「 憲法改正への道筋がついただけに惜しい国民投票法案が持つ2つの欠陥 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年3月31日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 684 憲法改正の手続きを定める国民投票法案が、4月中旬に衆議院を通過する見通しとなった。安倍晋三首相が政権の最大の課題とする憲法改正への道筋が、これで一応、つくことになる。 与党は民主党との調整を断念したと報じられたが、民主党内は複雑だ。同党には、党の意見はかなり与党案に反映さ…
「 国際的反日情報戦に立ち向かえ 」
週刊『週刊新潮』 2007年月3日29号 日本ルネッサンス 第257回 駐日米国大使のトーマス・シーファー氏が、米国下院公聴会で証言した元慰安婦の言葉を「信じる」と語っている。3月17・18日付の「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」紙が報じたもので、大使は「女性たちは売春を強要された」として旧日本軍による強制は「自明の事実だ」とも述べた。 拉致問題を深く理解し、横田早紀江さん…
「 慰安婦問題と水面下でつながる一連の120兆円もの対日企業訴訟を忘れるな 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年3月24日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 683 今、日米関係を大切にしたいと考える人ほど、眼前の摩擦についてどうすべきか、悩んでいるのではないか。眼前の摩擦とは、言うまでもなく、米国民主党のマイク・ホンダ下院議員らが提出した、慰安婦問題に関して日本政府に“公式”かつ“曖昧さのまったくない&…
「 同盟国ゆえ、敢えて米国に問う 」
『週刊新潮』 2007年3月22日号 日本ルネッサンス 第256回 米国下院外交委員会に上程された慰安婦問題に関する対日謝罪要求決議案は、もし成立すれば、米国外交史における汚点となるだろう。なぜなら、同決議案には公正さも真実性も欠けているからだ。他国の名誉に関する事柄について、第三者としての米国議会が一方的な主張に基づいて断罪するとしたら、それは大いなる間違いである。少々長くなるが、米国…
「 妥協の積み重ねで『強制』の濡れ衣 慰安婦問題は根本から論じ直すべき 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年3月17日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 682 米国下院本会議に、慰安婦問題についての対日政府非難決議案が上程された。1996年以降、6回目の試みで、これまでは否決されてきたが、今回は成立しそうな勢いだ。決議案の提出者は日系三世のマイケル・ホンダ議員。同案は、事実関係において決定的に間違っている。 ホンダ議員らはもともと、…
「 『教育』が危ない 」
『週刊新潮』 2007年3月15日号 日本ルネッサンス 第255回 [拡大版] 第三回 まず「ダメ親」にメスをいれよ 教育現場に足を運ぶ度に、信じ難い大人の姿を見てしまう。無論、大概の親や教師は常識を弁えた人々であろう。しかし、非常識な大人が余りにも多くなり、教育現場が振り回されているのも事実である。 1983年から20年間、大阪市内で3つの公立中学校の教師を務めた原田隆史氏が…
「 『国歌を歌うのが恥ずかしい』状況が物語る異様な日本の教育現場 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年3月10日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 681 最高裁判所は2月27日、市立小学校入学式で「君が代」のピアノ伴奏を命じられて拒否し、懲戒処分を受けて提訴した女性教諭の訴えを棄却した。 これは東京都日野市の小学校で発生した問題で、音楽科の女性教諭は「君が代」は「日本のアジア侵略と結び付いて」おり、そのような歌は「斉唱も伴奏も…
「 『教育』が危ない 」
『週刊新潮』 2007年3月8日号 日本ルネッサンス 第254回 [拡大版] 第二回 今も学校を徘徊する「日教組支配」 安倍晋三首相が力を入れる教育再生への動きが急である。教育関連法案について検討している中央教育審議会は2月25日、学校教育法と教員免許法の改正について基本的合意に達した。 文科省が中教審に示した学校教育法改正案には教育の責任の所在を明確にするための校長以下の縦の…
「 『子育て』は『親育て』と同義 親学の開始こそ日本人再生の糸口に 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年3月3日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 680 かつて「日本の母親ほど辛抱強く愛情に富み、子どもにつくす母親はいない」といわれた。幕末から明治にかけて日本を訪れた多くの外国人の日本見聞録をまとめた『逝きし世の面影』(渡辺京二著、平凡社)に紹介されている、日本研究者E・モースの言葉だ。 彼はこうも書いた。 「日本人は確かに…
「 『教育』が危ない 」
『週刊新潮』 2007年3月1日号 日本ルネッサンス 第253回 [拡大版] 第一回 現代のアンタッチャブル「教育局」の重罪 安倍晋三首相が内閣の最重要課題と位置づける教育再生は、巨大な官僚組織との戦いである。だれも責任を取らない悪しき慣例主義に沈み込んだ小官僚集団を変えていくことが、教育再生の鍵となる。 後に詳述するが、教育を実際に動かしているの…