「 台湾が危ない、中国の侵略阻止に力を貸せ 」
『週刊新潮』 2019年5月23日号 日本ルネッサンス 第852回 週末、東京・池袋のホテルで、台湾の与党民進党の前行政院長(首相)、頼清徳氏に取材した。一言で言えば爽やかな感じの人物だ。台湾出身の金美齢氏は、「政界一の美男」と評したが、むしろ「穏やかな知性の人」という印象が先に立つ。 頼氏は59歳、元々内科医だった。政界に転じ、立法委員(国会議員)、台南市長を経て2017年9月に蔡…
「 昭和天皇が戦後占領下で発した詔勅の意味を汲みとることが令和時代の課題だ 」
『週刊ダイヤモンド』 2019年5月18日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1279 御代替わりと長い休日で沢山の本を読んだ。その1冊、『昭和天皇 二つの「独白録」』(東野真著、NHK出版)は1997年6月放送の「NHKスペシャル」を基にした作品だ。NHKの報じる歴史物にはおよそいつも独特の偏りと臭気を感じるが、約20年前に出版された本書も例外ではない。それでも考えさせられる著…
「 玉城沖縄県知事の中国おもねり外交 」
『週刊新潮』 2019年5月16日号 日本ルネッサンス 第851回 少しばかり古い話だが、沖縄県知事の玉城デニー氏が4月18日、沖縄県を「一帯一路」の中で「活用してほしい」と、中国副首相の胡春華氏に要請したそうだ。 一帯一路構想は中国式の世界制覇計画である。手段を選ばないその手法は世界の非難の対象となっており、日本政府も米国政府も強い警戒心を抱いている。 安倍首相は日本も一帯一…
「 新天皇が置かれていた教育環境の酷さに日本の将来への不安を抱く 」
『週刊ダイヤモンド』 2019年5月11日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1278 「平成」から「令和」へ、5月1日に御代替わりとなった。新しい天皇陛下と皇后陛下はどのような天皇・皇后になられるのか、お二方が目指しておられる天皇・皇后像とはどんなものなのだろうか。 そこで気になるのが歴代の天皇が幼い頃から受けてこられた帝王学である。端的にいえば、人の上に立ち国民の心の安…
「 皇族を冷遇する学習院の悪しき体質 」
『週刊新潮』 2019年5月2日・9日号 日本ルネッサンス 第845回 間もなく元号は令和と改められ、新天皇が即位される。新天皇・新皇后両陛下はどのような新しい時代を創られ、どのような天皇・皇后になろうとしていらっしゃるのか。 そう考えているとき、2001年3月出版のいささか古い本だが、『浩宮の感情教育』(以下『感情教育』小坂部元秀、飛鳥新社)を勧められて読んだ。 天皇となられ…
「 核・ミサイル・拉致問題の解決に向けて北朝鮮をさらに追い詰めることが必要だ 」
『週刊ダイヤモンド』 2019年4月27日・5月4日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1277 日本は春爛漫の美しい季節だ。花のあとは瑞々しい若葉を愛でる。日本列島に住む私たちは、一人一人さまざまな課題や苦労があるにせよ、概して幸せだと思う。 そんなことを考え、北朝鮮に捕らわれている拉致被害者を想う。横田めぐみさんや増元るみ子さん、有本恵子さんをはじめ800人を超える…
「 文在寅、親北反米路線で確信犯 」
『週刊新潮』 2019年4月25日号 日本ルネッサンス 第849回 南北両朝鮮が米国に追い詰められている。とりわけ韓国の文在寅大統領への米国の圧力は巧妙である。 4月11日、文氏は“建国”を祝う予定だったが、米韓首脳会談のため、大事なその記念式典を諦めて訪米した。にも拘わらず、ホワイトハウスでのトランプ大統領との会談は、前代未聞の哀れな結果に終わった。 文氏は10日にソウルを出…
「 ドゥテルテ比大統領が示す中国への怒り 国際社会で共に対処する発想こそ重要だ 」
『週刊ダイヤモンド』 2019年4月20日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1276 フィリピンのドゥテルテ大統領が4月4日、自国が領有する南シナ海の島周辺に数百隻の中国船が押し寄せているとして、中国に強い不快感を表した。 「パグアサ島に手を出すな。手を引かない場合、自爆任務を担う部隊を送り込むことも辞さない」と、当然のことだが、領土に関しては一歩も引かない構えを示した。 …
「 福澤諭吉論に見る、皇室と国民の関係 」
『週刊新潮』 2019年4月18日号 日本ルネッサンス 第848回 およそ150年前、日本人は列強諸国の脅威の前で、潰されず呑みこまれず、祖国の未来を確固たるものにしようと必死の想いで努力した。徳川幕府の統治から転じて天皇の権威の下に皆が結集して、明治維新という大変化を乗り切った。おかげで日本は大半のアジア諸国とは異なり、辛うじて独立独歩で前進できた。 国の形が大転換したとき、先人た…