「 鳩山首相と一郎元首相の共通項 甘い『友愛』への大いなる不安 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年10月17日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 809 鳩山由紀夫首相の唱える友愛外交は祖父・一郎から学んだと、首相は「Voice」9月号で述べている。一郎の友愛は「博愛」を指し、「革命の旗印ともなった戦闘的概念」だという。 一郎は友愛を説くとともに日本の憲法改正と再軍備を主唱した。こうした考えは、後述のように、一郎の信念というより政敵・吉田茂への…
「 自由と民主主義を守る台湾に“一条の希望”の立法院補欠選挙 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年10月10日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 808 9月27日、台湾西南部の雲林県で立法院補欠選挙が行われ、台湾人の政党、民進党が大勝利した。 国民党の議員が先の総選挙で票を買収し、当選無効とされたことを受けての今回の補選では、中国系の国民党の公認候補、国民党系の無所属候補、民進党の公認候補の3人が競った。 民進党の劉建国氏の得票は74,30…
「 危うし、民主党国防政策の揺らぎ 」
『週刊新潮』 2009年10月8日号 日本ルネッサンス 第381回 日本最西端の国境の島、与那国島は沖縄本島から約500キロ、九州南端の鹿児島からは約1,000キロも離れている。長径1,000キロとは、東京を基点に北に向かえば北海道の名寄、紋別、網走まで、西に向かえば本州、九州を飛び越して種子島までの距離である。 この広い海域に点在する島々が、日本の排他的経済水域を広大ならしめ、日本を世界第6…
「 特集 国防最前線を担う最果ての島『与那国』ルポ 」
『週刊新潮』 2009年10月1日号 日本ルネッサンス 拡大版 第380回 「国境」が危ない」 【後編】 9月2日、尖閣諸島の上空を飛んだ。海原に浮かぶ日本固有の領土の周辺海域には海上自衛隊の船と海上保安庁の船が巡回していた。中国が東シナ海で着々と開発を進めるいま、この美しい海は中国の侵食から日本を守る緊張の海でもある。 尖閣諸島とともに、日本の国境を形成するのが与那国島だ。日本列島最西端に…
「 特集 陥落目前 『東シナ海ガス田』に迫る『中国の脅威』 」
『週刊新潮』 2009年9月24日号 日本ルネッサンス 拡大版 第379回 「国境」が危ない」 【前編】 9月1日、日本最西端の与那国島を訪れた。九州南端から500キロ離れた沖縄本島、そこからさらに500キロの与那国島はまさに日本の西の国境の島だ。 島の東端に阿尼花(あだにばな)の海岸がある。小高い場所の見晴台から、碧い海とのどかな牧場が見渡せる。 阿陀尼花の海岸で、牧場主で与那国防衛…
「 李登輝元総統、日本への励まし 」
『週刊新潮』 2009年9月17日号 日本ルネッサンス 第378回 「2012年を目処に中国が台湾を併呑する可能性が高まっています。国民党の馬英九政権の下で進行中の、予想をはるかに超える台中接近は中国の思う壷です。台中接近を推進する中国の圧力に、馬総統は耐えることが出来ず、物事は中国の狙いどおりに進んでいます。胡錦涛は台湾吸収で歴史に名を刻み、国家主席の座を完璧な形で退きたいと考えているはずで…
「 ウイグルの母が告発した『中国の嘘と弾圧』 」
『週刊新潮』 2009年8月13・20日合併号 日本ルネッサンス[拡大版] 第374回 7月28日、ラビア・カーディル氏が来日した。国際社会では「ウイグルの母」として、ノーベル平和賞候補者として語られる一方、中国政府からは「暴動をそそのかした国家分裂主義者」と烈しく非難される人物だ。 氏は来日の翌日、東京内幸町の日本記者クラブで会見し、中国共産党機関紙の「人民日報」を含む内外記者団を前に…
「 米中戦略経済対話が突きつける自立国家としての日本の活路 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年8月8日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 800 7月27日、28日の両日、ワシントンで米中戦略経済対話が持たれた。冒頭、オバマ大統領は「米中関係が21世紀を形づくる」「米中関係はいかなる2国間関係よりも重要」「この重要性がわれわれのパートナーシップを支えており、われわれは共に世界に責任を持たなければならない」と述べた。 米中が世界の枠組みを決…
「 中国による第三世界の核拡散 」
『週刊新潮』 2009年7月30日号 日本ルネッサンス 第372回 中国はかつてソ連と袂(たもと)を分かって、自力で核を開発した。後発国の中国の核開発のスピードに、世界は驚いたが、その裏には多くの葛藤があった。また、中国は核兵器を第三世界に広げるべく、核関連技術を複数の国々に輸出したのみならず、フランスに核実験場を提供し、フランスの核にも協力していた。 中国の核政策の実態は驚きである。中国…
「 ウイグル弾圧、国連で公平な調査を 」
『週刊新潮』 2009年7月23日号 日本ルネッサンス 第371回 中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで大規模暴動が発生して、1週間程が経った。胡錦涛国家主席は8日、サミット出席のために訪れていたイタリアから急遽帰国し、同日夜に中国共産党中央政治局常務委員会を緊急招集した。 中国の最高意思決定機関である常務委員会は、ウルムチの暴動は、海外の分離独立勢力が画策した犯罪だと決めつけた。画策に乗っ…