「 明以来の中華帝国主義に備えよ 」
『週刊新潮』 2013年7月18日号 日本ルネッサンス 第566号 7月21日の参議院議員選挙を前にして、投票率が非常に低くなるとの予測が頻りである。自民一強野党多弱の情勢なら、投票しても結論は同じ、詰まらないから投票しないというのがひとつの理屈らしい。 そんなふうに考える人たちに是非勧めたい一冊がある。少し部厚いが、ロバート・D・カプランの『インド洋圏が、世界を動かす』(インターシ…
「 日本よりも中国を向く韓国の対外政策の危うさ 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年7月13日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 993 朴槿恵韓国大統領の中国訪問時の詳細を知るにつけ、韓国と朝鮮半島の未来が案じられる。6月27、28両日の北京訪問で、朴、習近平両首脳は計7時間半、会談した。中韓間には宗主国としての中国が韓国を属国として扱った過去の既視感が漂っている。 顔合わせの席で朴大統領が「韓国と中国は感性が合いますね」と…
「 原子力規制委は科学的、合理的か 」
『週刊新潮』 2013年7月4日号 日本ルネッサンス 第564号 原子力規制委員会の決めた原子力発電所に義務づける新規制基準が7月8日に施行される。 新基準は、高い防潮堤の構築、フィルター付きベントの設置、活断層の有無の確認、運転期間の原則40年ルール導入などを定めた極めて厳しい内容だ。後述するように審査の手法も非常に厳しく、このままでは、日本は2030年代に全原発が廃炉となり、原…
「 事故を科学的に見ようとしない政治が福島復興を妨げている 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年6月29日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 991 自民党政調会長の高市早苗氏が「東京電力福島第一原発で事故が起きたが、それによって死亡者が出ている状況ではない。最大限の安全性を確保しながら(原発を)活用するしかない」と発言し、民主党幹事長の細野豪志氏が18日、即反応した。細野氏は避難生活で亡くなった「震災関連死」に触れて高市氏を「当事…
特集 「 橋下市長『慰安婦発言』の是非を論じる 」
『週刊新潮』 2013年5月30日号 日本ルネッサンス 拡大版 第559回 橋下徹大阪市長の発言を聞いて、複雑な気持を抱いたのは私だけではないだろう。「歯切れのよさ」「わかり易さ」という氏の、いわば最強の武器を、語るには最大限の繊細さが要求される慰安婦問題で炸裂させたのである。当然、反応は凄まじく、安倍晋三首相の歴史問題に関する発言も霞むほどだった。 強烈な衝撃を与えた橋下発言を、私…
「 池口恵観氏の45億円はいかに調達されたのだろうか 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年4月6日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 980 3月26日、在日本朝鮮人総連合会(朝総連)の中央本部の土地・建物が競売にかけられ、池口恵観(えかん)氏が法主を務める最福寺(鹿児島市)が45億円の高値で落札した。最低価格の2倍弱、45億円の手当はすでについているとのことだが、池口氏が、落札した建物を朝総連に貸してもよいと語ったのには驚いた。その場所…
「 好調安倍政権、課題は国防力と情報力 」
『週刊新潮』 2013年3月28日号 日本ルネッサンス 第551回 国民がどれだけ自主独立のまともな国を欲しているかが、安倍晋三首相への高い支持率に反映されている。 政府主催で3月11日に行われた東日本大震災2周年の追悼式典で、安倍自民党は国名を読み上げる指名献花の列に台湾を加えた。1000年に1度といわれるあの災害に襲われた日本に、国民総がかりでどの国よりも多大な援助をしてくれた台…
「 お金の使い方に人、社会、国家の性格が最も正確に表れる 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年3月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 978 春闘で軒並み満額回答が出されている。裾野が広く経済全体に大きな影響を与える自動車業界では、大手10社中マツダを除く全社が満額回答だ。円安の影響もあるが、安倍晋三首相の経済界に対する賃上げ要請がきっかけになっているのも確かであろう。 国内需要も中国市場も低迷する中での賃上げはかなりの負担だと…
「 政権交代で実現した南鳥島沖のレアアース2万年分の海底調査 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年1月19日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 969 文部科学省所管の独立行政法人、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が小笠原諸島・南鳥島沖の海底に眠るレアアース(希土類)泥の調査に乗り出すことになった。東京大学大学院工学系研究科の加藤泰浩教授の研究チームが6年前から指摘してきたレアアースの宝庫がこの海底に眠っている。加藤教授は南鳥島の海底調…
特集 安倍晋三総理 対談 「 独立自尊! 私は経済を立て直す! 」
『週刊新潮』 2013年1月3・10日合併号 2013年 日本の針路を明らかにする! 安倍晋三総理(58)主導の金融緩和を市場が好感、久々に経済は明るい兆しを見せた。しかし尖閣を巡り中国に翻弄されるなど外交は劣化の一途を辿り、復興や拉致問題等の難題も山積している。新総理と日本復活への展望を語り合った。 櫻井よしこ この度は総選挙での大勝と、総理就任、おめでとうござ…