「戦略なき日本に、日米同盟の危機」
『週刊新潮』’08年10月30日号 日本ルネッサンス 第335回 10月19日夕方、中国の軍艦4隻が船団を組んで津軽海峡を横断、日本海側から太平洋側に抜けた。 4隻は、ロシア製の駆逐艦ソブレメンヌイ級、中国製で最新鋭のフリゲート艦ジャンカイⅠ級と同Ⅱ級、それに補給艦だ。ソブレメンヌイ級駆逐艦は、米国も恐れる音速の4倍速のミサイルを搭載する。同ミサイルは海面6メートルの超低空で飛行するため、レーダ…
「日本の惨めな外交を予言した中国高官の覆面座談会」
『週刊ダイヤモンド』 2008年10月25日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 761 「アメリカの外交政策に、拉致問題が影響を及ぼすことなんてありっこない」「最初からわかり切ったこと」「それをあたかも希望があるように報じてきた」「日本人って、その辺はお人好しだよね。われわれにはありがたいけどね」――。 ここで「われわれ」の立場から日本を論じているのは、中国外務省の課長補佐である…
「今、日米関係を前向きに見直せ」
『週刊新潮』’08年10月23日号 日本ルネッサンス 第334回 10月11日、ブッシュ政権が、北朝鮮をテロ支援国家のリストから外したことは、安全保障に関して、米国依存の日本に安保・外交体制の根本的かつ前向きの見直しを迫るものだ。 6ヵ国協議を舞台に、一層進む米中関係の緊密化の結果、日米関係はこれから本当に厳しくなるだろう。日本は自ずと厳しさを増す日米関係の齟齬と摩擦を賢く乗り越え、如何に…
「ノーベル物理学賞受賞が示唆する大学改革の見直しの必要性」
『週刊ダイヤモンド』 2008年10月18日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 760 三人の日本人学者がノーベル物理学賞を受賞した。受賞のニュースは、金融危機や株式市場の落ち込みで意気消沈しかけていた日本に、大きな喜びをもたらしてくれる。 若き時代に三氏が取り組んだのは、宇宙や物質の成り立ちにかかわるきわめて根源的現象の理論的解明である。各紙は三氏の業績について、紙面を大きく割…
「金融危機、日本の価値で打開せよ」
『週刊新潮』’08年10月16日号 日本ルネッサンス 第333回 10月3日、最大で7,000億ドル(約74兆円)の公的資金で金融機関から不良資産を買い取ることを柱とする金融安定化法案を、米国下院が可決、同法が成立した。米国発の金融危機が世界恐慌に直結する事態は、とりあえず回避された。 とはいえ、同時期、パリで首脳会議を開催した英仏独伊の4ヵ国は、欧州連合(EU)が歩調を一にする対処策を打ち…













