「 「シラス」と「ウシハク」 」
『週刊新潮』 2023年6月22日号 日本ルネッサンス 第1053回 皇學館大学文学部教授、松浦光修氏の『神々の日本史』(経営科学出版)が深く心にしみた。本書は21年前の氏の初めての歴史評論集、『やまと心のシンフォニー』を書名を変えて再出版したものだ。 氏は書いている。皇學館に入学する学生たちでさえ、初代天皇(神武天皇)の名前を言えない、或いは今上陛下が何代目の天皇であるかを知らない…
「 米国の対中宥和策は有害無益だ 」
『週刊新潮』 2023年6月15日号 日本ルネッサンス 第1052回 6月2~4日、シンガポールのシャングリラホテルで「アジア安全保障会議」が開催された。オースティン米国防長官は3日に演説したが、事件はその直前に起きた。米海軍のミサイル駆逐艦「チャン・フーン」とカナダ海軍のフリゲート艦「モントリオール」が台湾海峡の国際水域を北上中、中国艦船がチャン・フーンを追い抜き、船首前方を二度横切った…
「 創価学会と公明党、統一教会と同じだ 」
『週刊新潮』 2023年6月8日号 日本ルネッサンス 第1051回 衆議院の小選挙区「10増10減」に伴う候補者調整をめぐって自民党と公明党の対立が深まり、東京都における選挙協力が成立しなくなるという。公明党の集票力は1選挙区で約2万票とされ、先の衆院選で次点との差が2万票以下だった5人の自民党議員の当選が危ぶまれる。 5月29日現在、東京都に限られている協力中止が他の選挙区に拡大し…
「 岸田氏の定見問われる核の無法時代 」
『週刊新潮』 2023年6月1日号 日本ルネッサンス 第1050回 ロシアと勇敢に戦い続けるウクライナのゼレンスキー大統領が5月19日開幕のG7広島サミットに対面参加すると報じられた瞬間から、報道はゼレンスキー氏一色になった。 ロシアの核の脅威に直面し、国土を焼かれ人命を失い続けるウクライナの悲劇と広島の悲劇が重なって、岸田文雄首相の設定した核なき世界を目指す舞台に西側首脳たちが勢揃…
「 岸田外交、面子優先で国益損ねるな 」
『週刊新潮』 2023年5月25日号 日本ルネッサンス 第1049回 岸田文雄首相は本誌発売日の5月18日に広島でバイデン米大統領と首脳会談を行い、翌日からは先進7か国首脳会議(G7サミット)を主催する。世界大激変の真っ只中で岸田首相の1年半における外交の成果が問われる。 吉田茂、岸信介、安倍晋三の三首相の外交・安全保障政策の延長線上に自らの安保政策を位置づけて、安倍氏の路線を引き継…