「 バス釣りが招く生態系の危機 」
『週刊新潮』 2004年10月7日号 日本ルネッサンス 第135回 去る9月25日、池袋の立教大学キャンパスで「岐路に立つブラックバス問題」というシンポジウムが開かれた。会場の7102階段教室は参加者でほぼ埋まり、約4時間の報告と質疑応答には熱がこもっていた。 シンポジウムでは全国の都道府県に広がってしまった北米産の外来肉食魚、ブラックバスが文字どおり、日本の生態系を崩壊…
「 世界で最も親日的な国・台湾で垣間見た日本企業代表の国益を損ねかねない振る舞い 」
『週刊ダイヤモンド』 2004年10月2日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 561 世界のどこにも、台湾ほど親愛の情で日本人を迎えてくれる国はおそらくないだろう。日本をよく知る人びとが健在で、現代の日本と日本人を、日本の歴史とともに受け入れ、日本の台湾への貢献を、日本人自身よりも高く評価する。 代表格は李登輝前総統である。李前総統は、自著『武士道解題』(小学館)で、武…
「 拉致解決、経済制裁を恐れるな 」
『週刊新潮』 2004年9月30日号 日本ルネッサンス 第134回 去る9月17日、北朝鮮に拉致された日本人を救出するには、もはや実力行使しかないことを訴える国民大集会が東京・千代田区の九段会館で3,500人を集めて開かれた。 「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」の3組…
「 中国の不法な海底資源開発を許してきた政府の無策以上に有害なメディアの報道姿勢 」
『週刊ダイヤモンド』 2004年9月25日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 560 今、中国が猛烈な勢いで日本の権益を侵し続けている。東シナ海海底に眠る天然ガス・石油を筆頭とする資源開発のことである。 5月23日には、東シナ海の日中中間線からわずか4キロメートル中国側に入ったところで、天然ガス・石油の採掘井戸・春暁の施設が海上に立ち上がった。6月22日には、海底パイプラ…
「 いま、全力で中国に物を言え 」
『週刊新潮』 2004年9月23日号 日本ルネッサンス 第133回 去る8月26日、中国の新華社通信の電子版、中国通信が春暁の石油ガス田群の開発でパイプライン敷設工事が始まったと報じ、「春暁の開発は実質的段階に入った」「日本の朝野が悔やんでもどうしようもない」事態に到ったと論評した。 春暁ガス・石油田は東シナ海の日中中間線のすぐ脇に中国が作った採掘井戸である。中間線からわずか4キロ中国側に…













