「 中国の軍拡による日本の危機を真摯に訴える『日本核武装入門』 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年2月20日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 826 中国の軍事戦略の分析における第一人者が平松茂雄氏である。防衛研究所に20年、杏林大学総合政策学部の教授として18年、その後現在に至るまで40数年間、中国の外交・安全保障戦略を研究してきた。膨大な数の著書を世に問うてきた氏が、今回は漫画に挑戦した。原作・監修が平松氏、漫画が丹州一心氏による同書は『日…
「 鳩山施政方針のあまりの空疎さ 」
『週刊新潮』 2010年2月11日号 日本ルネッサンス 第398回 夢想家、鳩山由紀夫首相の施政方針演説は、空疎で聞くに堪えなかった。「いのち」という言葉を連発し、力を入れるあまり声が裏返っていた。国民の「いのち」を預かる身として、日本の置かれている現実をもっと冷静に見るべきだろう。 首相は、「生まれくるいのち」「育ちゆくいのち」「働くいのち」を守り、さらに「世界のいのち」も「地球のいのち…
「 首相を追い詰める名護市長選挙 」
『週刊新潮』 2010年2月4日号 日本ルネッサンス 第397回 1月24日、米軍普天間飛行場の移設問題を最大の争点とする沖縄県名護市市長選挙で元市教育長の稲嶺進氏(64)が当選した。氏の公約は辺野古の海に基地は造らせないというもので、日米の長年の合意である辺野古への移設は非常に困難となった。 沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の最終報告書には、沖縄県米軍区域の総面積の21%にあたる5,…
「 有事の可能性が大きい北朝鮮 自由統一に向けた備えが急務 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年1月9日新春号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 820 新しい年が巡り来た。私たちの前に広がるこの一年は緊張溢れる年になるだろう。民主党政権下の政治的空白と機能停止状況から脱して、多くの緊急事態に向けての準備を整えなければならない。その一つが北朝鮮有事である。 近い将来、北朝鮮情勢が激変する可能性は大である。日本は北朝鮮有事を日韓関係の根本的改善につ…
「 民主党は議論無用の革命政党か 」
『週刊新潮』 2009年12月24日号 日本ルネッサンス 第392回 日本人は昔から皇室を権威とし、権力によって支えられる政党や政治家との間に一線を引き区別してきた。 時代によって皇室を巡る状況は変化し、歴史を振りかえれば、皇室が権威の次元を超えて権力を握ったときもある。反対に、経済的逼迫の中で権威を保つことさえ侭ならなかったと思われる時代もある。 そんな苦労の時代の典型が大永(だいえい…
「 北朝鮮による中国人拉致事件が多発 放置する中国政府の実態を直視せよ 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年11月28日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 815 11月17日、東京文京区民センターで横田早紀江さんのお話を、救う会全国協議会常任副会長の西岡力氏とともに、じっくり聞く機会を得た。めぐみさんが拉致されて11月15日で満32年。子どもを奪われた空白の32年は、どれほど長く、つらい日々だったことだろう。 畳をかきむしって泣き叫び、隣家のお婆さま…
「 外国人参政権法案を議員立法で提出もくろむ鳩山政権のご都合主義 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年11月21日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 814 鳩山由紀夫氏がまだ民主党幹事長だった今年4月、彼は外国人参政権問題についてこう語っている。 「まさに愛のテーマだ。(私が)友愛と言っている原点はそこにある」 さらに、氏はこうも語った。 「仏教の心を日本人が世界で最も持っているはずなのに、なんで他国の人たちが、地方参政権を持つことが許せないの…
「 善意で日本の力を殺ぐのか、民主党 」
『週刊新潮』 2009年11月19日号 日本ルネッサンス 第第387回 先週の小欄でも詳述したが、鳩山由紀夫首相は事前に内容を詰めることもなくCO2排出を1990年比で2020年までに25%削減するという、空前の政策を国連で発表した。 同案作成の中心人物だった参議院議員の福山哲郎外務副大臣は「Voice」12月号に、「政権交代によって、政策決定の在り方も180度変わった」として、…
「 日米首脳は中国に対して現実よりも理想を見がちだ 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年11月14日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 813 21世紀の残りの90年間、日本人の運命は台頭した中国の脅威をどうかわすかによって決まる。大事なことは、日本がその脅威を認識し、備えることである。 明らかに鳩山政権には、中国の脅威への認識が欠けている。そこから生まれてきたのが「東シナ海を友好の海にする」「東アジア共同体をつくる」などの発想だ。…
「 鳩山外交の陥穽、東アジア共同体 」
『週刊新潮』 2009年10月22日号 日本ルネッサンス 第383回 鳩山由紀夫首相は実態不明の友愛精神で東アジア共同体構想を持ち上げた。東南アジアから賛否の声が起きている。 共同体構想は元々、中国が米国のアジアにおける存在を薄め、あわよくばアジアから排除することを狙って、日中韓+ASEAN諸国で構成するものとして提唱した。 中国は、米国さえ後ろについていなければ、日本を中国の支配下に…