「 知って驚く自衛隊規制の異常 」
『週刊新潮』 2009年6月18日号 日本ルネッサンス 第366回 北朝鮮は相変わらず暴走中だ。4月5日の長距離弾道ミサイル発射、5月25日の核実験及び短距離ミサイル3発発射、26日の短距離ミサイル2発発射、29日にも短距離ミサイル1発を発射。そしていまは、朝鮮半島日本海側の南東部、江原道(カンウオンド)・旗対嶺(キテリヨン)で新たな発射準備ととれる動きが進んでいる。 言葉の攻撃も激烈だ。6…
「 自衛隊には実質的に“出来ない” 北朝鮮に向かう船への臨検 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年6月13日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 792 4月5日、北朝鮮は人工衛星と称して長距離弾道ミサイルを発射し、5月25日には2度目の核実験を断行した。 2006年の前回の核実験を機に、国連は北朝鮮制裁決議1718号を採択した。だが、北朝鮮はこの国連決議に違反し、強行策に突き進んでいる。 国連安全保障理事会は北朝鮮制裁向けの新たな決議づくり…
「 新型インフルエンザ危機を日本の国際貢献チャンスに転換 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年5月30日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 790 5月16日に国内初の新型インフルエンザウイルスの感染症例が見つかった。以降、わずか3日で大阪、兵庫両県の感染者数は193人に上った。大阪市と神戸市だけでも、感染者との濃厚接触者は2,900人に上る。 公共の輸送手段の発達と人口密度などから、日本における感染の広がりは、米国などと比較しても“いっそう…
「 ウイルスを迎えうつ準備を急げ 」
『週刊新潮』 2009年5月28日号 日本ルネッサンス 第363回 先週の当欄で、感染症対策の専門家高橋央(ひろし)氏が、「新型インフルエンザの感染に関しては、1週間単位で局面が変化する」と予見したことをお伝えした。氏は、かつてCDC(米国疾病予防センター)に在籍し、SARS発生のときにはWHO(世界保健機関)のコンサルタントとしてフィリピンでのSARS封じ込めのチーム・リーダーを務めた。 氏…
「 対馬、横須賀……要地買いを狙う外国人 危機意識薄い日本政府 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年5月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 789 中国外務省の馬朝旭報道局長は、中国が国連の大陸棚委員会に、東シナ海で沿岸から200カイリ(約370キロメートル)を超える地域に大陸棚の拡張を求める関連資料を提出したことを明らかにした。東シナ海は沖縄直前まで中国領だとの年来の主張を、中国はこれから国連の場で展開することになる。 他方、日本政府は日本…
「 弱毒性でも侮ってはいけない 」
『週刊新潮』 2009年5月21日号 日本ルネッサンス 第362回 5月9日、ブタ由来の新型インフルエンザウイルスへの国内初の感染が確認された。11日現在、研修旅行先のカナダから帰国した大阪の高校の男子生徒3人と引率の男性教諭の計4人の感染が確認されている。 日本へのウイルス上陸について、高橋央(ひろし)氏は「予想どおり」と語る。 氏は、かつてCDC(米国疾病予防センター)に在籍した感染症対…
「 中国軍事力への米国の警戒 」
『週刊新潮』 2009年4月30日号 日本ルネッサンス 第360回 「中国を、敵として扱えば敵となり、友人として扱えば友人となると言う専門家がいます。馬鹿ばかしい限りです。どう対処するかに拘らず、中国は中国になるのです」 “absurd”(馬鹿げた)の一言でこう断じたのはキャロリン・バーソロミュー氏である。彼女は米国議会の政策諮問機関である米中経済安保調査委員会の委員長で、現在、下院議長を務…
「 中国軍の増強、米国の国防策変容 日本にとって耐えがたい状況が進む 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年4月25日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 786 「米国の対中国政策は、非現実的な愛他主義に陥る可能性がある。米国は中国と本質的なかかわり合いを持っていないから、そういうこともできる。しかし、それは日米にとって耐えがたい状況をつくり出す」 1920年代から30年代にかけての米国のアジア政策について、当時、米国の中国問題専門家の1人だったジョ…
「 迷走のオバマ外交と日本の選択 」
『週刊新潮』 2009年4月23日号 日本ルネッサンス 第359回 オバマ政権の外交政策が迷走中だ。北朝鮮がテポドン弾道ミサイルを発射した5日、大統領は直ちに国際社会のルールを破った北朝鮮について、「違反は処罰されなければならない。強力な国際社会の対応が必要だ」と述べて、強く非難した。 日本も同様に厳しい対処を主張し、国連安全保障理事会での決議の採択を目指した。「決議」はすべての国連加盟国に…
「 テポドン騒動で明らかになった米国から日本へのメッセージ 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年4月18日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 785 4月5日に日本列島を飛び越えた北朝鮮の長距離弾道ミサイル、テポドン2号改良型が日本にもたらしたのは、自力で国を守れる水準まで軍事力の整備を急げ、というごく平凡な教訓だ。 ミサイル発射への国際社会の対応は二つに割れた。国連安全保障理事会では日米両国が厳しく北朝鮮を非難したのに対し、中露両国は冷め…