「 39年間薬害被告であり続ける国 」
『週刊新潮』 2002年4月18日号 日本ルネッサンス 第15回 Mさんが亡くなったのは、2年前の4月7日だった。彼の死を悼んで友人たちが集まった日、冷たい雨が花を散らしていたのを憶えている。 血友病患者だったMさんは、非加熱製剤でHIVとHCV(C型肝炎ウイルス)に重複感染していた。HIVへの偏見が強く、ほとんど誰も薬害エイズの当事者として表に出て来ることが出来なかった90年代初期に、彼は…
「 “国益”がわかる中田宏氏の横浜市長当選に変化の期待 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年4月13日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 441回 時代は本当に動いている。政令指定都市横浜で無所属の中田宏氏が市長になった。現職で4選を目指していた高秀秀信氏を破っての当選だ。 高秀氏には自公保に加えて社民党の応援までついた。連合のみならず、人気の高い石原慎太郎東京都知事は2度も応援に足を運んだ。高秀氏が支援を取りつけた企業は2200社にも上ると…
「 とてもあぶない国家無謬説 」
『週刊新潮』 2002年4月11日号 日本ルネッサンス 第14回 3月15日に『行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案』が国会の総務委員会に提出された。 提出したのは、いまや静かに着実に日本を支配しようとする総務省である。読んでみて本当に驚いた。行政、つまり国は絶対にあやまちを犯さない善なる存在だという看板を高く掲げたような内容なのだ。国家は無謬(むびゅう)であるとした同法案の問題点は…
「 北朝鮮に譲歩は禁物 日本の主張を通してこそ交渉進む 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年4月6日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 440回 拉致問題に関する3月22日の北朝鮮の反応は、私たちに重要なことを告げている。外交は善意だけでは決して解決できない。突破口は、国民を守り通すという強い国家意思を持ち、揺らぐことなく、その一点を起点にすることによって初めて開くことができるということだ。 日韓首脳会談のために韓国を訪れた小泉首相は3月22…
「 バイオテロに勝つ大人の知恵 」
『週刊新潮』 2002年4月4日号 日本ルネッサンス 第13回 今月末、千葉県の血清研究所が閉鎖される。日本で唯一の天然痘ワクチンを製造している研究所であるばかりか、そのワクチンは、「LC16m8」と呼ばれる、世界で最も安全で優れたワクチンである。 元国立予防衛生研究所ウイルス第一部長で、現在富山県衛生研究所長の北村敬氏が語った。 「血清研究所の閉鎖で、日本の痘瘡ワクチン製造能力は消滅します…













