「 異形の中ロ両国、脅威に備えよ 」
『週刊新潮』 2007年7月26日号 日本ルネッサンス 第273回 異形の中ロ両国、脅威に備えよ ユーラシア大陸の2つの地域大国、中国とロシアがますます異形の国となりつつある。 中国が、言論の自由を許さず、人権に配慮せず、環境汚染によって人類を破滅させかねない犯罪的国家であることは、度々指摘してきた。 その中国とロシアを比較して、米国の〝政治哲学者〟フランシス・フクヤマ氏は、「…
「 決して台湾有事にとどまらない中国における軍事力行使の可能性 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年7月14日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 698 7月3日、久間章生防衛大臣が辞任、4日、小池百合子首相補佐官が初の女性防衛大臣となった。 米軍による日本への原爆投下は「しょうがない」などの発言は、久間氏の政治家としての、いわんや防衛大臣としての資格を否定するものだ。1980年、長崎県議を経て中央政界入りして以来、歴史を理…
「 米国は本当に日本の同盟国か 」
『週刊新潮』 2007年7月5日号 日本ルネッサンス 第270回 6月19日、参議院外交防衛委員会で民主党の浅尾慶一郎議員が興味深い質問を行った。5月12日の「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)で、キーティング米国太平洋艦隊司令官が中国の空母建設に米国は手を貸す用意があると発言した件についてだった。 キーティング司令官は「もし中国が航空母艦建造計画を進…
「 東アジアの主導権を激しく求める中国 中国が日米両国に挑戦する時代の幕開け 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年6月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 695 「 東アジアの主導権を激しく求める中国 中国が日米両国に挑戦する時代の幕開け 」 「2007年、中国政治の焦点は秋の党大会よりも経済にある。中国の金融危機はすでに顕在化しており、重要なことは、世界がその危機をいつ認識するかである」 こう述べるのは、台湾前総統の李登輝氏である…
「 自然を食いつぶしてでも生き残り策図る中国共産党と地球滅亡への道 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年6月9日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 693 関東地方に美しい青空が広がった5月26日の週末、八ヶ岳に登った友人が落胆して語った。黄砂のせいか、普段は美しい姿でそびえる南アルプスの山々はほとんど見えず、淀んだ空だけが広がっていたというのだ。 往時の大気汚染を克服して、日本の大気はきれいになった。だが今、異変が生じてい…
「 米中の力のバランスが中国に傾けば? 台湾問題はドミノ倒しの最初の1枚 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年5月26日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 691 「産経新聞」(5月16日付)は、「中国、米空母攻撃ミサイル開発へ」との野口裕之記者の記事を一面に掲載した。 中国軍が米空母攻撃能力を高めるため、射程1,500~2,500キロメートルの準中距離弾道ミサイル「東風21」の改良に着手したこと、核弾頭搭載が可能な東風21はすでに10…
「 実態は外交戦争に等しい日中関係 その対極にある台湾の懐の深さ 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年4月21日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 687 4月第一週を北京で過ごし、安倍晋三首相の昨年秋の訪中後の変化を見た。会う人全員が、しばらく前とは打って変わって、日中関係の改善ぶりを強調し、中国が未来志向の関係構築を望んでいると語る。彼らは一様に、二国間関係の構築の条件は二つ、靖国神社への総理参拝は行わないことと台湾問題に口出…
「 国際的反日情報戦に立ち向かえ 」
週刊『週刊新潮』 2007年月3日29号 日本ルネッサンス 第257回 駐日米国大使のトーマス・シーファー氏が、米国下院公聴会で証言した元慰安婦の言葉を「信じる」と語っている。3月17・18日付の「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」紙が報じたもので、大使は「女性たちは売春を強要された」として旧日本軍による強制は「自明の事実だ」とも述べた。 拉致問題を深く理解し、横田早紀江さん…
「 中国の“微笑”を信じるなかれ 強硬策から転換した対日外交の企み 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年1月27日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 675 日中両国の違いは何かと問われれば、私は「記憶力の相違」と答える。 日本人は過去を忘れ、中国人は決して忘れない。日本人はこだわらず、中国人はこだわる。日本人は恨みを忘れ喜びに立ち戻る。中国人は喜びを忘れ恨みに立ち戻る。日本人は微笑によって心を動かされ、中国人は怒りによって心を動…
「 『大軍拡』中国の微笑外交に『操られる人たち』 」
『週刊新潮』 '07年1月25日号 日本ルネッサンス「拡大版」 第248回 [特集] 緊急提言『日本が危ない』 【第2回】 「 『大軍拡』中国の微笑外交に『操られる人たち』 」 現在、アジアの安定は米軍の存在が担保している。だが、中国の軍事力の強大化が米軍の動きを鈍らせ、封じ込める時代がやがてやってくる。アジアの安全保障の枠組みが大…