「 日米首脳会談、独立国の気概持てるか 」
『週刊新潮』 2021年4月15日号 日本ルネッサンス 第946回 4月16日、日米首脳会談が行われる。バイデン大統領の最初の対面形式の会談相手が菅義偉首相であることについて菅首相は4日、フジテレビの番組で「バイデン政権そのものが日本を重視している証だ」と語った。 日本への期待の大きさが見てとれるが、そのひとつがバイデン政権の重点政策、2050年までの温暖化ガス排出差し引きゼロ政策(…
「 危機感欠如の楽天・テンセント提携 」
『週刊新潮』 2021年4月8日号 日本ルネッサンス 第945回 世の中が急変し、古い仕組みが新しい仕組みに取って代わられようとするとき、大事なことは新局面で生き残るために何が必要かを考え、確実に実行することだ。すべきことは、➀正しい現状分析、➁解決法の突きとめ、➂その実行、に尽きる。 わが国日本は右の三つのことを成し遂げ得るか。それが3月26日の「言論テレビ」の主題だった。番組で具…
「 米中苛烈、中国の時間稼ぎを許すな 」
『週刊新潮』 2021年4月1日号 日本ルネッサンス 第944回 3月18、19の両日アラスカで行われた米中会談は中国の本音を巧まずして暴露した。中国はもう少し時間稼ぎをしたいのである。 激しい応酬や威嚇的な言葉を削ぎ落として、時系列で事実関係を辿れば、バイデン政権の対中外交における予想以上の周到さが見てとれる。 中国の全国人民代表大会(3月5日~11日)を受けて、バイデン米大…
「 ケネディ教授、「米国は衰退しない」 」
『週刊新潮』 2021年3月25日号 日本ルネッサンス 第943回 3月9日、シンクタンク「国家基本問題研究所」が主催した国際セミナー「アメリカは衰退するのか」で、国基研副理事長で、ニクソン研究で名高い田久保忠衛氏と共にポール・ケネディ教授と鼎談した。 米国東部、コネティカット州にあるイエール大学近くの自宅からリモートで参加したケネディ教授は、早々と準備して音声チェックなどに当たって…
「 習近平の毛沢東路線は世界の不幸だ 」
『週刊新潮』 2021年3月18日号 日本ルネッサンス 第942回 習近平国家主席の下、中国はおよそ全ての分野で・逆方向・に走っている。中国自身も否定し、一旦は離れた毛沢東の路線に強硬な攻めの姿勢で立ち戻ろうとしている。それは現在の中国の強さの表現というより、彼らの抱える矛盾と弱さの反映ではないか。それが、3月5日に開幕した全国人民代表大会(国会に相当)の前半を見ての感想である。 開…