特集 「 緊迫の海域『尖閣諸島』を視た! 」(前編)
『週刊新潮』 '04年12月30日、'05号1月6日号 日本ルネッサンス[拡大版] 第147回 日本列島の周辺海域はいまや緊迫の海である。 東シナ海は96年以降中国の実効支配が確立されたと言われる程、中国海軍所属の軍艦や海洋資源調査船の活動が著しい。だが、中国側の動きは今や急速に日本の太平洋側に拡大され、現に沖ノ鳥島周辺で、中国船の海底及び資源調査が活発化しつつある。 たとえば、調査船向…
「 台湾総選挙結果を甘く見るな 中国の侵攻を抑止するに足る軍事能力を日米台で築くとき 」
『週刊ダイヤモンド』 '04年12月25日/'05年1月1日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 573 12月11日に行われた台湾総選挙では、陳水扁(チンスイヘン)総統の民進党は念願の過半数を制することが出来なかった。同党の獲得議席は89、陳政権を支持し、かつ、強力に独立を唱えた李登輝前総統の台湾団結連盟は12議席にとどまった。両党合わせて101議席は野党の国民党と親民党の合…
「 ライス新国務長官の世界戦略 」
『週刊新潮』 '04年12月23日号 日本ルネッサンス 第146回 1月に2期目に入るブッシュ政権の対外政策の担い手、コンドリーザ・ライス新国務長官の考え方を鮮烈にまとめた論文がある。2000年1・2月号の『フォーリン・アフェアーズ』誌に掲載された「国益追求」(Promoting the National Interest)である。世界の指導者層にとって必読の書といわれる外交専門誌でラ…
「 中国主導で急浮上した『東アジア共同体』構想の非現実性と呆れるその経緯 」
『週刊ダイヤモンド』 2004年12月18日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 572 11月29日、30日の両日、ラオスで開かれた「ASEAN+3」の首脳会議で、「東アジア共同体」構想が浮上した。同共同体への第一歩として、来年マレーシアでASEANと日中韓3国が第1回「東アジア首脳会議」を開くそうだ。 それにしてもわかりにくい。「ASEAN+3」と「東アジア首脳会議」…
「 金正日後を睨む中国の思惑 」
『週刊新潮』 '04年12月16日号 日本ルネッサンス 第145回 現代コリア研究所の理事長で1955年以来北朝鮮問題を研究してきた玉城素(もとい)氏が、金正日体制の危うさについて語った。 「まず、経済が瀕死の状況です。今年6月は白米1キロが400ウォンでした。ところが公式には発表されていませんが中国がコメの輸出を停止して忽ち価格がはね上がり、8月までには1キロ700ウォンに、9…
「 他人事ではない台湾の総選挙 中国の覇権主義と膨張を防げるか否かを占う分岐点に 」
『週刊ダイヤモンド』 2004年12月11日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 571 12月11日に行なわれる台湾の総選挙は、他国のこととは思えない。明らかな覇権主義の国、中国の最大、緊急のターゲットが台湾であり、東シナ海をはじめとする日本の海に眠る海洋資源獲得である。中国の覇権主義と膨張を防ぎうるかどうかを占う重要な分岐点が、台湾の総選挙だ。 3月20日の総統選挙では…
「 中国に自民・民主共同で対処せよ 」
『週刊新潮』 2004年12月9日号 日本ルネッサンス 第144回 日本の海洋権益をどのように守っていくかの問題は、日本の海に侵入してくる中国との摩擦をどう乗りこえていくかにとどまらず、日本国の在り方の根本を問うものだ。 自民党はすでに武見敬三参議院議員を委員長として「海洋権益特別委員会」を設置、10月22日に初会合を開いた。同会合に先立って武見氏らは「海洋権益を守るための9つの提言」を…
「 為替相場への介入を含め日本の賢い対応が求められる米国経済の悪化とドル安 」
『週刊ダイヤモンド』 2004年12月4日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 570 チリのサンティアゴで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、ブッシュ・米国大統領は「強いドルを支持する」と言い、シュレーダー・ドイツ首相は「米国の財政赤字がドル安の最大の原因」だと指摘した。シュレーダー首相の政策や考え方は、往々にして方向違いだと思わせられることが多いが、今回は正し…
「 靖国と領海侵犯は別問題だ 」
『週刊新潮』 2004年12月2日号 日本ルネッサンス 第143回 チリでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)で小泉純一郎首相が記者団に繰り返し述べたのは、靖国神社参拝について「何も言わないことにした」ということだった。 11月21日に、1年1ヶ月ぶりに実現した中国の胡錦濤国家主席との会談で、靖国神社への小泉首相の参拝が「中日間の障害になっている」「歴史を避けては通れない」「適切に対処…