「 財政再建の方向をしっかり確立するのが首相の責任だ 」
『週刊ダイヤモンド』 2011年1月15日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 870 年初の財界首脳らの発言に納得がいった。セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長は、政府からは有効な景気対策はなにも出てこないとの前提で個々の企業はこの1年に備えていると語り、新日本製鐵の三村明夫会長は、今年の景気の厳しさを強調した。 およそ企業のトップは皆、民主党政権の経済、景気政策にいか…
「 国民不在の『無策民主党』の不甲斐なさ 」
『週刊新潮』 2010年9月9日号 日本ルネッサンス 第426回 小沢一郎氏と菅直人氏の対立は、「資格のない人物」と「資質のない人物」の争いである。総理の器かといえば、両氏は共に器ではない。日本の進路を切り開くべくもない希望なき人々だ。 政権政党となって以降の民主党は、彼ら「器でない」人々の権力欲に振り回され、異常なる無策に陥った。 民主党は、その掲げる政策を実現し得る政権政党になったと…
「 二番底懸念が高まる日本に雇用と安保を両立させる策 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年9月4日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 852 連日の円独歩高だ。日本時間の8月24日夜、円は欧州市場でついに83円台に入り、BBCは「円高が日本企業を殺しつつある(killing)」と報じた。菅直人首相がテレビカメラの前で「注意深く見守っていきたい」と、かしこまって語った数時間後のことだ。 国際社会の信頼を得ていないために、首相がどんな…
「 民主党の口約束では国はもたない 」
『週刊新潮』 2010年7月15日号 日本ルネッサンス 第419回 民主党の参院選用の「マニフェスト2010」を見て、驚いた。 「民主党政権がこれまで取り組んできたことを報告します」として、「実現したこと」が55項目列挙されている。「羊頭狗肉」を絵に描いた内容だが、とりわけ酷いのは「口蹄疫対策」「日米同盟の深化」「アフガニスタン支援」などを、実現した成功事例として掲げていることだ。 この…
「 日本、米国、ドイツの3ヵ国が再び世界経済を牽引する 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年5月29日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 839 鳩山由紀夫首相の下で政治は機能停止状態だが、日本経済には大きな可能性がある、今後5年ほどで日米独が顕著に浮上すると武者陵司氏は予測する。 氏はドイツ証券東京本社副社長を経て、昨年「武者リサーチ」を設立した。いかにして日本は世界経済の最先端を、再び走り始めるのかを聞いた。 まずドイツの展望であ…
「 米国の医療保険制度改革と中国の影響力増大の懸念 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年4月3日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 832 米下院は3月21日の日曜日深夜の本会議で、オバマ大統領の悲願である医療保険制度改革法案を成立させた。過去100年間、セオドア・ルーズベルト大統領以来、誰も成し遂げ得なかった改革を実現させたことで、オバマ大統領は歴史に名を刻んだといえる。 大変革だけに現実は厳しさを伴うだろう。それにしても、オバマ改…
「 遂に民主党も消費税率の議論解禁 」
『週刊新潮』 2010年2月25日号 日本ルネッサンス 第400回 「小さな前進、大きな後退。これが民主党政権の政策です」 小泉政権で日本経済の舵取りをした竹中平蔵慶應義塾大学教授がこう語ると、会場はどっと沸いた。次に、民主党の内閣府副大臣、大塚耕平氏が「消費税」について語ったとき、立ち見も出た会場の聴衆が耳をそばだてた。 「消費税について、次の総選挙では何%にしてどういう使い方をすると…
「 CO2地球温暖化説を推進するIPCCや鳩山政権の活動への疑問 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年12月5日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 816 英国のイーストアングリア大学は、地球環境研究の最前線を行く大学の一つである。権威あるこの大学の気候変動研究所のコンピュータがハッキングされ、eメールの記録が流出、十数年間にわたるメールの往来が一挙に世界中に暴露された。そこに登場するのは、気候変動の分野で刮目されている学者・研究者らであ…
「 タイ資本に買収された老舗オギハラ 日本の金型産業は本当に危うい 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年10月24日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 810 日本の金型産業が危ういと、メディアで報じられ始めて久しい。それでも、日本の金型産業を担っていた人びとは、秘かな自信を失いはしなかった。 彼らの自信の根拠は、金型はたいそう複雑な産業で、簡単にまねが出来ないところから生まれていた。 たとえば一台のクルマのモーターを作るには、ざっと見て、1,00…
「政治や行政にもっと目を向けゆとりある社会に変えよう!」
『週刊ダイヤモンド』 2009年1月3日号 【激論 日本の変革】櫻井よしこvs勝間和代 勝間 私が今、日本について危機感を持っている第一のことは、若者に元気がないことです。原因の一つは、国も会社も意思決定の仕組みが五十代以上の男性偏重になっていて、資源配分が偏ってしまっているからだと思います。 たとえば国の予算でいえば、家族政策に関する国家支出は、育児手当や保育園への補助金などの総合計が…