「 中国の本質を見ずしてその市場に心を奪われる経済界と世論の危険 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年8月12・19日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 653 中国ほど厄介な国はない。この国とのかかわり方次第で日本の命運が大きく左右されるからこそ、その本質を見て付き合うことが大事である。ところが、肝心の中国の姿をはっきりととらえている人はまだ少ないのだ。 中国を見る目を曇らせる最大の要因が、中国市場なるものの魅力であろう。対中経済交…
「 富田メモ、今や必要な全面公開 」
『週刊新潮』 '06年8月10日号 日本ルネッサンス 第226回 何とも全体像がわからないのが「富田メモ」だ。元宮内庁長官の故富田朝彦氏が昭和天皇のお言葉として書き残し、『日本経済新聞』が報じたあの断片的なメモには実に多くの謎がある。 日経が報じたのは、4枚続くメモの、最後の頁の一部である。ところが、日経が報じなかった3頁目に書かれた文言が、テレビで裏がえしで報じられていたのを反転さ…
「 『富田メモ』はなぜ今流出したか? 機密漏洩事件の本質をこそ見よ 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年8月5日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 652 7月20日に「日本経済新聞」が「A級戦犯靖国合祀」「昭和天皇が不快感」と報じた元宮内庁長官の故・富田朝彦氏のメモは、理解に苦しむものだ。 「富田メモ」には、1988(昭和63)年4月28日付で昭和天皇のご発言として「A級(戦犯)が合祀されその上松岡、白取までもが」「だから私あれ以来参拝してい…
「 『昭和天皇』A級戦犯メモ 富田メモの危うい『政治利用』 」
『週刊新潮』 '06年8月3日号 日本ルネッサンス 「拡大版」 第225回 「A級が合祀されその上松岡、白取までもが、」「だから私あれ以来参拝していない。それが私の心だ」。元宮内庁長官の富田朝彦氏が、昭和天皇のお言葉として書きつけたメモが波紋を広げている。 スクープを物にした「日経」は7月20日付朝刊トップで同メモを「A級戦犯靖国合祀」「昭和天皇が不快感」と大見出しで報じた。政界…
「 外交の勝利は堂々たる主張から 」
『週刊新潮』 '06年7月27日号 日本ルネッサンス 第224回 北朝鮮への対応をめぐる国連安保理での攻防は、戦後はじめて、国家は自らの主張をどのように展開すべきなのかを日本自らが探りあてようとした事例である。それは北朝鮮が対象だったが、同時に、紛れもなく中国との外交戦争だった。もっといえば、長年一定のパターンとして定着してきた日米中3か国のゼロサムゲームに近い性質を持つ戦いだった。今回、日…













