「 ワクチン接種と五輪を支える自衛隊 」
『週刊新潮』 2021年6月10日号 日本ルネッサンス 第953回 だれか黙々と働く人がいて世の中は成り立っている。その縁の下の力持ちに国民も社会も国も感謝してこそ、健全な国が創られる。それが本来の日本、勁い国の姿であるはずだ。 「朝日新聞」が5月26日の社説で五輪中止を菅義偉首相に求め、理由の第一に「健康への脅威」を挙げた。万単位の人々が世界からやってきて、ウイルスが広がっていくと…
「 急げ、国難の中でのワクチン接種 」
『週刊新潮』 2021年6月3日号 日本ルネッサンス 第952回 「7月末までに高齢者全員のワクチン接種を完了させる」 菅義偉首相の掛け声で、全国一斉に高齢者から順に接種が始まった。東京都港区の住人である私は5月22日、区民センターで1回目の接種を終えた。港区の接種は5月17日に始まったが、区民センターでの接種は22日が初めてだったそうだ。区も慣れていないせいか、あちこちに改善の余地…
「 五輪中止論、背景に政局の蠢き 」
『週刊新潮』 2021年5月27日号 日本ルネッサンス 第951回 5月17日、「朝日新聞」は朝刊一面左肩で「菅内閣支持急落33%」と報じた。小見出しは「『安全安心な五輪』納得できぬ73%」だ。 朝日新聞は紙面、社説やコラムなどで菅義偉首相の武漢ウイルス対策、緊急事態宣言、蔓延防止等重点措置の適用、ワクチン入手に至るまで、批判してきた。17日の記事は支持率急落や五輪開催反対論の増加を…
「 動物行動学が切り出す日本の問題 」
『週刊新潮』 2021年5月20日号 日本ルネッサンス 第950回 七つの章に約60本の記事、もしも私に目が三つあったら、3本の記事を同時に読みたいくらい面白い本が送られてきた。『ウエストがくびれた女は、男心をお見通し』(WAC)だ。「なんとイヤらしいタイトルか」と思って見たら、著者は竹内久美子さんだった。 動物行動学の研究者として名高い彼女の記事は切り抜いて保存している私である。す…
「櫻井よしこvs西岡力」敗訴でも「慰安婦報道」を永遠に反省しない朝日新聞
自らペンで反論する術を持ちながら、司法の場で争いを仕掛けた男の訴えは退けられた。濡れ衣を着せられたのはジャーナリストの櫻井よしこ氏と麗澤大客員教授の西岡力氏。真実を勝ち取り、判決後に初めて顔を合わせた二人が、過ちを省みない「真の敵」を喝破する。 5年以上に及ぶ長い法廷闘争が遂に終わりを迎えた。元朝日新聞記者の植村隆氏が、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と麗澤大学客員教授の西岡力氏が執筆した雑誌記…
「 日米首脳会談、総理が背負った課題 」
『週刊新潮』 2021年4月29日号 日本ルネッサンス 第948回 バイデン大統領とは通い合うものがあり、昼食のハンバーガーに手もつけず互いの人生について語り合った。こう振り返った菅義偉首相の表情は安堵と喜びを表していた。 4月17日、首脳会談を受けて発表された共同声明には「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記され、日本が「自らの防衛力強化を決意した」こと、米国が「核を含むあらゆる手…
「 脱炭素の鍵は原発の活用だ 」
『週刊新潮』 2021年4月22日号 日本ルネッサンス 第947回 菅義偉首相の訪米が迫る4月12日、米国の気候変動問題担当大統領特使、ジョン・ケリー氏が訪中するとの見通しが報じられた。実は同2日、菅首相とバイデン大統領との首脳会談が突如1週間延期されたとき、日米首脳会談前にケリー氏が訪中して気候変動問題への米中の取り組みを摺り合わせておくためではないかとの憶測が流れた。最終確定ではないが…
「 日米首脳会談、独立国の気概持てるか 」
『週刊新潮』 2021年4月15日号 日本ルネッサンス 第946回 4月16日、日米首脳会談が行われる。バイデン大統領の最初の対面形式の会談相手が菅義偉首相であることについて菅首相は4日、フジテレビの番組で「バイデン政権そのものが日本を重視している証だ」と語った。 日本への期待の大きさが見てとれるが、そのひとつがバイデン政権の重点政策、2050年までの温暖化ガス排出差し引きゼロ政策(…
「 危機感欠如の楽天・テンセント提携 」
『週刊新潮』 2021年4月8日号 日本ルネッサンス 第945回 世の中が急変し、古い仕組みが新しい仕組みに取って代わられようとするとき、大事なことは新局面で生き残るために何が必要かを考え、確実に実行することだ。すべきことは、➀正しい現状分析、➁解決法の突きとめ、➂その実行、に尽きる。 わが国日本は右の三つのことを成し遂げ得るか。それが3月26日の「言論テレビ」の主題だった。番組で具…