「 浦添の軍港移設だけは認める翁長沖縄県知事の論理矛盾 」
『週刊ダイヤモンド』 2015年9月5日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1098 過日インターネット配信の「言論テレビ」で独立総合研究所の青山繁晴氏と沖縄問題を論じた。氏は共同通信社に入社した年から沖縄問題に関わってきた。沖縄の良いところもそうでもないところも十分に知っている氏と比べれば私の沖縄理解は浅いが、それでも私たちは普天間飛行場の辺野古移設に反対している人々の主張に…
「 子息の安全を案ずる自衛隊員の父へ 」
『週刊新潮』 2015年9月3日号 日本ルネッサンス 第669回 平和安全法案を「戦争法案」と決めつけ、法案反対を唱え続ける人々がいる。私には全く理解できない。むしろ平和安全法案は、戦争を防ぐためのものであり、その意味で戦争抑止法案に他ならない。 社民・共産両党や一部メディアが自衛隊に関する政策や法案について、実態とは正反対の非難キャンペーンを張ることはこれまでにもあった。彼らは23…
「 おおむね好意的だった戦後70年談話 今、見詰め直すべき先人たちの物語 」
『週刊ダイヤモンド』 2015年8月29日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1097 安倍晋三首相の戦後70年の談話は関係諸国も含めて、大方の国々に歓迎された。国内では「朝日新聞」社説が批判したが、世論はおおむね好意的だった。 ソ連の対日参戦という、日本が侵略された歴史にほとんど触れなかった点を除けば、談話は極めてバランスが取れており、私は高く評価する。日本の戦争を日本だ…
「 私はこう読んだ終戦70年「安倍談話」 」
『週刊新潮』 2015年8月27日号 日本ルネッサンス 第668回 8月14日に発表された戦後70年談話には、安倍晋三首相の真髄が表わされていた。 談話発表まで、日本の多くのメディアが報じたのは「植民地支配」「侵略」「お詫び」「反省」の4語をキーワードとし、これらが談話に盛り込まれるか否かという浅い議論だった。中韓両国も注文をつけ続けた。静かに歴史を振りかえり、未来に想いを致すこ…
「 大東亜戦争の本質を見れば分かる「侵略」の一語でくくる危うさ 」
『週刊ダイヤモンド』 2015年8月22日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1096 ポツダム宣言受諾から70年、さまざまな歴史論争が展開されている。本誌発売時点では安倍晋三首相の70年談話も発表されているだろう。談話に「侵略」の2文字を入れるべきだという要求もある。それには断固、反対だという声は、私も含めて、強い。 そこで大東亜戦争の本質を考えてみよう。同戦争は大別し…
「 戦後70年、中国の大戦略に備えよ 」
『週刊新潮』 2015年8月13・20日合併号 日本ルネッサンス 第667回 中国研究を専門とするペンシルバニア大学教授のアーサー・ウォルドロン氏は、いま日本人は13世紀の元寇以来、最も深刻な危機に直面していると警告する。蒙古と高麗軍が壱岐・対馬を占領した当時、日本人は危機を実感した。だがいま、中国が日本を遠くから包囲し、包囲網をじわじわと狭めていることに多くの日本人が気づいていないという…
「 来日の台湾・李登輝元総統を厚遇 日本の国益に合致する人権・人道外交 」
『週刊ダイヤモンド』 2015年8月8・15日合併号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1095 7月22日に台湾の李登輝元総統にお会いした。お訪ねすると扉のところで迎え、手を取って室内に導いて下さった。92歳になられたが、声も力強く、主張は極めて明快だった。 李総統は同日午後、永田町の衆議院第1議員会館で約300人の国会議員を前に1時間、講演した。総統退任後、今回が7度目の…
「 習近平体制、不安定ゆえの異常弾圧か 」
『週刊新潮』 2015年8月6日号 日本ルネッサンス 第666回 7月26日、NHKの番組、「これでわかった!世界のいま」が「中国で人権派弁護士ら多数拘束・なぜいま弾圧を強化?」という内容を報ずるというので、視聴した。 人権派の弁護士らを次々に拘束する中国の異常さはすでに新聞が伝えているが、なぜかNHKは日曜日の夕方の、誰も注目しないような、子供向けめいた番組で中国の異常な人権弾圧…
「 中国の意向気にして情報を公開しない外務省主導の対中・対北外交の甘さ 」
『週刊ダイヤモンド』 2015年8月1日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1094 7月22日、政府は、中国が東シナ海日中中間線のすぐ近くでガス田開発を急速に進めている実態を15枚の写真を基に公表した。菅義偉官房長官は記者会見で2013年6月以降に新設されたプラットホームや土台は12基に上り、開発済みのものと合わせると、16基に達することを明らかにした。 中国による増設…
「 最善策は騙し、中国外交の本質を見よ 」
『週刊新潮』 2015年7月30日号 日本ルネッサンス 第665回 『中央公論』8月号に中国『人民日報』元論説委員の馬立誠氏が「中日の和解なくして東アジアの安寧はない」を寄稿した。同論文で氏は日中間に、➀平和、➁反省、➂寛容を求めている。 ➀で氏は、「ある国は口では平和を唱えて、実際には武力発動を準備する」「こうしたやり方は、平和を謀略とするものであり尊ぶに値しない」と中国批判とと…