「 育児能力喪失の今必要な親になるための“親業教育” 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年4月27日・5月4日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 443回 4月14日の「読売新聞」が、香川県の無認可「小鳩幼児園」での園児虐待の様子を伝えていた。同園では今年2月に藤島飛土己(ひとき)ちゃん(1歳2ヵ月)が急死したほか、園に預けられた多くの乳幼児があざをつくったり怪我をしていた。 元園長の谷佳津代(60歳)は傷害容疑ですでに逮捕されているが、谷…
「 人を育てる税制を目指せ 」
『週刊新潮』 2002年4月25日号 日本ルネッサンス 第16回 人品はお金の使い方に現れる。国柄は税のあり方に現れる。 将来の首相候補と見られていた加藤紘一氏は、政治資金を生活費にあてていたなどと報じられ、議員を辞した。将来の社民党、さらに日本初の女性首相かともちあげられた辻元清美氏も、秘書給与の不正流用で詐欺罪の疑惑をもたれて議員辞職した。国民的人気が高くこれまた将来の女性首相候補といま…
「 “米百俵”の町・長岡で続く田中真紀子氏支持の不思議 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年4月20日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 442回 国会議員が秘書の給与をかすめ取る事例が曝かれている。田中真紀子前外相にも疑惑が浮上した。4月8日現在、田中氏は「秘書給与を私的に流用したり、名義借りをしていたこともありません」という疑惑全面否定の談話を発表したきり、沈黙を決め込んでいる。 他方、すでに複数のメディアが報じているが、田中氏の元秘書は…
「 39年間薬害被告であり続ける国 」
『週刊新潮』 2002年4月18日号 日本ルネッサンス 第15回 Mさんが亡くなったのは、2年前の4月7日だった。彼の死を悼んで友人たちが集まった日、冷たい雨が花を散らしていたのを憶えている。 血友病患者だったMさんは、非加熱製剤でHIVとHCV(C型肝炎ウイルス)に重複感染していた。HIVへの偏見が強く、ほとんど誰も薬害エイズの当事者として表に出て来ることが出来なかった90年代初期に、彼は…
「 “国益”がわかる中田宏氏の横浜市長当選に変化の期待 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年4月13日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 441回 時代は本当に動いている。政令指定都市横浜で無所属の中田宏氏が市長になった。現職で4選を目指していた高秀秀信氏を破っての当選だ。 高秀氏には自公保に加えて社民党の応援までついた。連合のみならず、人気の高い石原慎太郎東京都知事は2度も応援に足を運んだ。高秀氏が支援を取りつけた企業は2200社にも上ると…
「 とてもあぶない国家無謬説 」
『週刊新潮』 2002年4月11日号 日本ルネッサンス 第14回 3月15日に『行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案』が国会の総務委員会に提出された。 提出したのは、いまや静かに着実に日本を支配しようとする総務省である。読んでみて本当に驚いた。行政、つまり国は絶対にあやまちを犯さない善なる存在だという看板を高く掲げたような内容なのだ。国家は無謬(むびゅう)であるとした同法案の問題点は…
「 北朝鮮に譲歩は禁物 日本の主張を通してこそ交渉進む 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年4月6日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 440回 拉致問題に関する3月22日の北朝鮮の反応は、私たちに重要なことを告げている。外交は善意だけでは決して解決できない。突破口は、国民を守り通すという強い国家意思を持ち、揺らぐことなく、その一点を起点にすることによって初めて開くことができるということだ。 日韓首脳会談のために韓国を訪れた小泉首相は3月22…