「 憲法前文の精神に浸る人々の幻想 」
『週刊新潮』 2016年5月26日号 日本ルネッサンス 第705回 5月13日、米国防総省が「中国の軍事動向」に関する年次報告書を発表した。報告書は、中国は共産党創設100周年の2021年までに「適度に豊かな社会」を目指し、中華人民共和国創立100周年の49年までに「近代的社会主義国となり、繁栄する強国、民主主義的、文化的で高度に進んだ和を基調とする国を作る」ことを目指していると報告した。…
「 弱体化が進む金正恩体制 拉致問題交渉の機会を見逃すな 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年5月21日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1133 36年ぶりの北朝鮮労働党大会から読み取れるのは北の四面楚歌である。 北朝鮮側が招待状を出さなかったとはいえ、北朝鮮を守り続けてきた中国は参加しなかった。両国の事実上の没交渉に加えて、金正恩氏の人事からは中国への強い敵愾心が読み取れる。 父親の金正日氏は軍を主軸に据えた「先軍思想」…
「 米国にトランプ政権か、混沌への対策 」
『週刊新潮』 2016年5月19日 日本ルネッサンス 第704回 無論、11月の本選挙で民主党大統領候補との一騎討を制しなければならないが、共和党の指名獲得を確実にしたドナルド・トランプ氏がまた一歩、米国大統領の座に近づいた。5月中旬の現時点で、アメリカの次期大統領が誰になるかを予測するのは不可能だが、それでも、トランプ氏への高い支持の理由と、第45代大統領に就任した場合の氏の政策の分析が…
「 現行憲法擁護派への痛烈な批判である百田氏の著書を読み現実を見る力を 」
『週刊ダイヤモンド』 2016年5月14日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1132 百田尚樹氏の『カエルの楽園』(新潮社)が面白い。百田氏は本書に先駆けて発表した「世界は変わった 日本の憲法は?」と題するDVD制作の総指揮を執った。米国の占領下で日本国憲法が作られた過程、そこから生じた問題を40分弱にまとめたものだ。制作に多少関わった私に、昨年夏、百田氏が秘密を打ち明けた。 …
「 朝日慰安婦報道の背景を分析する 」
『週刊新潮』 2016年5月5日・12日合併号 日本ルネッサンス 第703回 4月22日、札幌は晴れていた。彼の地で、「朝日新聞」の元記者・植村隆氏が、氏の慰安婦報道を批判した私の記事が名誉毀損に当たるとして損害賠償と謝罪記事掲載などを求め、私及び新潮社、ワック、ダイヤモンド社を訴えた民事裁判の第1回口頭弁論に出廷したのだ。札幌地裁805号法廷は傍聴人で満席だった。 慰安婦報道につ…













