「 米中関係の「新常態」、日本よ諦めるな 」
『週刊新潮』 2023年12月7日号 日本ルネッサンス 第1076回 米軍が研究開発費34億ドル(約5100億円)を投入した輸送機C-17の技術を、中国がわずか270万元(約5850万円)で入手、つまり、盗んだ。費用は米国の1万分の1だった。 右の事件の深刻さを理解するためにまずC-17とは何かを知っておきたい。米軍の強さの秘密はその圧倒的な空輸力にある。空輸力の2本柱がC-130と…
「 日中外交、意思疎通だけでは行き詰まる 」
『週刊新潮』 2023年11月30日号 日本ルネッサンス 第1075回 イスラエルも米国もハマスのイスラエル攻撃を察知できなかったが、一旦、有事が発生するや両国の反射神経は驚くほど鋭かった。バイデン大統領はハマスによる攻撃が開始された10月7日から9日までの3日間で17回も国家安全保障会議(NSC)を開いた。関係国首脳に三十数回、電話をかけて意見交換をした。ブリンケン国務長官は直ちに中東に…
「 中東戦争の混乱で日本は何をすべきか 」
『週刊新潮』 2023年11月23日号 日本ルネッサンス 第1074回 国際社会は他国の戦争にどのように、どれくらい関わっていけるだろうか。世界最強の国、アメリカはウクライナやイスラエルにどこまで伴走できるだろうか。国際社会が見定めようとしているこの問いは、アメリカの対応に大きな影響を受ける日本にとっても死活的である。 大国の侵略の前で自力では到底自国を守れないウクライナは、いま米国…
「 支持率など忘れ、国益実現に集中せよ 」
『週刊新潮』 2023年11月16日号 日本ルネッサンス 第1073回 当欄でも度々引用してきた書籍に『China 2049 秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」』がある。中国が建国100年の2049年までに米国を軍事、経済、その他あらゆる面で凌駕して、世界の覇者になるという野望を暴いた同書は世界的ベストセラーとなった。 その著者で政治学者のマイケル・ピルズベリー氏を招いてシン…
「 最高裁暴走、国会同意人事で歯止めを 」
『週刊新潮』 2023年11月9日号 日本ルネッサンス 第1072回 15人の人々が最高裁裁判官という権威の衣をまとって大暴走した。10月25日、現行制度の性別変更要件となっている生殖能力をなくす手術について、最高裁大法廷が示した違憲判断に対する感想である。 これによって、立法府は新たな対応を迫られるが、最高裁判断に従えば、日本社会は異様な変化を遂げるだろう。男性に生まれたけれど「私…
「 百田新党の衝撃は自民党への警告だ 」
『週刊新潮』 2023年11月2日号 日本ルネッサンス 第1071回 「日本保守党はネットの世界で空中戦をやっているだけかと見られていました。しかし、(10月18日の)名古屋駅ゲートタワー前広場での街頭演説に見たこともないくらい大勢の人たちが集った。一般の人たちが私たちの発信に注目してくれている。私たちへの期待はネットの世界だけじゃなかったと実感しています」 10月20日、「言論テレ…
「 テロ勢力ハマスの蛮行を許すな 」
『週刊新潮』 2023年10月26日号 日本ルネッサンス 第1070回 10月7日、パレスチナ自治区ガザを支配する武装勢力、ハマスのイスラエル攻撃から始まった戦争は、息を呑む速さで戦況が悪化しつつある。 16日現在、死者は双方で3900人以上に上り、イスラエル軍によるガザ地上戦が迫る。地上戦となればイスラエル軍はガザの民家、一軒一軒をしらみつぶしに点検するだろう。間違いなく残酷な戦い…
「 皇位継承安定化に必須の学習院再生 」
『週刊新潮』 2023年10月19日号 日本ルネッサンス 第1069回 自民党の萩生田光一政調会長は9月13日の内閣改造時に岸田文雄首相から二つの課題を託された。その二つとは、➀皇位継承策の作業を急ぐ、➁首相任期中に憲法改正発議を目指す、だった(『産経新聞』9月27日)。氏は➀について「この1年、党でそれほど動きがなかったので、私のもとで受け皿を作っていかなければいけないと思っている」と述…
「 異変続出、習主席に精神の不安か 」
『週刊新潮』 2023年10月12日号 日本ルネッサンス 第1068回 「習近平の精神状態はおかしい。尋常じゃない」 産経新聞台北支局長の矢板明夫氏が語った。確かに中国はおかしい。元々異形の国ではあるが、理解し難いことが多発している。外相に続いて国防相も突然姿を消した。中国軍の最強部隊、ロケット軍もトップ2人が突如解任され、今や組織としては機能し得ない大混乱の中にある。 一体全…