「日本の底力を強調する麻生太郎首相、所信表明の訴求力」
『週刊ダイヤモンド』 2008年10月11日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 759 麻生太郎首相の所信表明演説をめぐって、メディアの、とりわけテレビメディアの評価が辛らつだ。本来、首相の所信を表明すべきものなのに、民主党に問いかけたのが不満らしい。 メディアは野党や無所属議員の、「こんな演説は異例だ」「品格のかけらもない」(田中眞紀子氏)などというコメントを報じていた。 だが、対…
「中国の脅威を見つめよ、自衛隊」
『週刊新潮』’08年10月9日号 日本ルネッサンス 第332回 中国の軍事戦略の基本を表わすものに、鄧小平の「24字戦略」がある。4文字の成句を6個連ねた文字どおりの24文字の訓示で、鄧小平は命じている。 「冷静に観察せよ、己れの立場を固めよ、冷静に対処せよ、能力を隠し好機を待て、控えめな姿勢を得手とせよ、突出した地位を求めるな」 およそ戦いに勝つための要諦がここに含まれている。強さは、それ…
「民主党の〝高速道路無料化案〟は真剣な議論に値するのではないか」
『週刊ダイヤモンド』 2008年10月4日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 758 自民党に麻生太郎氏、民主党に小沢一郎氏。真っ正面から闘う構図のなかで、私はどうしても、民主党の高速道路無料化の公約に注目してしまう。 財源はどこにあるのだといって、自民党が、同案をまともに取り上げないとしたら、大きな損失につながりかねない。なぜなら、現行の高速道路会社のあり方、つまり、小泉純一郎首相の…
「政治は国民の心の糧になれるか」
『週刊新潮』’08年10月2日号 日本ルネッサンス 第331回 「人間に与えられたあらゆる才能の中で、雄弁の才ほど貴重なものはない」。確信をもってこう書き残したのは、英国のウインストン・チャーチルだった。当時23歳。彼はさらに書いている。 「雄弁を操る者は、偉大なる王の権力よりも、さらに永続性のある権力を振う。(中略)自己の党から見捨てられ、自分の友から裏切られ、自分の役職をはぎ取られても、こ…
「検査対象外だったメタミドホス 汚染米売却の裏に既得権益」
『週刊ダイヤモンド』 2008年9月27日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 757 大阪市の三笠フーズに端を発した汚染米転売事件は、その後、なお、広がりを見せている。食用には適さないコメを食用として不正転売していた業者は、 9月17日現在、三笠フーズをはじめ、名古屋市の浅井、愛知県小坂井町の太田産業、新潟県長岡市の島田化学工業の四社、汚染米の販売先は和菓子製造会社や病院、老人ホー…













