「 南北協力の道をバラ色に描く韓国の悲劇 偏向報道が目に余る日本の韓国化も心配だ 」
『週刊ダイヤモンド』 2018年10月13日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1251 韓国の著名な言論人、趙甲濟氏がこんなことを呟いた。「韓国人の考える能力、理解力が低下しています。わが国が直面する危機について、どれだけ発信してもわかってもらえない」。 趙氏は昭和20年、日本で生まれたが、家族と共に韓国に引き揚げた。私は折に触れ、氏と対談をしたり意見交換したりしてきたが…
「 波高し、沖縄新知事のゆくすえ 」
『週刊新潮』 2018年10月11日号 日本ルネッサンス 第822号 当欄の原稿執筆中の9月30日、沖縄では県知事選挙の投票が続いている。大型の強い台風24号が通りすぎ、それはいま、本土を襲っているのだが、沖縄もまだ台風の余波の中だ。 28日の金曜日には、インターネット配信の言論テレビに、沖縄の我那覇真子氏をゲストに迎えた。 「知事選は事実上、佐喜眞淳氏と玉城デニー氏の一騎打ち…
「 中国が世界各地で仕掛ける「債務の罠」 「第二のスリランカ」阻止への正念場だ 」
『週刊ダイヤモンド』 2018年10月6日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1250 広域経済圏構想「一帯一路」を推進して、世界に覇権を打ち立てるという中国の思惑が、またひとつ崩れ去るのか。日本や米国、インドやオーストラリアは中国の横暴な世界戦略に修正を加えることができるのか。 インド洋に浮かぶリゾートの島国、モルディブで9月23日、大統領選挙が行われ、親中派のアブドラ・ヤ…
「 拉致解決、安倍対北外交で団結せよ 」
『週刊新潮』 2018年10月4日号 日本ルネッサンス 第821回 インターネットで配信する「言論テレビ」を始めて6年になった。毎週金曜日の夜9時から、原則として1時間の番組を2本ずつ放送している。9月21日は6周年記念の2時間特別番組で拉致問題を取り上げた。 横田めぐみさんが13歳で拉致されて今年で41年、お母さんの早紀江さんが語った。 「1977年11月15日、朝、普段どお…
「 八百万の神という神道の宗教観は多様性重視に向かう国際社会の手本に 」
『週刊ダイヤモンド』 2018年9月29日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1249 友人の伊藤穰一氏が慶應義塾大学から博士号を授与され、お祝いの会があった。氏の研究テーマを説明することは私の能力に余るが、お祝いの席での会話は刺激的で、私の頭の錆を少しずつ剥がしてくれた。 伊藤氏を友人達は皆、親しみをこめて「ジョイ」(Joi)と呼ぶ。彼はマサチューセッツ工科大学(MIT)…
「 山は動くか、日露平和条約への誘い 」
『週刊新潮』 2018年9月27日号 日本ルネッサンス 第820回 「年内に無条件で日露平和条約を締結しよう」 極東のウラジオストクで開催された東方経済フォーラムで、プーチン露大統領が安倍晋三首相に、突然、呼びかけた。これまで、日露間で幾度も話し合われたが、領土問題は少しも解決に近づかず、平和条約締結も前進しなかった。それがいま、今年中の平和条約締結をというのだ。その精神は1956年…
「 アリババ集団マー会長退任の背後に金持ち排除を進める習近平主席の影 」
『週刊ダイヤモンド』2018年9月29日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1248 中国電子商取引(EC)最大手、アリババ集団のジャック・マー会長が五四歳の誕生日、9月10日を期し会長職を退くと米「ニューヨーク・タイムズ」紙が報じた。 3日後、アリババ集団は、退任は今年ではなく、来年の9月10日だと発表した。マー氏が株主に宛てて公開した書簡には「大好きな教育分野に戻りたい。…
「 全道停電は原子力規制委の知的怠惰が原因 」
『週刊新潮』 2018年9月20日号 日本ルネッサンス 第819回 9月6日未明、北海道が最大震度7の地震に襲われた。9日現在で犠牲者は42人、1人が行方不明だ。 地震の被害をさらに広げたのが、わが国初のブラックアウトの発生だ。電力喪失でサーバーも工場のモーターも全て停止し、新千歳空港もJRも物流も止まった。モーターで汲み上げる水道も止まった。病院の生命維持装置、透析機器、保育器も動…
「 支離滅裂に映る細川元首相のインタビュー 闇雲な政権批判はメディアの真価にあらず 」
『週刊ダイヤモンド』 2018年9月15日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1247 雑誌「選択」があらぬ方向に迷走中だ。巻頭インタビューは控え目に言って無意味である。明らかな誤報や歪曲報道も目立つ。 選択の誇りは日本の大戦略を示し、論ずることで言論界に重きをなすことだったのではないか。闇雲な政権批判が物言うメディアの真価だと考えているとしたら、無責任な野党並みだ。 …