「 猛烈なスピードで進む中国の軍拡 日本を守るために必要な自助努力 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年3月5日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1123 中国の南シナ海軍事拠点化の凄まじさが彼らの真の姿を見せてくれる。オバマ米大統領には中国阻止の有効な手は打てないと踏んで、氏が大統領にとどまるこの1年間に、取れるものは全て取ろうと、遮二無二攻めている。 南シナ海のパラセル諸島最大のウッディー島への地対空ミサイル配備が明らかになったのは2月1…
「 司法への米国の畏怖と日本の無関心 」
『週刊新潮』 2016年3月3日号 日本ルネッサンス 第694回 日本と米国でこれ程違った形で報道されるのかと、驚いたのが米連邦最高裁判所判事の死亡だった。 2月13日、死去したアントニン・スカリア最高裁判事を悼んで「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)紙は、ワシントン記念塔で13枚の星条旗が半旗として掲げられた大きな写真を1面で報じた。日本で最高裁判事の死亡に関して、この…
「 官邸主導で「正定事件」に見事に対応 首相直属の情報発信本部設置を 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年2月27日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1122 先週当欄で指摘した「正定事件」について、日本政府の動きは素早かった。日本政府の資料等をそろえてバチカンに提出することになった。 同事件について中国とオランダは、1937年10月9日、中国河北省正定で日本軍がカトリックミッションに対し200人の女性を要求し拒絶されたために、シュラーヴァン…
「 一見平和な日本、だが千葉沖に中国の脅威 」
『週刊新潮』 2016年2月25日号 日本ルネッサンス 第693回 千葉県銚子市、九十九里浜沖で中国の情報収集艦が頻りにデータを取り続けている。その理由を、東海大学教授の山田吉彦氏はインターネット配信の「言論テレビ」の番組で次のように説明した。 「温暖化で潮流も海水温度も変化しています。黒潮(フィリピン東方から台湾、南西諸島、日本列島の南岸から、銚子沖に走り太平洋に溶け込む潮流)は時…
「 中国がバチカンを巻き込んで謀略 日本は果敢に反論し広報すべき 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年2月20日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1121 2月20日に書店に並ぶ高橋史朗氏の近著『「日本を解体する」戦争プロパガンダの現在』(宝島社)に非常に恐ろしいことが書かれている。中国が日本に歴史戦争を仕掛けているのは周知だが、その戦場がバチカンを巻き込んで広がりつつあるというのだ。 話は1937年1月9日にさかのぼる。中国河北省の正定…
「 政府主導で明確な原子力推進を 」
『週刊新潮』 2016年2月18日号 日本ルネッサンス 第692回 個々の技術は優れていても、全体の戦略となると心許ないのが日本ではないか。原子力の分野も例外ではない。個別の技術、たとえば原発で最重要といわれる原子炉圧力容器の製造技術では、日本は掛け値なしの世界一である。3・11に関して、私たちは水素爆発を起こした福島第1原発の失敗に焦点をあてがちだが、第2原発は見事に生き残った。増田尚宏…
「 脳梗塞から復活した平沼氏が一貫して訴え続けた自主憲法制定 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年2月13日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1120 昨年9月初旬、脳梗塞で倒れ療養中だった平沼赳夫氏が、自身のホームページに復帰の動画を発表した。 痩せたが、しっかりした口調で経緯を語っている。倒れて以降のリハビリ、昨年秋の自民党最高指導者(安倍晋三総裁)との面談、自民党党規委員会での満場一致の復党の受け入れ、長年の主張である自主憲法制…
「 規制をなくして育てよ、人工知能 」
『週刊新潮』 2016年2月11日 日本ルネッサンス 第691回 週末、2人の奇才に人工知能(AI)について聞いた。MITメディアラボの所長で、『ニューヨーク・タイムズ』社外取締役などを務める伊藤穰一氏と、ソニーコンピュータサイエンス研究所所長の北野宏明氏である。 初対面の北野氏からは、機関銃のように言葉がつながって飛び出てくる。最新の情報技術や産業についてのアイデアが溢れ出るのだ…
「 震災5年であらためて考える原子力規制委の権限と在り方 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年2月6日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1119 「読売新聞」が「震災5年」と題して、東日本大震災の当事者たちの証言を連載している。1回目は宮城県南三陸町町長の佐藤仁氏、2回目は福島県飯舘村村長の菅野典雄氏だった。小町村の首長がどのような思いで震災に向き合い、住民を守ろうとしてきたか、読めば胸を締め付けられる。当事者の皆さん方の思いはどれほどのも…
「 翁長知事完全敗北で沖縄の新未来 」
『週刊新潮』 2016年2月4日号 日本ルネッサンス 第690回 全国的に注目された沖縄県宜野湾市の市長選挙で1月24日、同市の抱える普天間飛行場の返還実現を訴えた現職の佐喜眞淳氏(51)が、新人で翁長雄志知事の支援する志村恵一郎氏(63)を破って、大勝した。 約2万7700対2万1800、5900票差の勝利を現地紙『沖縄タイムス』は「圧勝」と書いた。普天間返還と辺野古への移設がセ…