御発言に対して宮内庁サイドは「皇室の方々が…

    トラックバック by 草莽崛起 ーPRIDE OF JAPAN — 2006年01月25日  07:37

  3. 宮内庁への抗議メールが殺到竏衷洛n天皇容認確信犯

    ●皇族の意見を無視し、拙速な改定を推進する宮内庁に抗議の声を上げよう!

    女系天皇導入を憂慮される寛仁殿下の御発言に対して宮内庁サイドは「皇室の方々が…

    トラックバック by 草莽崛起 ーPRIDE OF JAPAN — 2006年01月25日  07:37

  4. 悪夢ではなく正夢

    「 もはや避けられない悪夢か 中国による日本併合を防ぐ道は真の独立国になること 」

    国民の誰もが懸念している日本への侵略及び戦争への憂慮は中国では現実…

    トラックバック by 応答せよ。。。 — 2006年01月25日  10:09

  5. 拝啓CIAデータ殿 (世界の国別人口ランキング)

     あらためて「世界人口」なるものを把握しておきたい。

    下記添付のCIAデータによると、

    A)今現在、地球上には64億4千万強の人間が存在する。

    B…

    トラックバック by エセ男爵酔狂記 Part-II — 2006年01月25日  13:49

  6. 中国の脅威 − The Way of Protecting Our Country −

    櫻井よしこさんが、公式HPで「もはや避けられない悪夢か 中国による日本併合を防ぐ道は真の独立国になること」と題した記事を公開している。

    中国を始めと…

    トラックバック by 大和魂! — 2006年01月26日  00:31

  7. 上海日本総領事館電信官自殺と情報機関の設置

    ●日本会議のメールマガを転送しますのでご参照いただければ幸いです。
     
    上海の日本総領事館の電信官が中国政府の謀略に引っかかり、自殺した件で、佐々先生…

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  9. 「第壱話 中国、襲来」ってとこか?洒落にならん・・・

    「もはや避けられない悪夢か 中国による日本併合を防ぐ道は真の独立国になること」
    他方、中国は、十分な軍事力を保有する。過去17年間、一度の例外もなく、軍…

    トラックバック by 白の女王 — 2006年01月26日  15:05

  10. 拝啓 “CIA Fact Book” 殿! (世界の軍事費ランキング)

    <添付画像>from Wikipedia (軍事費のグラフ)

     本日は「世界の軍事費」について目をお通しておきたい。
     
     日本の政治議題から「自衛隊予…

    トラックバック by エセ男爵酔狂記 Part-II — 2006年01月26日  20:02

  11. これではなぁ〜

     内閣府がこの24日に発表した「外交に対する世論調査」によると、中国に対し「親しみを覚えない」という人が63.4%と過去最高になったそうである。σ(^^)…

    トラックバック by ステイメンの雑記帖 — 2006年01月27日  00:06

  12. 中国共産党のタカリ

    人気プログランキングに参加しています。

    >TVBSの報道によれば、

    ある台商が中国の江西省にホテル建設投資を行った際、現地の合作先の会社に裏切られ、…

    トラックバック by 手前ら、日本人なめんじゃあねぇ — 2006年01月27日  08:55

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    ◆櫻井よしこ さんのブログより 「 もはや避けられない悪夢か 中国による日本併合を防ぐ道は真の独立国になること 」 『週

    トラックバック by 持続可能な社会と金融CSR — 2006年03月07日  21:14

櫻井よしこ氏がネット新番組の発表をいたします。
「 もはや避けられない悪夢か 中国による日本併合を防ぐ道は真の独立国になること 」

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