「 中国の軍拡による日本の危機を真摯に訴える『日本核武装入門』 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年2月20日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 826
中国の軍事戦略の分析における第一人者が平松茂雄氏である。防衛研究所に20年、杏林大学総合政策学部の教授として18年、その後現在に至るまで40数年間、中国の外交・安全保障戦略を研究してきた。膨大な数の著書を世に問うてきた氏が、今回は漫画に挑戦した。原作・監修が平松氏、漫画が丹州一心氏による同書は『日本核武装入門』(飛鳥新社)である。
平松氏と漫画という予想外の組み合わせに、「活字離れの激しい今、少しでも多くの人に、日本の危機を知ってほしいから」と氏は語った。
氏は長年、中国の軍事戦略が日本にもたらす危機を誰よりも詳しく、正確に、早い段階から書いてきた。政府に直言し、閣僚に情報提供し、分析と予測も発表し続けた。中国による東シナ海のガス田開発の動きもいち早く把握し、政府に、対処策を講じなければ手遅れになると、どの新聞社も報じない時期から警告を発してきた。
だが、海洋国家でありながら、海の持つ戦略的重要性をまったく意識しなかった日本政府は、氏の警告に耳を貸さず、逆に「あなたは心配し過ぎだ」と笑って受け流したという。
中国の海洋軍事戦略は氏の予測どおりに進んできた。そして今、台湾海峡における軍事的優位の確立、東シナ海の日本の海への侵略、尖閣を含む沖縄諸島の領有権主張、米国の動きを封鎖する海と宇宙における前例のない軍拡、これら一連の現実の先に待ち受ける日本の運命を、『日本核武装入門』で氏は次のように予測する。
「残念ながら日本は……少なくとも日本文化は必ず終焉を迎える」「君たちが生きている間にね!」
日本は確実に中国によって滅ぼされ、子どもたちの読む本も日本語ではなく中国語で統一されるようになると断言するのだ。一見乱暴で、起こりえない事態の空想だと感ずる人がいてもおかしくない。まさか、近未来に、日本が中国に併合され、「日本人」から「日本族」になるなどとは、誰も考えない。
しかし、平松氏の作品をしっかり読むと、暴論に思える氏の論や、的はずれに思えるその危惧が、明確かつ堅固な根拠に基づいていることがわかる。中国の軍事戦略と、他国の領土領海への侵略・拡大について、氏の予測と分析はことごとく当たってきた。今、氏が警告する日本の運命が現実となる可能性もある。そのような事態の発生を防ぐ手立てはただ一つだと、氏は静かに語る。
「日本が核を持てば、あるいは助かるかもしれない」と。
日本人のあいだでは、核は忌み嫌う対象である。そのことを承知しつつ、氏は強調しているのだ。
「われわれ日本人は(核を)持つことが最大の抑止力だということにいい加減に気づかねばならないだろう」
「国際政治からいえば、日本は唯一核を持って許される国だった。なぜならば唯一の被爆国だからだ」
「核を落とされたのだからまた落とされないように核で防衛する。この核保有の論理が通用するのは日本だけ」
はたして、氏の論に、否、氏が明確な論拠を基に示す数多くの事実に、正面から対座し、誠実に考えるだけの政治的成熟を、私たちは身につけているだろうか。少なくとも鳩山政権の中枢を占める人々には、とうてい期待出来ない。であれば、国民が、信念を持って問題提起しなければならない。
そのためには、まず事実を知ることだ。大半を絵が占める本書のページをめくってみれば、専門的な事柄が、非常にわかりやすく描かれているのに驚く。オバマ大統領の「核兵器のない世界」に向けての演説が、日本に平和や安定よりも危機をもたらすことの解説も含めて、活字の好きでない人々にも読んでほしい。中国の軍拡の目的と実態を具体的に知ってみれば、じつに衝撃的で恐ろしい世界が見えてくる。
トヨタのリコール問題(2)…
前日の米国トヨタ販売のジム・レンツ社長の外国人らしい責任転嫁の証言と違って公聴会の豊田社長の率直な証言に就いて読売・朝日・毎日、産経の各社が社説では一応好意的な見方をしているようです。 報道によれば、米国民や米国紙の評価も一方的なトヨタ批判で無くて2分しているそうです。 今日は豊田さんの証言後に残る問題を昨日の私のエントリーに頂いたコメントも参照しながら、各社の社説から拾って見ました。 (とは言っても車の運転のできない私が書くことですから、多くの方のアドバイスをお待ちしております。)
読売:米国…
トラックバック by 普通のおっさんの溜め息 — 2010年02月26日 15:48
揺らぎ始めた6年制の教員養成…
日教組の政策丸呑みの民主党マニフェスト
朝日新聞が教員養成、公約の「6年制」にこだわらず で次の様に伝えています。・民主党がマニフェストに掲げた「教員養成6年制」について、鈴木寛文部科学副大臣は27日、福井市内の「日本における教師教育改革」のシンポジウムの講演で、6年制にこだわらず、「『4年プラスアルファ』で少なくとも1年間、長期教育実習を抜本的に拡充する」と語った。教師になるまで従来の4年が6年に延びると学生の負担が増すなどの批判があり、マニフェストを修正して現実的な案を示した形だ。 教員養…
トラックバック by 普通のおっさんの溜め息 — 2010年03月01日 12:46
日本国がヤバいのに、どうして地域主権、地方分権なの??…
大河ドラマの龍馬伝を初め、今日本では坂本龍馬が大人気です。
龍馬伝は、私も毎週観ているのですが非常に面白い!
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一方国内はといえば、徳川の時代が続き、日本は各藩ごとに分かれていた。そんな中天下を狙って藩同士がいがみ合う。
お互いの藩が憎い。わが藩が栄えるため、わが藩の方が優れている、わが藩の殿様のためと、自分たちの藩という狭い世界で、藩の実力者や役人が、いかに権勢を振るうことができるか、いかに…
トラックバック by 地方分権で日本は植民地化する −地域主権で日本は属国化する− — 2010年06月30日 20:56