「 統一朝鮮の核、日本の真の危機だ 」
『週刊新潮』 2020年12月24日号 日本ルネッサンス 第931回 日本が位置する北東アジア地域はいまやミサイルの密度でいえば欧州よりも高く、世界一危険な地域である。核兵器についても同様だ。 中国、ロシア、そして北朝鮮。全て核保有国だ。 一番近い半島国家、韓国と北朝鮮が万が一にでも統一すれば、南北合わせて180万の軍隊が出現する。しかも核とミサイルを保有し、日本を射程にとらえ…
「 中国のTPP横取りを許すな 」
『週刊新潮』 2020年12月17日号 日本ルネッサンス 第930回 中国の手法は時代が変わっても変わらない。一番賢いのは策略を巡らして相手を出し抜くことだと信じる民族は、政治体制が王朝であろうと共産党独裁であろうと、同じ発想で問題解決に当たる。その中国に、いま、日本は最大の警戒心を抱かなければならない。 彼らは長い年月をかけて米国を完全に騙した。その結果、念願の世界貿易機関(WTO…
「 米新政権下、日本の気概が問われる 」
『週刊新潮』 2020年12月10日号 日本ルネッサンス 第929回 米国大統領選挙の結果はまだ正式には確定されていない。とはいえ、ジョー・バイデン前副大統領は人事を筆頭に政権構想を次々に発表し始めた。他方、トランプ大統領は選挙での不正投票を巡る法廷闘争に関して弱気に転じており、巻き返しの見通しは明るくない。 この間の11月12日、菅義偉首相はバイデン氏と電話会談をし、バイデン氏は尖…
「 官邸に乗り込んだ韓国高官の赤い影 」
『週刊新潮』 2020年12月3日 日本ルネッサンス 第928回 政治が激しく動くとき、怪しい勢力が暗躍するのは世の習いだ。 11月8日に来日した韓国の国家情報院(国情院)院長、朴智元(パクチウォン)氏はその典型だ。朴国情院長は4日間滞在し、まず二階俊博自民党幹事長、次に菅義偉首相に面会した。 国情院は韓国の情報機関だ。そのトップが他国の首脳に会うとき、通常は秘密裏に行動する。…
「 バイデン政権、上院次第で機能不全に 」
『週刊新潮』 2020年11月26日号 日本ルネッサンス 第927回 米大統領選挙の結果は米国が「一国二国民」(米外交問題評議会会長、リチャード・ハース)であることをはからずも露呈させた。 外交問題評議会は議会関係者や国際政治・安全保障の専門家にとって必読誌とされる「フォーリン・アフェアーズ」の発行元である。その会長であるハース氏は9・10月号の同誌に「分裂のさ中で――トランプは如何…